TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

マイナカードの憂うつ

2024年09月17日 | エッセイ
医療機関や薬局の窓口で「マイナンバーカードはお持ちですか?」と聞かれることが多くなった。
マイナンバーカードを保険証として利用するための準備が着々と進んでいる。
職場からも、おススメの通知が届いた。
カード1枚あれば、情報が一元化されて便利になるのだそうだが、そのありがたみがよくわからない。
ネットで調べてみたら、あれも便利、これもできる、といいとこばかりが記載されているが、その裏で起こるであろう不具合や不便さについては不明だ。
誰にとっての便利さなのかがピンとこない。
保険証を出して診察を受けたり、薬を受け取ったりするのに、これまで全く不便を感じなかったのである。
ゆくゆくは運転免許証もこのカードと一体化するらしい。
転居による住所変更が警察署に行かなくても可能であること、更新手数料が「マイナ免許証」のほうがお安いということはわかったが(それは大事)、手間暇を考えたとき、これらがペーパードライバーにとってどのくらいのメリットあるものなのかが想像がつかない。

この夏、両親のもとへ届いた後期高齢者の医療保険証にも、マイナンバーカードのお知らせが同封されていた。
75歳を大きく超えた彼らに、こうした紙がペラッとはいっていたってなんの理解も得られない。
カードを持っていない場合の選択肢として”スマホで申請”と書いてあるが、そもそもスマホで通話もできない人も多い世代なのに、それは無理やろ、と思う。

とまあ、文句を言っていても始まらない。
新しい制度は、そんな声に無頓着で、どんどん始まっていくんだろうから。
紙の保険証は有効期限までは使えるらしいが、もしもこれを紛失したら12月以降は再発行されないというから、今のうちからマイナ保険証にむけて心構えと準備は必要かもしれない。
ずいぶん前に作った彼らのカードは、有効期限が大きく過ぎている。
区役所に電話をすると、「ここは住民票の係なんですよねえ~」と言いつつも、電話口の職員が丁寧に手順を教えてくれた。
マイナンバーカードについては意見や苦情の電話も多いだろうから、”たらいまわし”にしないように配慮しているのだろうか。
彼曰く、「カードの期限は切れていても、データの有効期限は切れていないはずですから、まずはご両親様のカードと、代理のかたのカードをお持ちになってこちらで仮登録をしてください。そしたら書類をご両親様のお宅に送りますので、それとカードをお持ちになってもう1度こちらにいらしてください。ずいぶん前に作られたようですから、この更新手続きのあとに、また新たに作り直す必要もあるかもしれません」。

物腰も丁寧に教えてくれたが、話を聞きながら早くも、モヤモヤモヤ……。
カードの期限は切れているのに、データが有効ってどういうこと????
更新したあとにまた申請が必要ってどういうこと???
それなら、今慌てて更新しなくてもいいのかしら???
電話を切ったあとに、むくむくと疑問がわきあがってきた。
しかし現物を持っていかないと、話にならないのは明白だ。
マイナンバーカードの性質上、住所や氏名を伝えても、「ご両親様の場合はこうですよ」などと個人情報にまつわることを電話口で教えてくれないだろう。
早くも不便!!
役所の窓口で段々声が荒くなる人の気持ちがわかる。
それ以外に説明のしようがない窓口側の立場もわかる。
で結局、わたしはふたり分のカードを預かって、区役所の窓口に行くのだろうな。
ネットだのメールだの電話だのというよりも、やはり「対面」対応がなによりも安心なのだ。

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