11月に刊行される予定の新書新刊から、例によってわたくし個人が興味を惹かれた書目を10冊ピックアップいたしました。
あくまでもわたくし個人の興味関心からピックアップした一覧ゆえ、それほど見られはしないだろうなあ、と思いつつ毎月地味に続けているこのコーナーですが、意外にも過去の分を含めてちょこちょこ見られているようで、恐縮至極であります。今回も、何かひっかかるような書目があれば幸いに存じます。
刊行データや内容紹介のソースは、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の10月28日号、11月4日号とその付録である11月刊行の新書新刊ラインナップ一覧です。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。
なお、10月発売予定ということでご案内した、『ボブ・ディラン ロックの精霊』(湯浅学著、岩波新書)は、11月20日の発売にずれ込んだようですので、あらためてご案内しておきたいと思います。
『缶詰に愛をこめて』 (小泉武夫著、朝日新書、13日発売)
わたくしが尊敬してやまない方である「発酵仮面」「食の冒険家」こと小泉武夫さんが、「イワシのしょうゆ煮缶、サンマかば焼き缶、カレー缶、サバの水煮缶、クジラの須の子缶など」の缶詰遍歴と缶詰レシピを綴った本、ということで、無条件で何がなんでも買っておきたい一冊であります。楽しみです。
『お菓子でたどるフランス史』 (池上俊一著、岩波ジュニア新書、20日発売)
「フランスの武器はお菓子だ。ジャンヌ・ダルクやアントワネット、ナポレオンの愛したお菓子とは」と。こういう、特定の一つのモノ(特に食べもの)に着目してたどっていく歴史本というのに興味を持つタチなもので、ついついピックアップ。
『記憶のしくみ』(上) (エリック・カンデル、ラリー・スクワイア著、講談社ブルーバックス、20日発売)
11月のブルーバックスからはこちらをピックアップ。「記憶には短期記憶と長期記憶がある。脳の中でどのように振り分けられるのか。神経細胞に作用して記憶を操る分子のしくみを解き明かす」と。まだまだ不思議でわからないことの多い記憶について、じっくり知ることができそうなので期待したいと思います。
『談志の十八番(仮)』 (広瀬和生著、光文社新書、15日発売)
「今や落語評論で他の追随を許さない『聴き巧者』による『立川談志のあるき方』を、三回忌にあわせて刊行」。•••ああ、もう三回忌になるんだなあ、と、内容紹介にしんみりしつつピックアップいたしました。
『成長から成熟へ さよなら経済大国』 (天野祐吉著、集英社新書、15日発売)
せんだってお亡くなりになった天野祐吉さんの遺著。「戦後、人々の暮らしに貢献した広告はいまやグローバリズムのしもべとなり、人間を衝動的な消費者に変える片棒を担いでいる」との内容紹介。天野さんは、果たしていかなるラストメッセージを遺したのでしょうか•••。
『1995年』 (速水健朗著、ちくま新書、5日発売)
「1995年に、何が終わり、何が始まったのか。大震災とオウム事件の起きた『時代の転機』を読み解き、その全貌を描く衝撃の現代史」と。いろいろなことが、音を立てながら変貌していったあの1年を、速水さんはどのように描き出し総括するのか。注目したい一冊です。
『若者を見殺しにする日本経済』 (原田泰著、ちくま新書、5日発売)
ちくま新書からもう一冊を。「社会保障ばかり充実させ、若者を犠牲にしている日本経済に未来はない。失敗しても取り返せる活力ある社会に向かうための経済改革論」とのこと。わたくしも、若い世代の経済状況などそっちのけで、持続可能性があるとも思えない今の社会保障制度に固執するあり方には大いに疑問があるゆえ、この内容紹介にビビッときた次第。気になります。
『教員採用のカラクリ 「高人気」職のドタバタ受験事情』 (石渡嶺司・新井立夫著、中公新書ラクレ、上旬)
「『ガラスの仮面』級の演技力がないと面接は受からない。教員採用試験の裏側を赤裸々にレポート」とか。ガラスの仮面級の演技力、なるものがどういうものなのかはよくわからないのですが(笑)、ちょっと気になりますねえ。
『人体特許(仮)』 (五十嵐享平著、PHPサイエンス・ワールド新書、18日発売)
