コロナがインフルエンザと同じ、5類に移行したことで、いろんなことが少しずつ3年前の状態に戻り始めた。
昼休みに交代で行っていた、電話器や窓口のアルコール消毒は、特に来客が多い場所だけに絞られることになりそうだ。
職員同士を隔てていた飛沫防止のパネルも、今後、撤去するかどうか話し合われるようだ。
(わたしとしては、そのまま置いておいてほしいと思うのだが……)
運転手さんへの飛沫を防ぐためか、座ることのできなかったバスの1番前の席も、解禁となった。マスクをつけていない人を見るのにも慣れてきた。
職場の業務もしかり。
3年ぶりに復活したのが、「蚊のモニタリング調査」である。
数年前、代々木公園でデング熱が発生してから始まった調査だが、コロナの影響でそれどころではなく、ずっと休止状態だったのである。
この調査、どんなものかと言うと、まず、蚊を捕獲するトラップ(罠のような箱)を、木陰などに24時間ぶらさげておく。
その近くにはドライアイスもぶらさげて、二酸化炭素を発生させておくと、蚊は、ヒトがいるのかと思って近づいて、まんまとこのトラップの中に入っていく。
トラップの入り口には電動モーターの羽が回っているので、これに邪魔されて、もはや外に出ることができないというしくみである。
捕まえた蚊は、トラップごと生きたまま衛生研究所に送られて、ウイルスを持っているかどうかを調べるのである。
この作業を、6月から10月までの5カ月間、ひと月に1度ずつ行う。
単純な作業ではあるが、なにせ暑い盛りである。
しかもドライアイスは重い。吊り下げる木も高い。
よりによってチビで体力無しのわたしがこの仕事の担当なので、この事業が復活すると知ったときは、暗澹たる思いがした。
当日雨が降れば、次の日に延期になるので、天気予報とにらめっこなのも落ち着かない。
定年間際の最後の年にこうなるとはね……。
コロナのお蔭でいろんなことが中止になって、随分と楽をさせてもらっていたことのひとつがこれだったのだと改めて思う。
テレビ番組で「モニタリング」というのがある。
普段ではあり得ない状況を設定して(例えば高齢者の恰好をしたスポーツ選手が、いきなり本領を発揮するとか)、その場にいた人々の反応を観察するというものだ。
昔のドッキリカメラと似ているが、違うのは、跳んだり跳ねたり歌ったりと動くのは、あくまでも仕掛け人であり、周囲は驚いている様を観察されるだけ。
悪いことが起きているわけではないので、”だまされた感”がない。
同じモニタリングでも、今回は蚊が多く取れた、ほかの虫しか入ってない、共食いしてバラバラだわ……と一喜一憂するよりも、ヒトを観察するほうが、よほどワクワクと面白そうである。
昼休みに交代で行っていた、電話器や窓口のアルコール消毒は、特に来客が多い場所だけに絞られることになりそうだ。
職員同士を隔てていた飛沫防止のパネルも、今後、撤去するかどうか話し合われるようだ。
(わたしとしては、そのまま置いておいてほしいと思うのだが……)
運転手さんへの飛沫を防ぐためか、座ることのできなかったバスの1番前の席も、解禁となった。マスクをつけていない人を見るのにも慣れてきた。
職場の業務もしかり。
3年ぶりに復活したのが、「蚊のモニタリング調査」である。
数年前、代々木公園でデング熱が発生してから始まった調査だが、コロナの影響でそれどころではなく、ずっと休止状態だったのである。
この調査、どんなものかと言うと、まず、蚊を捕獲するトラップ(罠のような箱)を、木陰などに24時間ぶらさげておく。
その近くにはドライアイスもぶらさげて、二酸化炭素を発生させておくと、蚊は、ヒトがいるのかと思って近づいて、まんまとこのトラップの中に入っていく。
トラップの入り口には電動モーターの羽が回っているので、これに邪魔されて、もはや外に出ることができないというしくみである。
捕まえた蚊は、トラップごと生きたまま衛生研究所に送られて、ウイルスを持っているかどうかを調べるのである。
この作業を、6月から10月までの5カ月間、ひと月に1度ずつ行う。
単純な作業ではあるが、なにせ暑い盛りである。
しかもドライアイスは重い。吊り下げる木も高い。
よりによってチビで体力無しのわたしがこの仕事の担当なので、この事業が復活すると知ったときは、暗澹たる思いがした。
当日雨が降れば、次の日に延期になるので、天気予報とにらめっこなのも落ち着かない。
定年間際の最後の年にこうなるとはね……。
コロナのお蔭でいろんなことが中止になって、随分と楽をさせてもらっていたことのひとつがこれだったのだと改めて思う。
テレビ番組で「モニタリング」というのがある。
普段ではあり得ない状況を設定して(例えば高齢者の恰好をしたスポーツ選手が、いきなり本領を発揮するとか)、その場にいた人々の反応を観察するというものだ。
昔のドッキリカメラと似ているが、違うのは、跳んだり跳ねたり歌ったりと動くのは、あくまでも仕掛け人であり、周囲は驚いている様を観察されるだけ。
悪いことが起きているわけではないので、”だまされた感”がない。
同じモニタリングでも、今回は蚊が多く取れた、ほかの虫しか入ってない、共食いしてバラバラだわ……と一喜一憂するよりも、ヒトを観察するほうが、よほどワクワクと面白そうである。