‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

エル・グレコの奏楽天使たち

2012-12-25 13:08:57 | Art
12月24日(月)
国立国際美術館「エル・グレコ展」の最終日、やっと行ってきました。

   
初めて行きましたが、大阪市立科学館の隣の変わった造形物の地下にありました。

殆どがカトリックの聖画で、その当時台頭してきたプロテスタントに対抗するように、キリスト教伝説を深く深く説く、力強い迫力満点の聖人達の姿絵や物語絵でした。
マリアの顔はどこまでも崇高で美しく、聖者たちの夢見るような瞳の透明感が印象的でした。
教会に入って来た商人を、教会で商売をするなと言って、鞭を振るうイエスの絵もありましたが、
それは無いでしょう…。死ぬ時が近づいてきた、国王フェリペ二世でさえ、最後の審判を受けるのを待つ、天国と地獄を描いた絵などからしても、大変な権力を持っていたカトリック教会の当時の様子がうかがえました。
とは言え現代に残る絵画の力、芸術作品としての高さには、驚きと感動の展覧会でした

1600年前後に活躍した画家なので、日本でいうと戦国時代から江戸時代の始め、
西洋音楽では、ルネッサンスの終わり頃から、バロック期の幕開けあたりです。
マリアの絵にしばしば描かれている、奏楽天使達の奏でる楽器は、初期バロック期のものでしょう。


「無原罪の御宿り」に描かれているのは、大型のヴィオール、リュート、笛です。
顔と翼だけが見える、最も位の高い天使、セラフィムケルビムもいっぱいいる!


「福音書記者ヨハネのいる無原罪の御宿り」にはハープとリュートが。


「受胎告知」には、あらゆる種類が登場している。笛、鍵盤楽器、リュート、ハープ、ヴィオールです。教会では実際にこれらの楽器や歌による音楽が、美しく奏でられていたのでしょうね



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今年最後のコンサート♪

2012-12-25 11:29:08 | My Consert
土・日・月が5週ある12月というのが、けっこうレアなのだそうですが、
22日(土)は、和泉市久保惣記念美術館コンサートでした。

   
橋本久美子さんのホルン、黒田千賀子さんのピアノ、そして私、笹山晶子のソプラノで、ソロやアンサンブルを交えた内容でした。

私は今年の最終コンサートとなりましたが、予想以上の大入りのお客様でした。
一部は、プロテスタントだったバッハを中心にしたプログラム。
二部は、カトリックの典礼文の聖歌で始めました。19世紀のポピュラーな曲を聴いていただく前に、グレゴリオ聖歌のアカペラを歌いました。このホールは教会的な響きがするので、単音は実に綺麗なのです。
ブリテン「I wonder as I wander」もピアノと歌の単音の掛け合いで、珍しいアレンジなので、印象的だったようです。
大人なクリスマス・コンサートだった、異次元のコンサートだった、等々の感想をいただきました。

宗教曲だけでなく、星や夢といった夜のイメージの曲も入れましたが、ホルンとの最高のアンサンブル曲、シューベルト「流れの上で」は、暗い海に流されて、空に輝く星に希望を見出すという詩の内容は、東日本大震災の時を思い出します。
古代より星は希望への道知る辺だったようで、イエスが産まれた時に、星に導かれてやって来た、東方の三博士や、日本の信仰でも星を祀る神様は、天に最も近いので位が高いということも聞きました。 

年末のお忙しい中、足をお運び下さったお客様、本当に有難うございました

  
美術館のお庭には、最後の紅葉した落ち葉が美しく、ホトトギスという珍しい茶花っぽい花が可憐に咲いていました。
一カ月ほど前に「桜珈琲」の和泉中央店が出来て、演奏会後のスイーツを食べに

23日(日)は新たに入れていただいた、主に古楽アンサンブルをするグループ「アンサンブル・シュシュ」さんでの、初練習に参加しました。
私の情報網からは、ほとんど抜けていたのですが、河内長野の汐の宮という超地元に、ヴィオールやリュートを制作される久保田夏男さんの工房があり、関西のアマチュア界の精鋭集団が集まって練習、定期演奏会を開いているグループです。
春の演奏会候補曲、私はフラウト・トラヴェルソの超絶技巧曲、ヘンデル「ナイチンゲールのアリア(Sweet Bird)」等を歌わせていただきます。
古楽器の響きはやっぱり柔らかで、耳に心地が良い

 
昨日が星のコンサートだったのですが、久保田さんの工房近くに、山にそびえる妙見さん(星を祀るお寺)が見えます。星空も綺麗だろうな~と思ういい所です。
夜は家族が揃う日だったので、ちょっと早いクリスマス料理でした。

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