TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

意外な展開は今日も‥‥

2021年07月09日 | インポート
先日、1回目のコロナワクチンの接種をした。
保健所職員は医療従事者枠なのである。
あれほど副反応がどうのこうのと思っていたが、今や、打たぬ選択肢はあり得ないような流れになっている。副反応についてのネット情報は、不安を煽るばかりなのでここ数日、見ないようにしてきた。
職場近くのクリニック。30分間隔で5人ずつぐらいの予約がはいっているらしい。わたし以外の人たちは、ここのクリニックのかかりつけの患者さんで顔なじみのようである。
こういう時には、知り合いがいるというのは心強いだろうな。

わたしが一番先に着いたので、最初に名前を呼ばれる。
「ただいまからcovidの接種を行います」と先生がわざわざ宣言。
わたしが保健所職員だから、きちんとやっているところを見せたかったのだろうか。仕事上の話に脱線しているうちに、あっというまに接種終了。痛みもほとんどない。とりあえず15分の待機のためにロビーで待つように言われる。
わたしが診察室から出てくると、待合室にいた方たちが話を中断して、一斉にこちらを見る。なんとなく不安そうである。だいじょうぶかしら、あのかた、今のところ生きているようだけど……といった感じだろうか。
ただただ待つ15分というのは本当に長い。開店前のデパート前で5分待つのと同じくらい長く感じられる。
不安感を共有すると、知り合いでもないのになんとなく仲間意識が出るのだろう。
無事15分が経過し、クリニックを去る時、なんとなくお辞儀して出ていこうとすると、待機中のかたがたからも、なんとなくお辞儀がかえってきた。
あきれるほどの方向音痴のため、バス停の場所を間違え、炎天下の中、逆方向に無駄に歩いてしまったため、これが副反応の発生に影響したら嫌だなあと思いつつ、帰宅。
とりあえず当日は、接種した腕がちょっと痛い程度で暮れた。

明けて翌日、目が覚めた途端に頭が痛い。ああ、やっぱりきちゃったんだ。前々から聞いていた反応なので落ち着いているつもりだったが、わたしはワクチンに限らず、ストレスがかかると、すぐにおなかに反応する。ノーシン飲んで熱も36.8度程度と、副反応自体はたいしたことがないのに、おなかの症状がおさまらない。胸の動悸もおさまらない。カフェイン入りのコーヒーなんか飲んでしまったことを後悔するも先に立たず。
よっぽど休もうかと思ったが、復帰したばかりだし、ひとり悶々と、副反応とおなかの症状に一日中向き合っているほうが、よほど辛そうだったので、(ことによると救急車なんか呼んでしまったかも)思い切って出勤した。周りに人の目があり、するべき仕事があったほうが、気が紛れるのではないかと思ったのだ。
体力的にはきつかったが、精神的は出勤して正解だった。それほど忙しくなく、来客応対などしているうちに、気持がほぐれてきた。

3週間後に、まだ2回目接種が残っている。
接種翌日はコーヒーを飲まない。整腸剤でおなかを整えておく。鎮痛剤と鎮静剤の併用もOKというから万全に準備しておく‥‥‥。一回目を経験して学んだことである。
(この記事をアップしようとネットを開いたら、ファイザーワクチンの有効性は半年だから3回目が必要だという記事が目にはいってしまった){%げっそりwebry%}{%最悪webry%}{%げっそりwebry%}{%最悪webry%}





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行ってみたら意外にも‥‥‥

2021年07月07日 | インポート
昨日は、職場復帰初日であった。朝から落ち着かなかった。
家にいてもそわそわして無駄な動きをするばかりなので、早く家を出た。こういう日に限って電車やバスが遅れ、遅刻でもしたら、ごめんなさいを余分に連発しなくてはならない。
電車には、高校生がみっしり詰まっていた。どうやらこの時間帯は通学時間のようだ。不思議なことに、乗ってしまうと、昨日もおとといも、休まず電車通勤していたような気がする。
最初に言うセリフ、「このたびはご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」を復唱。
窓の外に目をやってもどこか上の空、景色など目にはいらない。気のせいか、電車のスピードも速い気がする。
30分以上も早く到着してしまったので、近くのコンビニでお昼ごはんを買う。
店を出て少し歩くと、職場の建物が見えてきた。目の前の建物がドカーンと、消えてしまえばいいのにと思いつつ近づいていく。テストが嫌で校舎に火をつけてしまう子供の気持ちってこんな感じなのかしら。

