ちからわざ第13回公演「そのいのち」 世田谷パブリックシアター 2024.11.17 13:00~
佐藤二朗さんの脚本で主演が宮沢りえさん。
なかなかすごい組み合わせじゃないですか~ということで、チケットゲット。
なかなか行ける日がなくて、東京の千秋楽になってしまいました。
中村佳穂さんの「そのいのち」という楽曲にインスパイアされて、佐藤二朗さん本を書いたそうです。
その楽曲を知らないので、、、何ともいえないのですが。
話の内容は
「マンションのキッチンで煙草を吹かす至って平凡な女性、山田里見(56)。彼女は介護ヘルパーである。新たな雇い主である相馬花(24)は障がいを持っている。花は動物ライターの夫・和清(45)とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見えた。
ある日、花の母・瑠依(44)とその再婚相手の悟(42)、息子の圭祐(10)が訪ねてくる。上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。しかしある出来事をきっかけに、穏やかだった3人の関係が徐々に狂い始めていく。そしてその先にあった驚愕の秘密…。浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」。それを前にした時に、3人が選んだ衝撃の結末とは…。」(公式より)
障がいを持っている人の役は、キャストに本当に障がいを持っている方が演じてました。
そういうお芝居を観るのは初めてだったので、ちょっとびっくりしてしまいましたが。
話の始まりは、静か。
障がいをもつ相馬花(上甲にかさん)とその介護ヘルパーの山田(宮沢りえさん)の日常生活から。
花の夫は動物ライターをしている和清(佐藤二朗さん)。
花の賠償金で、住みやすい家を建て、ペットのウサギの「スケキヨ」と、中庭のリンゴの木と。。。平和に暮らしているように見える。
和清はなかなかけたたましい。大げさな物言いや、一人でのノリツッコミ。
だんだんと登場人物の人となりがわかってくる。
和清はリンゴが大好きで、食べ過ぎるため1日に3個までと花によってきめられている。
リンゴが好きな理由は、刑務所にいたときに、それを食べると甘くてほんとにおいしかったかららしい。
山田はもともと薬剤師だったが、最近、この家で介護ヘルパーを始めたらしい。
花はお風呂にはいるのがあまり好きではない。。。そして、いつも競馬で同じ馬ばかり買っている。
ある日、花の母と再婚相手、そして息子が訪ねてくる。
普通に会話をしているが、障がいをもつ娘を、疎ましく感じていることが言動から伝わってくる。
それは花もわかっているだろうし、ヘルパーの山田にも伝わっている。
花と和清は年の差もある。結婚は賠償金目当てかとも思われるが、和清は花を愛しているという。
二人は体の関係はなかったが、花は和清にねだり、そして和清によって「感じる」体験をする。
それを見た和清も大声をあげて泣くのだった。
芝居の最初から「その日」の●●前とか表示されていて「その日」は何かと思っていたが、
ついに「その日」がやってくる。
山田には、ダウン症の男の子がいた。その子が7歳のとき、15歳だった和清は弱者を虐待するということで
殺してしまったのだった。和清は、自分より弱いものを痛めつけるという性癖があって、急に大声をだしたり騒いだり、
急に攻撃的になったりするのは、ある種病気なのだろう。
山田は和清が出所して、それから、罪滅ぼしのためか、障がいをもつ花と結婚したということを聞き、
介護ヘルパーとしてきたのだった。それは復讐のためだった。
花の「この人は私にとって必要なの」との叫びも振り切り、山田は和清を刺し復讐を果たした。
和清は心の底では、障がいを持つ花のことをさげすんでいたから。。。
それから。。。
花はこの家を出て、やさしい継父とともに、母と継父たちの家に引っ越すことに。
幕
介護士の山田と和清には何かあるとは思っていたけど、まさかそういう間柄だったとは。
そして最後の悲劇に、息がとまりそうでした。
和清は最初から何かおかしい、というかどこか壊れている人だったけど、
自分より弱いものを必要以上に攻撃するという性格は、それは15年たっても何も
