7都府県に緊急事態宣言、島岡美延です。
4月に入り、映画会社から、公開延期の連絡が相次いでいました。
今後、宣言を出された都府県の知事が休業要請など出しますが、多くの民間事業者が“先に自粛”している印象も。
先日のラジオに、『ハチ公物語』などの神山征二郎監督が登場。
30回目の監督作品『時の行路』は、3月公開が延期に。
実話を基にした田島一氏の『時の行路』などを原作に、“日本社会はこれでいいのか”と突き付けてきます。
八戸でリストラにあった五味洋介(石黒賢)は、妻の夏美(中山忍)と子どもたちを実家に残し、静岡の大手自動車メーカーの旋盤工として働く日々。
派遣社員ながらベテラン技能者として信頼されていたが、ある日、リーマンショックに端を発した非正規労働者の大量首切りの対象に。
仲間と労働組合に入り、解雇不当を訴えるも、裁判所すら彼らに冷酷だった。
そんな折、闘病中の妻が倒れ…。
“年越し派遣村”の様子も出てきます。
あれから10年余り、この社会はより大きくなった、格差、貧困問題のさなかに。
4月に入り、映画会社から、公開延期の連絡が相次いでいました。
今後、宣言を出された都府県の知事が休業要請など出しますが、多くの民間事業者が“先に自粛”している印象も。
先日のラジオに、『ハチ公物語』などの神山征二郎監督が登場。
30回目の監督作品『時の行路』は、3月公開が延期に。
実話を基にした田島一氏の『時の行路』などを原作に、“日本社会はこれでいいのか”と突き付けてきます。
八戸でリストラにあった五味洋介(石黒賢)は、妻の夏美(中山忍)と子どもたちを実家に残し、静岡の大手自動車メーカーの旋盤工として働く日々。
派遣社員ながらベテラン技能者として信頼されていたが、ある日、リーマンショックに端を発した非正規労働者の大量首切りの対象に。
仲間と労働組合に入り、解雇不当を訴えるも、裁判所すら彼らに冷酷だった。
そんな折、闘病中の妻が倒れ…。
“年越し派遣村”の様子も出てきます。
あれから10年余り、この社会はより大きくなった、格差、貧困問題のさなかに。
いつも映画のご紹介をなさっていらっしゃる島岡さんが
> 4月に入り、映画会社から、公開延期の連絡が相次いでいました。
とのことですが、わたしがブログを訪ねさせていただいている方が、たまたま「新型コロナウイルスでお家で映画を」とのことでしたので、きょう、以下のコメントを投稿しておりました。
参考になるかどうか分かりませんが、掲載させていただきます。
さて、「映画鑑賞」とございましたので、わたしがこの映画はって思っている1つをご紹介させていただきます。
底辺女性史研究家の山崎朋子さんの執筆による記録「サンダカン八番娼館」(「文春文庫」)が、後年、栗原小巻さん主演の「サンダカン八番娼館 望郷」といった映画になり、1974(昭和49)年の日本映画ベスト1に選ばれたものです。
底辺女性史というとすぐ「野麦峠」や「富岡製糸場」が挙げられますが、長時間労働の大変さも分かりますが、ボルネオなどの異境の地で肉体をひさいだサンダカン八番娼館の「からゆきさん」の悲惨さとは比べることができないようにわたしは思います。
この映画は山崎朋子さんが実際に八番娼館で過ごした山川サキさんからの聞き書きをもとに書かれた「サンダカン八番娼館」(文春文庫)という本をもとにつくられたものです。
本は、後年に出された「サンダカンの墓」と2編あります。
江戸から明治に時代が変わったころ、明治政府は西洋に追い付き・追い越せの掛け声で殖産興業に力を入れました。
それらの一例が「あゝ野麦峠」で知られる女工哀史だと思われますが、この製糸工場で働く少女たちの労働時間は1日に10数時間にも及んだという過酷なものでした。
それでもなお、わたしは「サンダカン八番娼館」で紹介されている「からゆきさん(からんくにゆきさん・唐行さん)」の悲惨さとは比べることができないように思われます。
九州地方、特に(江戸時代に島原の乱のあった)雲仙・天草地方は海辺まで山が迫っていて耕地が極端に狭いために、そこに住む人々の生活は困窮をきわめました。
そのために行われたのは子どもの身売りです。
それも、その先は南方(現在のインドネシアのスマトラやマレーシアのサンダカンなど)でした。
日本の女工哀史などは労働時間が多かったことで大変でしたが、からゆきさんの場合はほんの子ども時代に肉体をひさぐということで、その悲惨さは比べることもできないように思われます。
前述のような、外貨獲得政策のために西洋に追い付け・追い越せを見て見ぬ振りをしてきた明治政府も、日清・日露戦争などを経て、世界の中での日本の地位が評価されるに従い少しずつ改善されていったようです。
「サンダカン八番娼館」の本は、ずいぶん前に読みました。
最近は、“昔の女性はこんなに大変だった”という映画、なかなか作られませんね。
「サンダカン八番娼館」の本を実際にお手に取られたんですね。
「これは」と思う映画がもう1つあります。
「愛と哀しみのサハリン」といいまして、戦中の日本人の女性と、韓国人の男性を扱ったお話で、男性は結婚式の場所から日本の官憲によって捕らえられ鉱山などで強制労働させられます。
何度か脱走するごとにだんだん遠くに連れて行かれ、最後はサハリンです。
戦争が終わっても戻ることができなくて、2人が再び会うことができたのは確か昭和40何年かだったと思います。
ただ、そのエピローグは・・・。
わたしの近くに大崎市三本木のひまわりの丘がありますが、そこを訪ねるたびにこの 「愛と哀しみのサハリン」の映画のラストシーンが思い出されてきてしまいます。
ただ、この映画のDVDなどはその後の日韓の感情問題などから現在は市販されていないと思われます。