 入口からはいると、いつものことながらしいんと静まりかえっている。
同じ部署の男性に偶然出くわしたので、お詫びを。
「あ、ども。大丈夫っすかあ」と思ったより機嫌よく答えてくれたのでほっとする。
所属の課に行くと、ほどよく賑わっていてホッとする。あまり静かだと話しかけづらい。どさくさに紛れるというのでもないが、大きな声で、「このたびは‥‥‥」とその辺にいる人々にまとめてお詫びを。ほどなく打ち合わせから戻ってきた課長にお詫びを。
もうこのあたりから気が楽になってきた。
非常勤職員がひとりふえていた。コロナ以降、どんどん職員が増えていき、当初5人だったのが今や9人である。
長い間パソコンを開いていなかったのでパスワードの有効期限が切れていた。そんなこともあり、ばたばたと問い合せなんかをしているうちに、朝の緊張感がいつのまにか消滅し、いつの間にか馴染んだ気分になってきた。もともと、仕事以外の会話はしないので、黙っていても違和感がないのである。
休暇中は、今日が何曜日かわからないような暮らしをしていたので、午前中の時間感覚が怪しかったが、午後にはそれも元に戻った。
朝、電車に乗っている時に感じたのと同じように、まるで、昨日もおとといもずっと、出勤していたような感じがしてくる。
長い間のうちに染みついた感覚は、すぐ、回復するものらしい。
短縮勤務なので、「お先に失礼します」とは、復帰早々さすがに言いづらかったが、割り切りも大事。そもそもフルタイム勤務のときだって、定時になるとすぐさま”お先に”失礼していたのだ。

恐れていた”視線の矢”なんて全く飛んでこなかった。もしかしてわたしが休んでいたことさえ知らなかった人も、たくさんいたのではないかと思うほど。それはそれで存在感なさ過ぎではあるが、前髪を切り過ぎた時と同じ、自分が気にするほど他人は気にしていない、というのがよくわかった。


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いざ、出陣‥‥のような

2021年07月05日 | インポート
明日から、何週間ぶりかでの職場復帰である。
体調は戻ったが、それ以上に、出勤にともなう緊張感と言ったらない。出勤日が近づくにつれ、また体調に異変がおこるのではないかと思うぐらいだ。
友人の保健師から、励ましのメールが届く。彼女もまた紆余曲折、育児休暇に始まり、休職、療養休暇、制限勤務‥‥と、こうした方面に関してはベテラン(という言い方もどうなのかと思うが)なのである。
朝一時間遅れの出勤なので、駅からのバスの中で同僚と顔を合わせる可能性は低い。少しばかりほっとするが、職員全員ずらりと席にそろった状況に顔を出すのである。今回ほど、出勤しづらい日はない。
「このたびはご迷惑をおかけして大変申しわけありませんでした」。ほかのセリフはいいから、これだけはしっかり言えるようにと何度も反復練習する。

自分が気にしているほど他人は気にしないというが、それは例えば前髪を切り過ぎたときなんかにはそうだろうが、今回は事情がかなり異なる。利害関係のない職員にとっては、代わり映えの無い日常にちょっとした景色の変化を、といった程度の好奇心だろうが、同じ部署の人間にとっては、散々迷惑かけられたのである。それなりに厳しい一矢を放ってくるだろう。一本一本の視線の矢も集まれば、極太になる。
少しでも顔に刺さる矢を避けるために、おむつみたいにバカでかいマスクをしていこう。

まずは課長に御迷惑かけたお詫びを。続いて同じ部署のかたに‥‥と頭の中で算段をたてておく。副所長は休暇だそうだから次の日に。(できれば一日で終わらせたいという自分勝手な願望がわく‥‥)
皆さんがしんと座っているところにのこのこ顔を出すのも、視線の圧力に負けて、どもってしまいそうだが、かといってたまたま新型コロナが発生していて、お取込み中のさなかだったら、わたしの相手などしているどころではなく、こちらも来たばかりで何を手伝えばいいのかわからず、早く挨拶を済ませたいという願望を抱えたまま、そこらあたりにぼさっと突っ立ったまま周りが落ち着くのを待つしかない‥‥というような間抜けな状況になるかもしれない。ああ、どんな感じなんだろうな、明日は。
あり得ない話だが、復帰後”2日目”から出勤したいと思ったほどだ。
ひとまずこれを乗り越えないと何も始まらない。





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