変わってなかったということ。
障がいをもつ花と結婚したのも、そいいう性格だから、優位に立てるという気持ちがあったのだろうか
ゆがんだ関係ではあったけど、最後、花が新しい生活に出発するのを見て、
きっと花はこのあと幸せに穏やかに暮らせるといいなと思いました。
そして山田さんは復讐を遂げられて、ほっとしたのだろうか・・・・・
佐藤二朗さんって、福田さんの舞台とかドラマとかで、アドリブだかなんだかわからない演技で
めちゃめちゃ笑わせてくれるという印象だったけど、こういう作品をつくるとは、意外と越えて
衝撃的でした。
そして、うさぎのスケキヨが前半は特に癒してくれました。
本物の動物が出てるってすごいな・・・・ちょこちょこ動いてるのが可愛かった。
そしてキャストの感想
山田役の宮沢りえさん
本物の介護ヘルパーさんみたいでした。
すごく抑えた演技でだからこそ、最後の復讐劇がグッときました。
淡々と仕事をし、和清にも必要最低限のことしか言わない姿。
すべてがわかったあとで、心に復讐心を秘めてたからだと思うと、ちょっと怖かったです。
和清の佐藤二朗さん
登場してからの、自分のおなかがメタボな話とか、いつものごとくで笑わせてはいたけど、
だんだんと、それも狂気なのではと思わせるような演技だった。
静かな話し方をしているときも、怖さを感じるような・・・さすが二朗さんでした。
花役の上甲にかさん
障がいをもっておられるから、演技も大変だったと思うけど、そのままの姿で
とても良かったと思う。途中途中で「そのいのち」の歌詞をしゃべってたけど、
呪文のようにきこえ、あとから考えるとちょっとホラーチックだったかも。。
東京公演の千秋楽だったので、カーテンコールでは、このあとの地方公演で花を演じる佳山明さんも登場された。
佐藤二朗さんがあいさつ。
宮沢りえさんにオファしたときは、ほんとに出てくれるとは思わなかったそうです・・・
緞帳が一度閉まってから、再度のカテコでは
宮沢りえさんも挨拶されました。
なかなか、すごい芝居だったなというのと、佐藤二朗おそるべしというのが、一番の感想でした。
佐藤二朗さんの脚本で主演が宮沢りえさん。
なかなかすごい組み合わせじゃないですか~ということで、チケットゲット。
なかなか行ける日がなくて、東京の千秋楽になってしまいました。
中村佳穂さんの「そのいのち」という楽曲にインスパイアされて、佐藤二朗さん本を書いたそうです。
その楽曲を知らないので、、、何ともいえないのですが。
話の内容は
「マンションのキッチンで煙草を吹かす至って平凡な女性、山田里見(56)。彼女は介護ヘルパーである。新たな雇い主である相馬花(24)は障がいを持っている。花は動物ライターの夫・和清(45)とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見えた。
ある日、花の母・瑠依(44)とその再婚相手の悟(42)、息子の圭祐(10)が訪ねてくる。上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。しかしある出来事をきっかけに、穏やかだった3人の関係が徐々に狂い始めていく。そしてその先にあった驚愕の秘密…。浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」。それを前にした時に、3人が選んだ衝撃の結末とは…。」(公式より)
障がいを持っている人の役は、キャストに本当に障がいを持っている方が演じてました。
そういうお芝居を観るのは初めてだったので、ちょっとびっくりしてしまいましたが。
話の始まりは、静か。
障がいをもつ相馬花(上甲にかさん)とその介護ヘルパーの山田(宮沢りえさん)の日常生活から。
花の夫は動物ライターをしている和清(佐藤二朗さん)。
花の賠償金で、住みやすい家を建て、ペットのウサギの「スケキヨ」と、中庭のリンゴの木と。。。平和に暮らしているように見える。
和清はなかなかけたたましい。大げさな物言いや、一人でのノリツッコミ。
だんだんと登場人物の人となりがわかってくる。
和清はリンゴが大好きで、食べ過ぎるため1日に3個までと花によってきめられている。