「各種のがんや生活習慣病、性格や嗜好の遺伝子が、いま世界で『特許の食い物』に。遺伝子ビジネスをめぐる最前線の動きを追う」と。遺伝子がビジネスになる時代の一側面に着目した内容のようで、これもまた気になるものがあります。
『伝説の昭和歌謡黄金時代』 (五木ひろし著、ベスト新書、15日発売)
「いまや歌謡界の第一人者である五木ひろしが、輝ける昭和のあの時代の、歌や人びと、世相を語り尽くす、五木版・国民の歌謡史」ですと!現役の歌い手である五木さんの言葉で語られる歌謡史というのは興味津々であります。五木さんだからこそ語れるような裏話なども読めればいいなあ、と思います。
その他に気になる書目は以下の通りであります。
『医学的根拠とは何か』 (津田敏秀著、岩波新書、20日発売)
『データを紡いで社会につなぐ デジタルアーカイブのつくり方』 (渡邉英徳著、講談社現代新書、14日発売)
『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』 (佐高信・佐藤優著、集英社新書、15日発売)
『EU崩壊』 (木村正人著、新潮新書、16日発売)
『史論の復権』 (與那覇潤対論集、新潮新書、16日発売)
『世界農業遺産 注目される日本の里地里山』 (武内和彦著、祥伝社新書、2日発売)
『質量とヒッグス粒子』 (広瀬立成著、サイエンス・アイ新書、6日発売)
『統計データが語る 日本人の大きな誤解』 (本川裕著、日経プレミアシリーズ、12日発売)
『元素のはじまり(仮)』 (櫻井博儀著、PHPサイエンス・ワールド新書、18日発売)
最後にオマケを。読みたいかどうかは別として(笑)、まずはタイトルが妙に気になった一冊を。
『長生きしたけりゃデブがいい』 (新見正則著、SB新書、15日発売)
なんか、痩せなきゃ痩せなきゃという努力ともがきを破壊するかのようなタイトル(笑)。ひとまず、太り気味の方々には福音となるのでしょうか。
そして、著者名が妙に気になった一冊が、こちら。
『ウルトラマンが愛した日本』 (ウルトラマンタロウ著、宝島社新書、20日発売)
著者がウルトラマンタロウとはこれいかに(笑)。数あるウルトラ戦士たちの中でなぜにタロウが書くのか。やはり、ここはウルトラの父と母の実子でなければいかんな、ということでの抜擢なのか(笑)。
あくまでもわたくし個人の興味関心からピックアップした一覧ゆえ、それほど見られはしないだろうなあ、と思いつつ毎月地味に続けているこのコーナーですが、意外にも過去の分を含めてちょこちょこ見られているようで、恐縮至極であります。今回も、何かひっかかるような書目があれば幸いに存じます。
刊行データや内容紹介のソースは、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の10月28日号、11月4日号とその付録である11月刊行の新書新刊ラインナップ一覧です。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。
なお、10月発売予定ということでご案内した、『ボブ・ディラン ロックの精霊』(湯浅学著、岩波新書)は、11月20日の発売にずれ込んだようですので、あらためてご案内しておきたいと思います。
『缶詰に愛をこめて』 (小泉武夫著、朝日新書、13日発売)
わたくしが尊敬してやまない方である「発酵仮面」「食の冒険家」こと小泉武夫さんが、「イワシのしょうゆ煮缶、サンマかば焼き缶、カレー缶、サバの水煮缶、クジラの須の子缶など」の缶詰遍歴と缶詰レシピを綴った本、ということで、無条件で何がなんでも買っておきたい一冊であります。楽しみです。
『お菓子でたどるフランス史』 (池上俊一著、岩波ジュニア新書、20日発売)
「フランスの武器はお菓子だ。ジャンヌ・ダルクやアントワネット、ナポレオンの愛したお菓子とは」と。こういう、特定の一つのモノ(特に食べもの)に着目してたどっていく歴史本というのに興味を持つタチなもので、ついついピックアップ。
『記憶のしくみ』(上) (エリック・カンデル、ラリー・スクワイア著、講談社ブルーバックス、20日発売)
11月のブルーバックスからはこちらをピックアップ。「記憶には短期記憶と長期記憶がある。脳の中でどのように振り分けられるのか。神経細胞に作用して記憶を操る分子のしくみを解き明かす」と。まだまだ不思議でわからないことの多い記憶について、じっくり知ることができそうなので期待したいと思います。
『談志の十八番(仮)』 (広瀬和生著、光文社新書、15日発売)
