脱水症状は命の危険も。「水分補給の目安」を知ろう
Mocosuku - 2016年7月2日
執筆:Mocosuku編集部
監修:三原 武彦(小児科医、三原クリニック理事長、みはら子育て支援センター長)
これから暑い日が続きます。
夏場に起こりやすく、命の危険にまで迫る「脱水症状」はいったいどれくらい脱水すると危険なのでしょうか?
脱水症状の目安についてみていきましょう。
人間のカラダは60%が「水」
暑い季節は汗をかくもの。
また夏バテで下痢などをしている場合、水分が足りなくなり脱水症状を引き起こします。成人の体内を占める水分量の割合は60%だと言われており、平均的な1日の水分量は次の通りです。
・肺:1日あたり400ml
・発汗:1日あたり600ml
・尿や便:1日あたり1300ml
しかし夏は汗をかくことが多く、31~34℃の気温にいる場合は1時間あたり865ml、35℃以上の気温では1時間あたり1109mlもの発汗量になります。
いつも通りの水分量を摂取していては、脱水症状になってしまう危険性が高いのです。
脱水症状の目安について
脱水症状の目安は次の3段階に分けられます。
初期:軽度脱水
・体重の減少が5%未満
・自分で動くことができる
・意識がはっきりしている
・口のなかが湿っている
・手足が冷えていない
・親指の爪を押しても色が2~3秒で戻る
軽度の脱水は、自宅で水分補給をすることで症状が回復します。
中期:中度脱水
・体重の減少が5~10%未満
・動くのがだるい
・眠気がある
・興奮する
・口のなかが少し乾いている
・親指の爪を押して色が戻るまで3~4秒かかる
中度の脱水になると病院へ行く必要があります。だるさや眠気を夏バテや風邪だと勘違いする人も多いので、爪を押したり口のなかが乾燥したりしていないかセルフチェックしましょう。
末期:高度脱水
・体重の減少が10%を超える
・身体が動けない
・意識があいまい
・口の中がカラカラになる
・手足が冷たい
・親指の爪を押して色が戻るまでに4秒以上かかる
この段階になると、命が危険な状態です。一刻も早い処置が望まれます。
1日当たりの水分量はどれくらい?
人は4時間のうちに体重1kgあたり50ml以上の水分をとる必要があります。
つまり、体重が50kgの成人であるなら、4時間かけて2.5lの水分を摂取するのが望ましいといわれています。日頃から水分をあまりとらない人は、ジュースやスープ、味噌汁などから水分を摂取するようにしましょう。
また「経口補水液」は、食塩とブドウ糖を混合して水に溶かしてあります。脱水症状に必要な成分が含まれているため、熱中症の治療にも用いられています。自宅に常備しておくと安心ですね。
具合が悪く身体が弱っているときは、冷たい飲み物よりも人肌の温度の水のほうが効果的ですので覚えておきましょう。
これから本格的に暑い季節がやってきます。
「夏バテかな?」などと思い込み、脱水症状を放置しておくと危険です。こまめに水分補給をすることを忘れないでいてください。