読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

【今週の箸休め本】『ヘンな特許100連発』 斜め上のアイデア物件の数々に爆笑&苦笑

2014-01-13 20:21:49 | 本のお噂

『ヘンな特許100連発』
鉄人社、2012年

常に何冊かの本を、そのときの気分やアタマの働きに合わせて並行しながら読み進めているわたくし。
その中に、「箸休め本」という位置づけで読んでいる本がございます。かっちりした本を読む合間などに、気楽に読むことができる本のことでありますね。
「箸休め本」というと、なんだか見下した感じを受けるかもしれませんが、決してそういうつもりはございません。軽く楽しめつつも、好奇心を満たしてもくれる「箸休め本」はなかなかありがたい存在ですし、面白いものも少なくはないのであります。
そんな面白かった「箸休め本」を軽~くご紹介していこうというのが、この「今週の箸休め本」コーナーであります。•••ただし、「今週の」とは申しましても、必ずしも毎週書くというわけでもない、という点、あらかじめご承知おきいただければ幸いであります。

この『ヘンな特許100連発』は、実際に出願され公開もされながら、いまだ商品化に至っていない日本と海外の珍物件100点を、出願者が書いて提出したイラストの再現図とともに紹介していく本であります。これがまた、「こんなんじゃ商品化されないのもムリないなあ」としか思えない、斜め上の発想から考案された抱腹絶倒なシロモノっぷり。
たとえば「漬け物入り団子」。噛み切り難い繊維質の多い漬け物を高齢者や幼児、さらには多様化した食習慣を持つ現代人にも食べさせたい、という趣旨は素晴らしいのですが•••できれば漬け物と団子は別々にいただきたいもので。
また、「全天候型の、照明器具、三脚、スチールカメラ、ビデオカメラ、モニター、照明、クレーン、レフ板、ドリー(台車)、編集コンピューターとハードディスク、マイクが搭載され、人件費を大幅に抑制」できるという触れ込みの「映画製作ロボット」。そりゃ万が一実用化された暁には人件費は抑えられるかもしれませんが•••当面はコイツを開発&実用化できるだけのお金で、ちょっとした映画の一本は製作できるような気もするのですが•••。

海外発の特許にも、スゴい物件がいろいろとありますねえ。
落ち込んでいる時などに友達がいなくても背中を叩いてもらえるという「背中を叩いてくれる装置」。自分自身に「罰」を与えるため、という趣旨の「自分でケツを蹴れる装置」。一人でのスポーツ観戦でもハイタッチできるという「ハイタッチしてくれるマシン」。さらには一人だけでもギッコンバッタンと遊べる「一人用シーソー」。以上4点はいずれもアメリカ発の出願特許です。•••アメリカ人、どんだけ寂しいんだか(苦笑)。

版元が雑誌『裏モノJAPAN』を出しているところということもあってか、シモ系エロ系の物件もちょいと多めに揃っております。•••まあ、これらについては、あえてここで触れることはいたしません(笑)。とはいえ、「エロ画像自動探知システム」や「性欲電気変換装置」などといった妙ちきりんなアイデアの出願を、特許庁の皆さまがたは真面目な顔をしながら受理し、公開していってるのであろうか•••と想像すると、それにも笑いがこみあげてくるのであります。

ほとんどが商品化されることもなく埋れている物件ばかりなのですが、中には数点、商品化されているものもあるとか。でっかいマカロニのような物体を股間に挟んで使用する「カップホルダー付き浮き輪」や、飼いヘビを犬のように散歩させられるという「ヘビの散歩用首輪」あたりがそうなのですが•••商売として成り立っておるのか、となるとはなはだ疑問に思わざるを得ないのでありますな。

ニンゲンの想像力と発想力をいかに使うべきなのか、そして特許や知財管理のあり方についてスルドイ問題提起を投げかける一冊•••てなことは一切まったく全然ないのですが(笑)、けっこう笑えて楽しむことができた一冊でありました。

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