昨日(8月14日)、宮崎市内にあるみやざきアートセンターで開催中だった「SNOOPY JAPANESQUE スヌーピー×日本の匠」展を見に行きました。
(以下、画像は写真撮影可のスペースにて撮影したものです)
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チャールズ・M・シュルツの漫画『ピーナッツ』の主人公であるスヌーピーは、現在でも世界中で愛され続けている名キャラクターですが、ご存知のように日本においても根強い人気を誇っております。
そのスヌーピーと、墨文字や陶磁器、友禅、漆器、木彫、和紙などの日本の伝統工芸とがコラボレーションした作品を集めて展示したのが、この展覧会です。
会期ももう末期になっていた昨日でありましたが、お盆休みの方も多かったためか家族連れやカップルなどで大いに賑わっておりました。
まず展示されていたのが、このプロジェクトの企画者であり、シュルツ氏夫妻と長年の親交があるというアーティスト・大谷芳照さん(YOSHI)の手になるグリフアートの数々でした。
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大谷さんの作品は、「愛」「寿」「好」「祝」「絆」などの墨文字の中に、スヌーピーがはめ込まれているというものです。スヌーピーと日本の伝統工芸との融合という、この展覧会を象徴するかのような趣向がなかなか面白く、のっけから引き込まれてしまいました。
そのあとは、スヌーピーをモティーフにした全国各地の伝統工芸作品の数々が展示されていました。その数40作品。
伝統的な図柄の中にスヌーピーを描いた加賀友禅(石川県)や京友禅(京都府)。スヌーピーとチャーリー・ブラウンを、まるで「風神雷神」のごとく屏風に描いた金箔砂子(東京都)。黒塗りのスヌーピーの表面に細かな蒔絵を施した輪島塗(石川県)。富士山と松の木の間に腰掛けるスヌーピーとチャーリーを彫り上げた大阪欄間(大阪府)。スヌーピーをかたどった白い地肌に桜の花が鮮やかな有田焼(佐賀県)。などなど、どの作品もユニークではありながら、思いのほか違和感なく、スヌーピーを作品に取り込んでいることに感心させられました。
中でもお気に入りだったのが、こわもての鬼の頭の上にスヌーピーがのんきに寝そべっている三州鬼瓦(愛知県)と、美濃和紙で作られたスヌーピー型リーディングライト(岐阜県)でした。ことに後者は、和紙を透かした明かりが実に優しい感じで、これで本を読むといいだろうなあ、と思わず欲しくなってしまいました。
作品づくりに発揮された「匠の技」にも唸らされました。とりわけ、飛騨一位一刀彫(岐阜県)の5作品は、驚くほど細かなところまでしっかりと彫られていて、「よくぞここまで!」と圧倒されました。また、仙台箪笥(宮城県)も、飾り鉄金具が醸し出す重厚さが実に魅力的でした。
これまで培ってきた伝統の世界にスヌーピーを取り込む、というのは、それぞれを手がける工芸家の方々にとってはとてもチャレンジングなことだったと思われます。
しかし、伝統というのはただ昔のままに変わらないからではなく、新しいことや異質なものも取り込みながら、時代とともに変わっていくことによって、長きにわたって残っていくものなのではないか、と思うのです。
スヌーピーというアメリカ生まれのキャラクターをも、その作品世界の中にしっかりと取り込むことができた、これらの伝統工芸の底力をつくづく感じました。
観客の女性の皆さんからは、しきりと「かわいい♡」「かわいい♡」という声が上がっていたりして、ああほんとスヌーピーって人気があるんだなあ、とあらためて実感いたしました。
特にわたくしはスヌーピーのファンでも何でもないのですが、この展覧会を通じて、その人気の理由の一端がわかったような気がいたしました。これはやはり、見ておいて良かったですね。
思いのほか面白かったので、最初は買うつもりもなかった図録まで買うことになりました。
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「SNOOPY JAPANESQUE スヌーピー×日本の匠」は、あさって17日まで開催されます。もうあと2日しかありませんが、お時間のある方はどうぞご覧になってみてくださいませ。
