全国の南埼玉病院リハビリテーション部ブログファンの皆様、こんにちは。
今月もグループホームエクボよりお届け致します。
少しづつ秋の気配を感じるようになりましたが、新型コロナウィルス感染症の猛威は依然終わりが見えず、歯痒い日々。皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、今回は雑談的なお話を。
最近「多様性」という言葉を良く聞きますよね。
性的マイノリティの人権問題や学校教育、企業経営、もちろん福祉の分野でも。
あらゆる分野や場面で良く聞く言葉です。
コロナ禍において、よりその頻度は高まった気もします。
こと、障害福祉分野においてもそれを感じることが多くなりました。
そもそも「多様性」とはどういった意味なのでしょうか。
様々あるものの、
「いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富んでいること」
(「コトバンク」より)
だそうです。
世界や身近な社会も刻々と変化する中で、否が応にも「多様(化)性」を感じざるを得ません。
最近は、歳を重ねてきたからか、余計に・・・。
それはさておき、障害福祉分野において感じることの一つとして、
これまでグループホームを含む障害福祉サービスの運営母体と言えば、社会福祉法人や障害福祉に特化したNPO法人、医療法人など、いわゆる「非営利団体」が主でした。
しかし、ここ数年は、知っている限りでもグループホームや就労支援などの分野において、株式会社などのいわゆる「営利団体」が障害福祉サービス事業に次々と参入しており、その動きは早くて活発です。
介護の分野では、かなり前から居酒屋チェーンの「ワタミ」などが参入しているのが有名で、今の流れの「走り」的存在だったのかもしれませんね。
これまで先駆的だった事業者でもなかなかできない、幅広く柔軟な事業展開や、これまでの「福祉的」な発想とは違ったサービス提供がその魅力です。
これまでには考えられなかった、小さくない変化です。
どちらかと言えば、悪い意味ではなく、旧態依然のグループに属する私達にとっては、驚くべきことでした。
「ノウハウはあるのか」「当事者中心の支援ができるのか」など勝手に心配し、「営利」という言葉にちょっとしたアレルギーを起こしたものです。
ただ、「福祉は志のある人が行なうもの」という価値観は不変的なのかもしれませんが、「福祉(Welfare)=ゆたかさ・しあわせ」という本来の意味に照らし合わせれば、誰もがそれを提供する役割を担っても良いと考えるのも自然のような気もしてきます。
もともと、人によってゴールも様々で、「正解」という「正解」がないような、多様性のかたまりのような分野です。
それぞれが持っている「福祉」や「支援」の在り方を認め、活かすことでサービスの選択肢が広がり、より良いサービス提供がなされていくことを目指していく必要があることを改めて感じます。
学生時代、尊敬する講師が、詩人である金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」という詩を、詩なんかこれっぽっちも興味のない私に紹介してくれました。その最後はこう締めくくられています。
「みんなちがって、みんないい」
違うことと善悪は別。それぞれ違いはあって、それぞれがいいものをもっている。
まずは、もう一度自分たちの足元を見つめたいと思います。
雑談にお付合い頂き、ありがとうございました。