もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「ピローマン」見てきました

2024-11-12 00:47:37 | お芝居
「ピローマン」   新国立劇場小劇場 2024.10.17 18:30~

成河さん主演のイギリス劇作家マーティン・マクドナー作の戯曲。
まっちゃんこと、松田慎也さんが出演されるので、チケットをゲット。行ってきました。

会場はセンターステージで、観客席が対面形式。満席でした。

あらすじですが
「作家のカトゥリアンはある日、「ある事件」の容疑者として警察に連行されるが、彼にはまったく身に覚えがない。二人の刑事トゥポルスキとアリエルは、その事件の内容とカトゥリアンが書いた作品の内容が酷似していることから、カトゥリアンの犯行を疑っていた。刑事たちはカトゥリアンの愛する兄ミハエルも密かに隣の取調室に連行しており、兄を人質にしてカトゥリアンに自白を迫る。カトゥリアンが無罪を主張する中、ミハエルが犯行を自白してしまう。自白の強要だと疑うカトゥリアンは兄に真相を問いただすが、それはやがて兄弟の凄惨な過去を明らかにしていく......。」
(公式より)

キャストの熱量が、ものすごく伝わってくる芝居で、特に成河さんと木村了さんの演技がすさまじかったです。
話の内容的には、ヒリヒリするような、やるせないようなものでした。
1幕2幕ともあっという間、スピード感ある芝居でした。

話は取調室から。作家のカトゥリアン(成河さん)が警察に連行され、トゥポルスキ(斉藤直樹さん)とアリエル(松田慎也さん)の
取り調べを受けている。が、カトゥリアンはなぜ自分が連行されてきたかがわかっていない。
二人の刑事が担当している事件は、カトゥリアンが書いた物語の内容に似ているので、彼を疑っている。
彼の書く作品は、子供が虐待されるようなものが多いようだ。
刑事は知的障害のある兄のミハエル(木村了さん)も連行し、ミハエルが犯行を自供したとカトゥリアンに告げる。
ミハエルのいる部屋に行き、拷問していたアリエルの手が血にまみれていたことから、カトゥリアンは不安になる。が、刑事は
ミハエルが昔から聞いていたカトゥリアンの物語をそのまま実行しただけという。

場がかわり、カトゥリアンの子供のころ。両親と一緒にいて、物語を、それも幸せな物語を書くのが好きな子だった。
夜になると隣の部屋から聞こえてくる物音、それも誰かを痛めつけているような拷問のような音がするようになり、
カトゥリアンはだんだん暗い物語を書くようになっていった。
ある日、1枚のメモがあり、カトゥリアンの両親は、彼を作家にするための実験として、兄弟を毎晩拷問しているというもの
だった。しかし、隣の部屋をあけると両親がいるだけだった。
それから何年かしてカトゥリアンがその部屋に行くと、兄の死体を発見。死体の手には、カトゥリアンが書くよりも素晴らしい小説が。
・・・と、カトゥリアン本人が、これは後から書いた話だと言い、
実際は隣の部屋には、生きている兄を発見。カトゥリアンはその夜、兄への虐待の復讐で、両親を枕で窒息死させた。

また、場が変わり、カトゥリアンとミハイルは、警察の牢にいる、カトゥリアンは拷問をされたあと。ミハイルは拷問はされていなく、アリエルに頼まれて叫んでいただけだったという。
カトゥリアンは自分の作品「ピローマン」を話す。この話は、枕でできた男が、子供たちの未来が見え、そしてひどい未来になることが分かった子供には、子供のうちに自殺を促すという話。ミハイルは「小さなキリスト」の物語を聞いて、そのとおりに子供を殺したという。そして自分が好きな話は「小さな緑のブタ」だといい、それを読んでほしいと兄に懇願する。
子供たちを殺してしまったミハイルは、処刑されるだろうと思ったカトゥリアンは、「小さな緑のブタ」の話をしてミハイルを寝かせ、そして処刑の苦しみから救うために、ミハイルを枕で窒息死させた。

