さまざまな製品が製造されていく過程を、余分な要素を排したシンプルな構成で辿っていく科学技術教育番組シリーズ『THE MAKING』。その全317回(+スペシャル版)のうち、現在見ることができるすべての回を観た上で、ごくごく簡単な見どころ紹介と感想を綴っていくという続きもの記事、今回は久しぶりとなる4回目をお届けいたします。
シリーズの詳しいご説明などは【その1】に譲ることにして、今回は第31回から第40回までを紹介していくことにいたします。これまでと同じく、サブタイトルの部分には「サイエンスチャンネル」の公式YouTubeチャンネルにアップされている該当回へのリンクを貼っております。ご覧になる際の参考にでもなれば幸いであります。なお、配信停止やリンク切れの節はご容赦くださいませ。
(2022年6月11日追記。該当回へのリンクを、画面埋め込みの形で新たに貼り直しました)
(2022年6月11日追記。該当回へのリンクを、画面埋め込みの形で新たに貼り直しました)
(31)ティッシュペーパーができるまで
原料となるパルプと水をかき混ぜる「パルパー」なる巨大な洗濯機のようなマシンがなかなかの迫力。ヘタしてあの中に巻き込まれでもしたらさぞかし大変だろうなあ、と余計なことを考えたり。そうしてできたパルプ溶液をプラスチック製の網に均等に吹き付けて乾燥させることで、薄くて柔らかな仕上がりのティッシュペーパーになるんですねえ。完成したティッシュに対する検査項目の中に、機械を使っての引っ張り強度の検査まであったのには「ティッシュなのにそこも見るのか」とちょっと笑いました。
(32)お菓子ができるまで(欠番)
(33)コンビニエンスのお弁当ができるまで
炒めごはんや焼きそば、おにぎり、お寿司、サンドイッチ、スパゲティ、とんかつや鶏の唐揚げなど、コンビニエンスストアに並ぶさまざまなお弁当メニューの製造過程です。なかで、320人前もの焼きそばをゴーカイに作る光景には笑えましたな。回転する炒めドラムの中にソースを「ドバッ」と勢いよくぶちまけたりしてて。ごはんを炊くときには、サラダ油を少量入れるのがおいしく炊けるコツ、なんだとか。
(34)缶詰ができるまで 〜ツナ缶〜
『THE MAKING』缶詰シリーズの第一弾は、お馴染みのツナ缶。100℃前後の高温で4時間かけてじっくりと蒸しあげることで、身が白く柔らかくなるのだとか。スチームを使って、缶の中を真空にする方法(缶の中にあった空気を追い出したスチームが冷えて水となり、その水が抜けることで中が真空になる)があることを知り「なるほど〜」と感心いたしました。缶詰に使わない血合いの部分はムダなくペットフードにされるんだねえ。
(35)おもちゃができるまで
この回で紹介されるのは、ゼンマイ仕掛けで動くブリキの飛行機の製造工程。それも小規模な町工場といった感じの現場であります。手作業で丹念に行われる、表面の図柄の印刷に使うインクの調合をはじめ、足踏み機械(それも「けとばし」というそのものズバリなネーミングの)を使っての成形作業など、町工場ならではの製造光景がブリキのおもちゃというアイテムにマッチしていて、実にいい感じですねえ。
(36)自転車ができるまで
ハンドルに使うパイプの中心部を、パイプに入れたウレタンによって内部から膨らませる「バルジ加工」や、ハブ(車輪の中心部)に通した36本のスポークを遠心力で広げる工程などなど、自転車の製造現場独特の技術の数々に目を見張らされます。フレームを作るときの溶接技法も、真鍮合金の細い棒を溶かして接合部に流し込む「ロー溶接」や、炭酸ガスと電気による1500℃以上の熱で鉄を溶かして行う「炭酸ガスアーク溶接」といった具合に使い分けているのも面白いですねえ。
(37)麺ができるまで
インスタント麺ではなく、小規模の製麺所で行われるラーメンの生麺や、手打ちのうどん・そばの製造風景。ラーメンの麺にコシを生むための原理(複数のローラーで何度も圧延を繰り返すことで、生地にコシが生まれる)や、ラーメンの麺にちぢれをつける工夫(細く切断されて出てくる麺をヘラで押さえることでちぢれた麺になる)には「なるほど〜」でありました。その日の気温や気候によって、生地の練り方や麺の太さなどが変わってくるという、職人さんの手打ちによる南部うどんの製造過程にも見入ってしまいました。
(38)Tシャツができるまで
オートメーションによってどんどこ大量に生産されているのかと思いきや、布の裁断から縫い合わせ、柄を印刷するための色の調合や印刷、そして包装に至るまで、けっこう人手と手間がかかっているのには驚かされました。慣れた手つきでミシンを操り、手早く縫い上げていく作業員の皆さんが実にお見事。絵柄のプリントは色ごとに版を変えたシルクスクリーン(網目に薬品を塗ってある部分にはインクが通らず、塗っていない絵柄の部分にプリントされる)でやってるんだな。
(39)原子力発電所ができるまで(欠番)
(40)パイができるまで
パイ菓子の定番ともいえる、木の葉をかたどったリーフ型パイの製造工程です。何層にも重なった生地がどうやって重ねられるのかがよくわかりました(薄く伸ばした生地を重ねて伸ばし、それらをさらに何層にも重ねていく)。生地を混ぜ合わせているところを上から捉えたカットの絵面がなんか面白かったな。粉状の生地が下からぽわんぽわんと弾むように浮き上がったりなんかしていて。製造現場はさぞかし、食欲をそそる甘い匂いで満たされてるんでしょうねえ。