(以下、画像は写真撮影可のスペースにて撮影したものです)
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チャールズ・M・シュルツの漫画『ピーナッツ』の主人公であるスヌーピーは、現在でも世界中で愛され続けている名キャラクターですが、ご存知のように日本においても根強い人気を誇っております。
そのスヌーピーと、墨文字や陶磁器、友禅、漆器、木彫、和紙などの日本の伝統工芸とがコラボレーションした作品を集めて展示したのが、この展覧会です。
会期ももう末期になっていた昨日でありましたが、お盆休みの方も多かったためか家族連れやカップルなどで大いに賑わっておりました。
まず展示されていたのが、このプロジェクトの企画者であり、シュルツ氏夫妻と長年の親交があるというアーティスト・大谷芳照さん(YOSHI)の手になるグリフアートの数々でした。
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大谷さんの作品は、「愛」「寿」「好」「祝」「絆」などの墨文字の中に、スヌーピーがはめ込まれているというものです。スヌーピーと日本の伝統工芸との融合という、この展覧会を象徴するかのような趣向がなかなか面白く、のっけから引き込まれてしまいました。
そのあとは、スヌーピーをモティーフにした全国各地の伝統工芸作品の数々が展示されていました。その数40作品。
伝統的な図柄の中にスヌーピーを描いた加賀友禅(石川県)や京友禅(京都府)。スヌーピーとチャーリー・ブラウンを、まるで「風神雷神」のごとく屏風に描いた金箔砂子(東京都)。黒塗りのスヌーピーの表面に細かな蒔絵を施した輪島塗(石川県)。富士山と松の木の間に腰掛けるスヌーピーとチャーリーを彫り上げた大阪欄間(大阪府)。スヌーピーをかたどった白い地肌に桜の花が鮮やかな有田焼(佐賀県)。などなど、どの作品もユニークではありながら、思いのほか違和感なく、スヌーピーを作品に取り込んでいることに感心させられました。
中でもお気に入りだったのが、こわもての鬼の頭の上にスヌーピーがのんきに寝そべっている三州鬼瓦(愛知県)と、美濃和紙で作られたスヌーピー型リーディングライト(岐阜県)でした。ことに後者は、和紙を透かした明かりが実に優しい感じで、これで本を読むといいだろうなあ、と思わず欲しくなってしまいました。
作品づくりに発揮された「匠の技」にも唸らされました。とりわけ、飛騨一位一刀彫(岐阜県)の5作品は、驚くほど細かなところまでしっかりと彫られていて、「よくぞここまで!」と圧倒されました。また、仙台箪笥(宮城県)も、飾り鉄金具が醸し出す重厚さが実に魅力的でした。
これまで培ってきた伝統の世界にスヌーピーを取り込む、というのは、それぞれを手がける工芸家の方々にとってはとてもチャレンジングなことだったと思われます。
しかし、伝統というのはただ昔のままに変わらないからではなく、新しいことや異質なものも取り込みながら、時代とともに変わっていくことによって、長きにわたって残っていくものなのではないか、と思うのです。
スヌーピーというアメリカ生まれのキャラクターをも、その作品世界の中にしっかりと取り込むことができた、これらの伝統工芸の底力をつくづく感じました。
観客の女性の皆さんからは、しきりと「かわいい♡」「かわいい♡」という声が上がっていたりして、ああほんとスヌーピーって人気があるんだなあ、とあらためて実感いたしました。
特にわたくしはスヌーピーのファンでも何でもないのですが、この展覧会を通じて、その人気の理由の一端がわかったような気がいたしました。これはやはり、見ておいて良かったですね。
思いのほか面白かったので、最初は買うつもりもなかった図録まで買うことになりました。
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「SNOOPY JAPANESQUE スヌーピー×日本の匠」は、あさって17日まで開催されます。もうあと2日しかありませんが、お時間のある方はどうぞご覧になってみてくださいませ。