学校の音楽時間に習う『村の鍛冶屋』
〽
暫時(しばし)も休まず 槌打つ響
飛び散る火花よ はしる湯玉
ふゐごの風さへ 息をもつがず
仕事に精出す 村のかじ屋
城見では大冝に「村の鍛冶屋」があった。
同級生のTくんのお父さんが鍛冶屋をしていた。
だからTくんのことを「鍛冶屋のTくん」と呼んでいた。
自宅の作業場は小道からも丸見えで、
Tくんのお父さんは「飛び散る火花」で「湯玉」の顔、
歌とまったく同じ、いつも「仕事に精出す村のかじ屋」だった。
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「昭和の消えた仕事図鑑」 澤宮優 原書房 2016年発行
鍛冶屋
昭和20年までは、どの村でも鍛冶屋が見られた。
野鍛冶の場合、
農業で使う馬の足にはめる蹄鉄を作ったり、農具の修理もした。
刃先が欠けると、鍛冶屋はふいごの火で真っ赤に焼いて小槌で打ってもとに戻した。
農業の衰退とともに野鍛冶の仕事は減り、鍛冶屋は少なくなった。
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「金光町史 民俗編」 金光町 平成10年発行
鍛冶屋
鍛冶屋の仕事場は、広さ四、五坪ほどの土間である。
壁寄りには、ふいごが置かれ、
手前には仕事場・横座が掘られている。
誇座のまわりには、ふいごの火口や伸鋼させる鉄床、水を入れてあるフネがある。
火床の反対には、伸鋼させる向槌(むこうづち)がある。
ふいごは第二次大戦前後から人力からモーターに変わった。
農具の製作、
鍬先の歯継ぎなどの修理もしていた。
夏は四時、五時から仕事を始め、
冬は一日中仕事した。
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