箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

冬枯れの森のぬくもりに・・・!

2020-08-26 | *編集・冬/2月

冬枯れの森のぬくもりに・・・!

 今日も寒い一日です。

どんよりとした厚い雲に覆われた空からは、時折小雪がちらついてきます。

六箇山へ向かって水沢コースを登り、一休みをしている時でした・・・

 

回りから何かゴソゴソゴソ・・・と音がするのです。

なに・・・? 

耳あてをはづして耳をすませていると、ササヤブの茂みや枯れ葉の

あいだをなにやら動くもの・・・ それも多数? 

 

すると急に音がすると鳥が4~5羽バタバタ・・・と 飛び立ち木の枝に

とまりました・・・

実は鳥でホッとしました・・・ 安堵の一息です! (笑)

気の弱い私としては、原因の分からない時の不明な音ほど不安で緊張

する事はありません・・・

 

枝にとまっている鳥をよく見ると全長25CM前後、いつも見るヒヨドリより

少し小さく、ムクドリ位の大きさです。

外側の尾羽の先に白斑があるのが見えました・・・

上面はオリーブ褐色で下面は淡褐色です。

(後で図鑑で調べたら、渡り鳥のシロハラのようです。)

木の実か昆虫を捕らえていたのでしょう・・・

 

ところがまたゴソゴソゴソ・・・と音がするのです・・・

他になにかが・・・?

私が立ちあがったところ・・・バタバタバタ・・・と 一斉に鳥が飛び立ちま

した・・・ その数、20羽ぐらい?

まだいたんだ・・・!  

驚かしてゴメン ゴメン・・・と つい、つぶやいてしまいました。  

(森の色と同じ擬似色で全く分かりませんでした・・・)

 

寒い、淋しい冬枯れの静かな森の中で、このシロハラ鳥達の賑やかな

営みに、私は逆に生きもののいる森の温かさを感じました。

*  箕面在住の高野 日出夫氏の句集 

    「箕面山麓」(発行・編集工房ノア)

を、書棚から出して見ていると、こんな句がありました。

     「枯草掻き シロハラが 目の前に来る」

まさに今日の光景がぴったりでした。

 

横にはコバノミツバツツジの木があり、その小枝の先には早や小さな

新芽が見えていました・・・  

春を待っているんだな・・・そんないとおしさを感じました。

 

今日はまだ一人も他のハイカーの方とは会っていません。

時折聞える小鳥達のさえずりと冷たい北風の音、その風になびく葉音の

ささやき・・・

それに自分が枯れ葉を踏む足音が響きます・・・

それに薄暗い森は益々寒さを感じます。

 

 

海の見える丘 から西尾根を下っている時でした・・・

その静かな冷たい森の中から何かの音楽の響きが・・・?

聞き耳を立ててきくと なんと! 三味線の音色ではありませんか・・・

どこからかな? 

しばらく立ちどまって聞いていましたが、そのうち渋い歌声が聞えてきま

した。

何度か同じところを歌いなおしている所をみると、どうやら練習中のよう

です。

 

今まで箕面の森の中ではバイオリン、フルート、クラリネット、ギターなど

練習やハーモニカなどの音色は聞いてきましたが三味線は初めてです。

どこからか分からないまま私は歩き出しました・・・

 

ふっと少し離れた横手の山裾で一人のおじいさんが熱心に弾き、歌って

いる姿を発見しました・・・

私はしばらくその様子をうかがっていましたが、急に目と目が合ってしまい

ました・・・

共に会釈をしましたが、おじいさんのきまり悪そうな仕草に・・・申し訳ない

ことをしたな・・・と、早々にそこを後にしました。

 

それにしてもこの寒風吹く冬空の下で寒くないかな? と 案じてしまい

ました。

しばらく山道を上っていると遠くで大きなハックション!の音・・・

やっぱり!

風邪引かないでくださいよ・・・ と、私は一人つぶやきました。

 

しかし、あのおじいさんは家で三味線を弾き歌いだすと・・・

家の人から・・・ おじいさん  うるさいわね!・・・ とか・・・ うるさがら

れたりして?  この森の中で練習しているのかな・・・ (笑) 

それとも森の自然の中で鳥達との共演を楽しんでいるのかな・・・?

あれこれ勝手に想像して楽しんでしまいました・・・ (失礼な!)

 

山裾にはヤブツバキの真っ赤な花が咲いていて、寒く薄暗い森の中で、

絶世の美人に出会ったような思いでした?

山里に下りてくると、大阪青山大学の西隣にある半町池畔に寒桜の

淡い花が満開でした。

 

私は振り返って、今 歩いてきた箕面の森に耳を澄ませると・・・

寒い冬枯れの何もないような森の中でも、自然の営みは確実に行われて

いる事を感じます。

その何気ない森の小さな営みごとに、私は自分の心に温かいぬくもりを

感じ、至福の思いを抱きつつ、今日も満足な一日を味わう事が出来ました。

 「 ヤブ遊び シロハラ鳥の 冬の狩り 」

「 冬の森 三味線の音 温かく 」

「 ヤブツバキ 冬枯れの森の 紅美人 」

「 冬空に 咲く寒桜 チト淋し 」

「 耳澄ませ 森のぬくもり 冬火種 」           ( 花詩 )

'13  2/4

 

 

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