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しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「父の野戦日誌」 徐州戦争④光山懸城に入城する

2017年03月24日 | 父の話
昭和13年9月20日~12月3日

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ぬかるみを歩く
2~3日の雨が降る。
本日も雨である。
急に激しくなってきた。
予定のとおり六時出発だ。
雨はますます降り、我々は身も濡れ、濡れ鼠のようになって、一路目的地へと進む。
足はぬかるみに倒れ、土は身体につく。「たいてい」の二の舞だ。
ますます激しい雨。休みつつすすむ。
6時30分に着く。
実に戦場ならではの光景。
○○にて

光山懸城に入城する
雨天の中、光山懸城に入城した。
信陽攻略の要所だ。
空爆の跡を見る。高層な健築物は無く、ただ外部の一部を残すのみ。
その他は整然として聳える○○堂、そして繁華街は昔をしのばせるおもかげは語っているようだ。
あちらこちらの家陰、木陰に、支邦軍部隊の死体がわれ等の目にはいる。
我等は降りつつ雨の中気合をいれつつ、戦闘の戦果を納めつつ意気洋々と入城した。
思えば徐州出発以来、いかなる雨天に悩まされつつ、悪天候と戦いつつ、あの日この日も休み無く。
血の攻撃、実戦悪夢。
敵の攻撃、悪戦苦闘で、今ようやく、光山懸へ入城するのだ。
その雨につけ、照るにつけ、思うのは故郷のことだ。
朋は、姉妹は如何に。
だがそのような実に恥かしい。
ただ戦闘の束の間にちらつくホンの一瞬だ。
今は光山懸城に入城する。後6日で我が氏神様の祭典だ。
ありがたき神様のご加護により生き長らえていることを誓って今日を休む。

9月25日
光山懸城内にて
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