暑い夏・・・ 夏の森へ!
今日も35℃を越える猛暑日です・・・ 暑いです!
私はリュックを肩にかけ、帽子をかぶり、トレッキングシューズにストックを
もって、いつもの山歩きの格好で「外院」(げいん)のバス停に降りました。
すると視線を感じて前を見ると、コンビニの車の中から若い二人の男女が、
何か言いながら私をまるで珍しいものでも見るようにじろじろと見て
います・・・
どうやら、 ” このクソ暑いのに物好きな奴やな・・・? ” と いった
呆れた様子です (笑)
すると、前の店の店員さんは・・・ 暑いのに ご苦労なこって!・・・
と、言う感じ?
余りの暑さに、涼しい所にいる人を見ての、私のヒガミかも
しれませんが・・・(笑)
そんなにおかしな格好してるのかな? と、店のガラスに自分の姿を
写してみると、確かに ” カメが風呂敷包みを担いで、どこかで泥棒して
きたような格好・・・” ? (笑)
確かに不恰好でむさぐるしい・・・
見てるだけで汗が出てくる・・・ (実際にもう汗だくのゆでだこ!?)
他人のほっとけない・・・ と 言う視線に理解を示しつつも・・・?
カメはそんな事には我れ関せずに、外院の里山に向かいました・・・ (笑)
里山に入るとムッとする生暖かい風と共に草の匂いがしてきます・・・
水田の稲はもう60CMぐらいに成長していて風になびいています。
田畑には真っ赤に熟れたトマト、そしてナス、キュウリ、ゴウヤ、
オクラなどの野菜が、太陽をいっぱい浴びて健康そうに育っています。
つい半年前にスズメたちが井戸端会議をしながら最後の残り柿を
ついばんでいた池のほとりの柿の木・・・
今 沢山の青い実をつけています・・・
あと数ヶ月で、また鳥たちの憩いの場所になることでしょうね。
その下にはピンクの秋桜(コスモス)が3輪・・・ 可憐な花を咲かせ、
ゆらゆらと風にそよいでいます・・・
もうそんな季節なんだな・・・ ?
大きな農業池の土手を上がり、振り向くと大阪市街が一望でき、暑さの
せいなのか、ゆらゆらと陽炎(かげろう)が漂っています。
池にはカメが悠々と泳いでいます・・・
甲羅干しも暑くてかなわん・・・ のか? 水の中が気持ちよさそうです。
カメにはなぜか近親感を憶えます (笑)
足元の草むらは、この時とばかりに草群が急成長しています・・・
そこを歩くたびにバッタや虫が一斉に飛び立ちます・・・
子供時代になじんだ懐かしのイナゴを探しましたが、最近はめった
見かけなくなりました・・・
私は先年に自分で探した細い道へ分け入り、ウツギ谷へ迂回する
つもりで森の中に入っていきました。
村人作の手製のイノシシ柵を開け、電気柵の間に入ると、もうどっちが
動物なのか錯覚しそうです? いつも複雑な変が気持ちになります (笑)
急に大きなクモの巣に頭を突っ込んでしまい・・・ ワアーこりゃ大変!
やっと糸を取って歩いていくと、また突っ込んでしまった・・・ ドジ! (笑)
やっと通り過ぎていくと今度はやぶ蚊と虫の大群・・・
追っても追ってもついてくる・・・
どうも虫たちにはいつも好かれる体質のようです (笑)
好いてほしいものにはそっぽを向かれて・・・ 私の人生と似ています (笑)
幸いこんな事もあろうかと、昨夏から持っている携帯用電気蚊取り器の
スイッチをオン・・・
効果抜群でやっと抜け出しましたよ (笑)
竹やぶの横を小さな疎水が流れています・・・
少し開けた所に出たときでした・・・汗だくのゆでだこ頭を拭いていると・・・
私の目の前を一頭の蝶々が飛んで行きます・・・ きれいだな ~
目で追っていると、また戻ってきた・・・そして、目の前の枝にとまりました・・・
まさか・・・!
再度よくよく見ても まさか です・・・ 「オオムラサキ」 です!
先月、手塚治虫少年の文章から箕面の森でオオムラサキを追いかけて
いたことを、このブログを紹介したばかりです・・・
あれから図鑑や標本で何度かオオムラサキを見たので、私の老眼でも
間違いありません・・・
実は、本当は分かりません? (笑)
余りの予期せぬ偶然に、もうビックリしてしまいました。
こんな所に? なぜ? どうして?
どこをどのように飛ぼうが蝶々の勝手ですが・・・ (笑)
私も少年時代にこんな美しい蝶と出会っていたら今頃は~~? に
なっていたかもしれません (笑)
すぐにオオムラサキは南のほうへ飛んでいってしまいましたが、しばし
感動しながら行き先を眺めていました。
こんな予期せぬ感動や感激があるので、暑い夏の森でも全く苦に
ならないのです・・・
ウツギ谷へ入ると早速 獣道を下り、渓流に両手を入れて顔、両腕の
汗を流しました・・・ 冷たくて気持ちいい!・・・
濡らしたタオルで体の汗も拭います・・・
ホッとして耳を澄ますと相変わらずのセミの大合唱!
もう慣れてしまいました・・・ 夏の風物詩ですね・・・
それによく聴いてみると、この賑やかさでもなかなか味深い響きを感じ
ます・・・
セミ一匹づつ同じようでいて、音色や音程が微妙に違うのですよ・・・
先日、滝道で私の前を歩く親子がいました・・・
どうやら初めてセミ取りにきたようです・・・
すると小さな子供が道に落ちでいた死んでいるセミを拾い・・・
大きな声で・・・ 「お父さん! これ電池切れや!」 ・・・
お父さんは回りの手前あわてていました・・・ これはマジな話ですよ (笑)
話がそれましたが・・・
一休みをしている岩場に、真っ黒な川トンボが10数匹飛び交っています・・・
黒一色は初めて見ました・・・ 私の好きな上品な美しさを感じます・・・(笑)
小刻みにハネを震わせて嬉しそうに舞っています。
川にはカワムツが泳いでいるのが見えます・・・
岩の間からゆっくりとサワガニが出てきました・・・
杉木立の多い鬱蒼としたウツギ谷には、木漏れ日以外に太陽が余り
届かず、その緑いっぱいの木蔭の下にはさわやかな風の流れがあり、
更に岩にあたる水しぶきとせせらぎの水音で、静かな清涼感に溢れて
いるのです。
クーラーの涼しさと違った、自然の奏でる優しい風や、音や、緑豊かな
森の空気が、実際温度をはるかにしのいで涼しさを体感できるのは
不思議な事です・・・
自然の営みを見ていると我を忘れてしまいます・・・
そして、静かに自然と対話するという・・・ それが何とも贅沢な一時
なのだと感じます。
暑い夏です・・・ 私の夏の森には沢山のドラマがあり、感動があり、
いつも安らぎと癒しを与えてくれます。
このクソ暑い時に、物好きなやっちゃな・・・ (笑)と、哀れみに近い
目つきで私を眺めていた朝の若い二人連れにも、是非この森の至福感を
味わってもらいたいものだと思っていますが・・・ さて反応やいかに・・・?
コマーシャルでやってるみたいに・・・
「森の中にもローソンありまんのか・・・?」
森のなかにローソンは ありまへ~ん・・・!
08-8・11 (完)