リンゴが好きな理由は、刑務所にいたときに、それを食べると甘くてほんとにおいしかったかららしい。
山田はもともと薬剤師だったが、最近、この家で介護ヘルパーを始めたらしい。
花はお風呂にはいるのがあまり好きではない。。。そして、いつも競馬で同じ馬ばかり買っている。
ある日、花の母と再婚相手、そして息子が訪ねてくる。
普通に会話をしているが、障がいをもつ娘を、疎ましく感じていることが言動から伝わってくる。
それは花もわかっているだろうし、ヘルパーの山田にも伝わっている。
花と和清は年の差もある。結婚は賠償金目当てかとも思われるが、和清は花を愛しているという。
二人は体の関係はなかったが、花は和清にねだり、そして和清によって「感じる」体験をする。
それを見た和清も大声をあげて泣くのだった。
芝居の最初から「その日」の●●前とか表示されていて「その日」は何かと思っていたが、
ついに「その日」がやってくる。
山田には、ダウン症の男の子がいた。その子が7歳のとき、15歳だった和清は弱者を虐待するということで
殺してしまったのだった。和清は、自分より弱いものを痛めつけるという性癖があって、急に大声をだしたり騒いだり、
急に攻撃的になったりするのは、ある種病気なのだろう。
山田は和清が出所して、それから、罪滅ぼしのためか、障がいをもつ花と結婚したということを聞き、
介護ヘルパーとしてきたのだった。それは復讐のためだった。
花の「この人は私にとって必要なの」との叫びも振り切り、山田は和清を刺し復讐を果たした。
和清は心の底では、障がいを持つ花のことをさげすんでいたから。。。
それから。。。
花はこの家を出て、やさしい継父とともに、母と継父たちの家に引っ越すことに。
幕
介護士の山田と和清には何かあるとは思っていたけど、まさかそういう間柄だったとは。
そして最後の悲劇に、息がとまりそうでした。
和清は最初から何かおかしい、というかどこか壊れている人だったけど、
自分より弱いものを必要以上に攻撃するという性格は、それは15年たっても何も
変わってなかったということ。
障がいをもつ花と結婚したのも、そいいう性格だから、優位に立てるという気持ちがあったのだろうか
ゆがんだ関係ではあったけど、最後、花が新しい生活に出発するのを見て、
きっと花はこのあと幸せに穏やかに暮らせるといいなと思いました。
そして山田さんは復讐を遂げられて、ほっとしたのだろうか・・・・・
佐藤二朗さんって、福田さんの舞台とかドラマとかで、アドリブだかなんだかわからない演技で
めちゃめちゃ笑わせてくれるという印象だったけど、こういう作品をつくるとは、意外と越えて
衝撃的でした。
そして、うさぎのスケキヨが前半は特に癒してくれました。
本物の動物が出てるってすごいな・・・・ちょこちょこ動いてるのが可愛かった。
そしてキャストの感想
山田役の宮沢りえさん
本物の介護ヘルパーさんみたいでした。
すごく抑えた演技でだからこそ、最後の復讐劇がグッときました。
淡々と仕事をし、和清にも必要最低限のことしか言わない姿。
すべてがわかったあとで、心に復讐心を秘めてたからだと思うと、ちょっと怖かったです。
和清の佐藤二朗さん
登場してからの、自分のおなかがメタボな話とか、いつものごとくで笑わせてはいたけど、
だんだんと、それも狂気なのではと思わせるような演技だった。
静かな話し方をしているときも、怖さを感じるような・・・さすが二朗さんでした。
花役の上甲にかさん
障がいをもっておられるから、演技も大変だったと思うけど、そのままの姿で
とても良かったと思う。途中途中で「そのいのち」の歌詞をしゃべってたけど、
呪文のようにきこえ、あとから考えるとちょっとホラーチックだったかも。。
東京公演の千秋楽だったので、カーテンコールでは、このあとの地方公演で花を演じる佳山明さんも登場された。
佐藤二朗さんがあいさつ。
宮沢りえさんにオファしたときは、ほんとに出てくれるとは思わなかったそうです・・・
緞帳が一度閉まってから、再度のカテコでは
宮沢りえさんも挨拶されました。
なかなか、すごい芝居だったなというのと、佐藤二朗おそるべしというのが、一番の感想でした。
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