読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

『THE MAKING』を(ほぼ)コンプリートで観てみた。 【その11】第126回〜第140回

2022-11-06 17:21:00 | ドキュメンタリーのお噂
さまざまな製品が製造されていく過程を、余分な要素を排したシンプルな構成で辿っていく科学技術教育番組シリーズ『THE MAKING』。300回を越えるそのレギュラー回(+スペシャル版)のうち、現在見ることができるすべての回を観た上で、ごくごく簡単な見どころ紹介と感想を綴っていくという続きもの記事、しばしブランクがございましたが、久しぶりに11回目をお届けしたいと思います。


シリーズの詳しいご説明などは【その1】に譲ることにして、今回は第126回から第140回までを紹介していくことにいたします。サブタイトルに続いて「サイエンスチャンネル」の公式YouTubeチャンネルにアップされている該当回の画面を貼っております。ご覧になる際の参考にでもなれば幸いであります。
諸事情により、現在配信されていない回については、サブタイトルに続き「欠番」と記しております。また、現在配信されている回についても、配信元の都合により動画の公開がなされなくなる場合もあるかと思われますので、その節はどうぞご容赦くださいませ。

(126)絹糸ができるまで

前半部分、桑の葉ごと取り出されたカイコの上に網をかぶせ、桑の葉とカイコを分離するやり方や、「回転まぶし」という回転する棚のようなものを使って、ひとつひとつの部屋に入ろうとするカイコの習性を利用して繭を作らせる過程が興味深かったです。コンベアに乗せられて流れてくる繭が、カメラにぶつかってくる映像は、なかなか面白かったですな。

(127)ジーンズができるまで

前の部分と後ろの部分を分けて作って、それを縫い合わせるという工程で作られるということを、これで初めて知りました。生地を裁断するとき、ムダが出ないようコンピュータでパーツを配置し、それを型紙に落とし込んで裁断するという工夫にも感心。裏返した形で縫い合わされ、洗浄されたジーンズを、一瞬にして表の地に返す機械が面白かったな。

(128)(牛乳パックのリサイクル)トイレットペーパーができるまで

主な原料がリサイクルされた牛乳パックであることや、紙と分離された外装フィルムが燃やされるときの蒸気も、工場内の設備を稼働させるために有効活用されていることを知り、勉強になりました。一緒に混ぜる古紙を処理する釜の名称が「地球釜」というのもいいねえ。

(129)自転車タイヤができるまで

ナイロンをすだれ状に織った下地をゴムで覆い、それでワイヤーをくるんだ「カーカス部」と、路面に接する「トレッド部」を別々に作って、その二つを貼り合わせて成形・・・と、工程を追うことでタイヤの構造もよくわかりました。

(130)ピンポン球ができるまで

機械的にポンポンと大量生産されているかと思いきや、規格に基づいた厚みや重さをけっこう厳密に調整しつつ、4ヶ月にわたり手間ひまかけて作られている、ということに驚きました。成形のときも、機械で押さえ込んだり戻したりを繰り返しながら、厚みが均等になるように伸ばしたり・・・という具合。仕上げの整形は、炉の中で熱を加えて内部の空気を膨張させることによってなされるんだねえ。

(131)たまごパックができるまで

リサイクルしたたまごパックを粉砕し、新しいパックを製造していく工程と、それにたまごを詰めて出荷するまでの過程を追ったもの(たまごパックの生産現場は宮崎県南郷町でした)。パックの原料となるシートを裁断するときに出る切り屑も、再びしっかりとリサイクルに回されているところに感心いたしました。

(132)ふりかけができるまで

ふりかけや、まぜごはんの素などに使われる材料(かつお節やわかめ、梅、ごま、のり、青のり)それぞれの加工工程。固まったものや変色したものはいちいち取り除くなど、細やかでしっかりとした選別ぶりに感心いたしました。

(133)ドレッシングができるまで

基本的にオートメーション化されている製造工程ではありますが、原料となる玉ねぎの上下と内皮を剥くところは人の手によってなされていて、(ホースに繋がれたエアガンで空気を吹き付けながらとはいえ)その機械顔負けの手早い動きには感嘆させられます。充填されてラインを流れていくドレッシングのボトルを、じーっと座って目視で検査している人もある意味スゴい(笑)。

(134)自動車用ホイールができるまで

正面のディスク部分と側面のリム部分を一体成形する「1ピースホイール」というタイプと、それぞれを別に作って接合する「2ピースホイール」というタイプ、2種類の製造工程。整形されたアルミニウム合金製のホイールを熱処理(約4時間、520℃で熱する「溶体化処理」)することで合金分子をきれいに整列させ、それを一気に冷やして固定させることで強度を出すのだとか。

(135)石油ファンヒーターができるまで

寒くなる時期に活躍する、石油ファンヒーターの製造工程です。ボディのパネルに使う重ねた鉄板を、一枚ごとに取り出しやすくするため、強力な永久磁石で鉄板に磁力を持たせ、反発させて浮かせる・・・というアイデアが面白かったですねえ。

(136)トウフができるまで

豆腐屋さんによる手づくりのお豆腐・・・ではなく、ここでは大豆の洗浄からパック詰めに至るまでの工程が、オートメーションでなされる豆腐の製造現場が紹介されています。豆腐を固めるには、温かい豆乳にニガリを加える方法と、冷たい豆乳とニガリを混ぜて温める方法の2つがあるのだとか。

(137)グラスビーズができるまで(欠番)

(138)冷凍たこ焼きができるまで

1日に45万個もの冷凍たこ焼きを生産する工場での製造過程。タコを空気で吸いつけて鉄板に投入する「たこ投入装置」や、生地の表面に浮きあがったタコを沈める「たこ押し棒」といった独特の装置が、なんとも楽しいですねえ。これを見てると、無性にたこ焼きが食べたくなってくるなあ。

(139)消しゴムができるまで

粉末の塩化ビニルに、弾力を与える可塑剤や、炭酸カルシウムを混ぜて作られる消しゴム。炭酸カルシウムが鉛筆のカーボンを抱き込み、ちぎれやすくすることで文字を消すという消しゴムの仕組みが、これでよくわかりました。動物などをかたどったキャラクター消しゴムが、金型で成形されて押し出されてくるところも面白かったな。

(140)下水道管ができるまで

直径外径2メートル弱の大きな下水道管の製造工程。高速で回転する型枠にコンクリートを流しこみ、遠心力で外壁を造るところは迫力があって圧巻でした。そうすることでコンクリを均等に密着させ、頑丈な仕上がりになるのだとか。回転しながらワイヤーを溶接し、骨組みを作っていく機械にも目を見張りました。

これまでご紹介した回については、以下のページにリンク集と内容のもくじをまとめておきました。新しくアップした内容を追加しながら更新していきますので、気になる回をお探しになるときにお役立ていただければ幸いであります。