「今や落語評論で他の追随を許さない『聴き巧者』による『立川談志のあるき方』を、三回忌にあわせて刊行」。•••ああ、もう三回忌になるんだなあ、と、内容紹介にしんみりしつつピックアップいたしました。
『成長から成熟へ さよなら経済大国』 (天野祐吉著、集英社新書、15日発売)
せんだってお亡くなりになった天野祐吉さんの遺著。「戦後、人々の暮らしに貢献した広告はいまやグローバリズムのしもべとなり、人間を衝動的な消費者に変える片棒を担いでいる」との内容紹介。天野さんは、果たしていかなるラストメッセージを遺したのでしょうか•••。
『1995年』 (速水健朗著、ちくま新書、5日発売)
「1995年に、何が終わり、何が始まったのか。大震災とオウム事件の起きた『時代の転機』を読み解き、その全貌を描く衝撃の現代史」と。いろいろなことが、音を立てながら変貌していったあの1年を、速水さんはどのように描き出し総括するのか。注目したい一冊です。
『若者を見殺しにする日本経済』 (原田泰著、ちくま新書、5日発売)
ちくま新書からもう一冊を。「社会保障ばかり充実させ、若者を犠牲にしている日本経済に未来はない。失敗しても取り返せる活力ある社会に向かうための経済改革論」とのこと。わたくしも、若い世代の経済状況などそっちのけで、持続可能性があるとも思えない今の社会保障制度に固執するあり方には大いに疑問があるゆえ、この内容紹介にビビッときた次第。気になります。
『教員採用のカラクリ 「高人気」職のドタバタ受験事情』 (石渡嶺司・新井立夫著、中公新書ラクレ、上旬)
「『ガラスの仮面』級の演技力がないと面接は受からない。教員採用試験の裏側を赤裸々にレポート」とか。ガラスの仮面級の演技力、なるものがどういうものなのかはよくわからないのですが(笑)、ちょっと気になりますねえ。
『人体特許(仮)』 (五十嵐享平著、PHPサイエンス・ワールド新書、18日発売)
「各種のがんや生活習慣病、性格や嗜好の遺伝子が、いま世界で『特許の食い物』に。遺伝子ビジネスをめぐる最前線の動きを追う」と。遺伝子がビジネスになる時代の一側面に着目した内容のようで、これもまた気になるものがあります。
『伝説の昭和歌謡黄金時代』 (五木ひろし著、ベスト新書、15日発売)
「いまや歌謡界の第一人者である五木ひろしが、輝ける昭和のあの時代の、歌や人びと、世相を語り尽くす、五木版・国民の歌謡史」ですと!現役の歌い手である五木さんの言葉で語られる歌謡史というのは興味津々であります。五木さんだからこそ語れるような裏話なども読めればいいなあ、と思います。
その他に気になる書目は以下の通りであります。
『医学的根拠とは何か』 (津田敏秀著、岩波新書、20日発売)
『データを紡いで社会につなぐ デジタルアーカイブのつくり方』 (渡邉英徳著、講談社現代新書、14日発売)
『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』 (佐高信・佐藤優著、集英社新書、15日発売)
『EU崩壊』 (木村正人著、新潮新書、16日発売)
『史論の復権』 (與那覇潤対論集、新潮新書、16日発売)
『世界農業遺産 注目される日本の里地里山』 (武内和彦著、祥伝社新書、2日発売)
『質量とヒッグス粒子』 (広瀬立成著、サイエンス・アイ新書、6日発売)
『統計データが語る 日本人の大きな誤解』 (本川裕著、日経プレミアシリーズ、12日発売)
『元素のはじまり(仮)』 (櫻井博儀著、PHPサイエンス・ワールド新書、18日発売)
最後にオマケを。読みたいかどうかは別として(笑)、まずはタイトルが妙に気になった一冊を。
『長生きしたけりゃデブがいい』 (新見正則著、SB新書、15日発売)
なんか、痩せなきゃ痩せなきゃという努力ともがきを破壊するかのようなタイトル(笑)。ひとまず、太り気味の方々には福音となるのでしょうか。
そして、著者名が妙に気になった一冊が、こちら。
『ウルトラマンが愛した日本』 (ウルトラマンタロウ著、宝島社新書、20日発売)
著者がウルトラマンタロウとはこれいかに(笑)。数あるウルトラ戦士たちの中でなぜにタロウが書くのか。やはり、ここはウルトラの父と母の実子でなければいかんな、ということでの抜擢なのか(笑)。
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