カトゥリアンは自身が書いた物語の「小さなキリスト」の話をする。
ある少女は自分がキリストの生まれ変わりと信じている。親は困り、少女を十字架にかけて、3日以内に復活できるように埋めるが、復活はできなかったという話。

カトゥリアンはアリエルとトゥポルスキとともに取調室にいる。トゥポルスキは両親とミハイルの殺人、および3人の子供の殺人について記録をかかせている。アリエルは拷問の準備をしている。残虐なアリエルは、子供のとき、父親に暴行を受けていて、その父親を殺してしまった過去があったのだった。。
トゥポルスキはカトゥリアンに3人目に殺した子供のことを聞く。「小さなキリスト」のとおりに殺したという子供のことだが、子供を埋めたとき、その子が生きていたかどうかをカトゥリアンは答えられなかった。カトゥリアンが殺害に係っていなかったのでは、ひょっとしてまだ生きているのではと、アリエルは急いで出ていく。
その間トゥポルスキは自分が作った話をカトゥリアンに聞かせる。その話は耳の聞こえない少年が、近くの塔から見ている人のおかげで列車に轢かれずに済むというような話。
そうしいていると、アリエルが生きていた少女と戻ってくる。
結局、カトゥリアンは刑事からの質問で、この事件にはかかわっていないことがばれてしまう。
刑事たちは、両親とミハイルを殺した罪で、カトゥリアンを処刑することにする。カトゥリアンは自分の書いた小説を保存するという条件で、すべての罪を認めるという。カトゥリアンは処刑されるが、アリエルは小説を燃やさないことにする。

ちょっと最後の方があやふやになっちゃったけど、こんな感じのお話でした。
ずっと、緊張感が半端ない芝居でした。とにかくキャストの皆さんがすばらしかったです。

カトゥリアンはなんで、あーいう物語ばかり書くんだろう、、、ミハエルへの虐待があったからとはいえ、心が痛い話ばかり。
でも、芝居のタイトルでもある「ピローマン」は考えさせられる話で、虐待を受けている子供の前に現れるピローマンは、この子が将来も幸せになれないなら、今の苦しみから救うために、子供が寝ている間に自分の体で、子供を窒息死させてくれるというもので。
その子にとっては、その方が幸せなのかと考えさせられてしまう。
ミハエルも、殺人の罪で拷問を受けるなら、自分が殺してしまおうと思ったカトゥリアンはピローマンなんだろうなと。

キャストの感想
カトゥリアンの成河さん
ほとんど出ずっぱりなのに、最初から最後まで、ものすごいエネルギーでの演技。すばらしいです。
あのセリフ量をよどみなく話すのにも感動。
やっぱりすごい役者さんですね

ミハエルの木村了さん
ちょっと頭の弱い兄のミハエル。その姿をしっかり演じてらっしゃいました。
そして汗だくでの演技。成河さんとの二人でのやり取りは、見ていて胃が痛くなるようなものだったけど、
でも、すばらしかった。カトゥリアンが読んでくれた話だから、それは行動に起こさなければと思っちゃうっていう
思考はわからないけど、それが当たり前と考えるミハエル。だけどカトゥリアンとの関係は友好で。
あんな両親でなければ、兄弟仲良く過ごせていたんだろうな~と思えるほっこりした感じもありました。

トゥポルスキの斎藤さん
アリエルと比べて「静」の部分を受け持つ トゥポルスキだけど、けっこう強圧的な言い方で取り調べるし、
この人もなんか過去があるんじゃないかと思えるように演じられてました。
でも、あの列車の話は、、、変だよね~この人もやっぱり変人だわ、、、って思えちゃった。

アリエルの松田さん
2列目だったので、松ちゃんでかい~ってのが、登場してきてすぐの感想でした(笑い)
何か心に闇を抱えてるがために、激情的になる刑事さん、ちょっと怖かったよ。でかいから(汗)
すぐに拷問しようとするし、直情型の人をしっかり演じられてて、よかったです。

そうそう、直人も見に行ったみたいですね。後輩松ちゃんの芝居ってことだし。
もし、私と同じ日で、対面の客席だから、向こう側に座ってることがわかったら、、、きっと
芝居どころではなかったかも(汗)



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