TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

ちょっと違う

2023年05月07日 | エッセイ
連休中、実家に帰ったときのこと。
「これ、どうかしら」と母がおもむろに取り出したのはヘルメット。
コンパクトに折りたためるようになっている。
「防災用ヘルメット」と大きく書かれている。
折も折、北陸地方で震度6を超える地震があったばかりだ。
タイミングよく、地震に備えて購入したのかと思いきや、彼女曰く、「自転車にどうかと思って」。
4月から自転車に乗車する際は、ヘルメットの着用が努力義務になったものの、わたしが一向に買う素振りがないので、母がどこかの通販で見つけてきたらしい。
小さな注意書きに目をやると「オートバイや自転車には使用しないでください」としっかり書かれている。
しかしまあ、防災用でも、何もかぶらないよりはマシかもしれないと試着してみると、どうもヘルメットの深さが浅く、頭の上でぐらぐらと落ち着かない。座りの悪い籠かなんかを乗っけているみたいだ。
わたしは頭だけは大きいのだ。
運転している間は、頭の上にかろうじておさまっているものの、いざ、転んだりしたら、すぐに脱げてどこかにすっ飛んでいってしまうこと間違いなし。
これでは意味がないかも……。
結局、「まあいいわ。地震がきたときのための自分用にするから」と母。
本来の使い方におさまりそうだ。
最近、彼女には、こうした見落としというか、不注意というか、それが原因の”誤購入”が多い。
そっちのほうが心配である。

コメント (2)
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