NFP Archives

山遊び・海遊びやカメラ・写真、星、電子工作(真空管・スピーカー等)の記事を中心にブログに掲載しています
南竹 成己

スピーカー

2013年12月11日 | インポート
Dsc_4904
maki-ampと一緒にお嫁に行ったスピーカー(内側)
maki-ampはこのスピーカーを鳴らせるように設計しています。つまりアンプとスピーカーはシステムとして考えたほうがいいです。もともとワイドレンジの2ウェイとして設計しました。特徴はかなり強固な造りで、24mmの合板を使い、バッフルは合板+取り外し可能な松系の集成材としていました。後に、集成材と合板の組み合わせは空隙があり、そこでビビリが発生したため、完全に接着しています。

また、エンクロージャー内部で発生し、音を濁らせる定在波の発生を抑える手段として、普通はグラスウールやフェルト等の吸音材を用いるのですが、三角や丸の部材を貼り付けて構造的に定在波の発生を抑えています。

表面はほぼ鏡面仕上げ。このスピーカー以前はオイルステインを用いていましたが、より安価な床用ニスでもいい風合が出るので、床用ニスを用いています。これを造るころは、シナ合板(表面だけシナ)が高くて。。。ラワン合板を使いましたが、仕上げに時間がかかること。。。

ちなみに市販のスピーカーはMDFという木材チップと合成樹脂を混ぜ合わせた板を用いています。

ネットワーク回路は、ウーファーのスペクトルアナライザのデータを見ても高域に暴れが少なく、それほど減衰傾度の大きなフィルタを使う必要がないと思われるため、ウーファーはコイル1個、ツイーターはコンデンサ1個のシンプルなネットワーク回路にしています。1オクターブごとに6dB減衰する緩やかなフィルタ。はこの設計が一番難しく、ボーカルの周波数帯域にウーファーとツイーターのクロスオーバーする部分がやっかい。声が重々しくなったり軽くなったりもします。

狙い通りのワイドレンジ2ウェイとなり、小さなウーファーですが、グランカッサ(バスドラム)の打撃も結構よく鳴らします。欠点は、低感度。自分の常用のバックロードホーンよりも9dBぐらい違うだろうか? 9dBということは、エネルギーは8倍も違う。概して小さいスピーカーは大きいスピーカーよりも鳴らしにくいです。小さいスピーカーに小さいアンプは相性が悪い。maki-ampでは真空管6AQ5をプッシュプルとしてパワーを稼いでいます。

このスピーカーの嫁ぎ先も自分も音楽はどうしても生活に必要なもの。このスピーカーで楽しんでもらいたいですね。

今、またアンプの製作依頼が来ているのですが、設計開始は多忙につき、来年以降。気持ち的には年内設計、年内完成ですが、もう無理。それとFETでシンプルなアンプを作って、今、電気・電子回路の勉強をしてる人の教材に。実際にやってみるとよくわかるよ。教科書の回路図や数式を見てても理解できんはず。。電源のトランスや整流回路の計算もね。