しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

質屋

2023年09月22日 | 失われた仕事

金浦中学校の同級生に、「家が質屋」の人がいた。
高校の同級生にも、「家が質屋」の人がいた。
マンガにも、物語にも、テレビでも
こっそり「着物」や「時計」や「カメラ」を質に入れて、
当座の現金を手にするのは定番のストーリーだった。

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学生時代、テープレコーダーが欲しかった。
が、おカネがないので我慢をしていた。
すると友人が、
「質屋に行けば1.000~2.000円で買える」と教えてくれた。

暖簾をくぐって質屋に入ると、
テープレコーダーも2~3品展示されていた。
質屋の主人と交渉して、たしか1.500円で買って帰った。
しかし、
「欲しい」と思っていた割には、これをしたい、ということが無く
たまにラジオの流行歌を録音する程度で、使ったという記憶がほとんどない。

使った記憶が少ないのは、商品が変わっていったのも大きな要因。
買った(手に入れた)テープレコーダーは、”オープンリールデッキ”で、
本体もテープも大きかった。
電機メーカーはカセットテープのテープレコーダーを売り出し始めた。
便利さは比較することすら無理、すぐに遺物になってしまった。

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「昭和の消えた仕事図鑑」  澤宮優  原書房 2016年発行


質屋

昭和に入って、質屋の数が一番多かったのは戦前と高度経済成長期である
品物が本物か偽物かを見抜く鑑識眼が質屋には必要。
着物、指輪、時計、楽器、カメラ、運動器具、書画骨董などが質草として重宝された。
およそ10年の修業が必要とされた。
公休日にはデパートに行って、品物を手に取り、目を肥やした。
中には盗品を売りに来る客、
安物を高級時計と偽る客もいる。

客が返済期限まで(90日間が多い)に借りた金と利子を払えば、
預けた品物は客に戻される。
できなければ「質流れ」といって、質屋の店頭で商品として販売される。
質草の王道は着物で、一番受け取りやすく、売りやすかった。

質屋は客の世間体を考慮して大通りでなく、人目につかない横道に店を構えた。
昭和50年代にサラ金などが増え、質屋は減少した。

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「昔のお仕事大図鑑」 日本図書センター  2020年発行

質屋
質屋は質草の価値をその場で見定め、客にお金を貸します。
期限までにお金が返せない場合には、あずけた質草は質屋のものとなり、「流れる」といいます。
質屋には火に強い蔵や保管庫を備えることが法律で決められています。

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1 コメント

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質屋 (killy)
2023-09-22 09:32:04
学生時代に時々利用していました。
腕時計で1000円借りていました。ラーメンが80円の時代だったので、次の仕送りまでには間に合いました。
質屋のオバサンと顔なじみになったころ、友人が「私の名前を出したら時計で1000円貸してくれた」という話が広まり数人が1000円借りる時に私の知り合いということで借りたようです。
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