森の(人)に癒される・・・
今日は勝尾寺・旧巡礼道の七町石碑の前で、昼食にしました。
ボランテイアの方が作ってくれた、丸太を組んだ簡素なベンチながら、
休める所があるのはありがたいことです・・・
こんな所が随所にあって、黙々と手弁当で作業されている方を
お見受けすると、頭が下がります。
木漏れ日も余り差し込まないような、真緑となった森の中に座っている
と、涼風もいつしか冷風になり、思わず大きなクシャミがでました(笑)
もっともこれは私だけではないようで、その後 谷間からもっと大きな
クシャミが聞こえてきた時は、ふきだしてしまいました(笑)
急に涼しくなりました。
谷山を超えるために登り口に差し掛かった時でした・・・
前方で一人の方が、何か切っている様子です・・・?
何かの採集かな?
近づいてみると、斜面の山道に、木の階段を作る作業をされている
ようです・・・
・ こんにちわ! ご苦労様です! ありがとうございます!
それにしても大変な事をされていますね・・・
お一人でですか?
* いえいえ暇なもんですから・・・
以前にここを通った時に、思い切りここで滑りましてね
上がりはまだしも、下りが危ないんで・・・
この先にもありますんで・・・
順々にやっていこうと思ってます・・・
・ 以前、この近くで同じような事をされている方に出会いましたが・・・
(このブログでも、最近ご紹介した事がありますね・・・
「谷道を作る人、怒る人!」 09-7-1付)
* 私はあの方の作業に感銘を受けまして、自分の出来る
範囲でやってます・・・
健康維持と暇つぶしです(笑)
・ そうだったんですか・・・ まさに善意のつながり、広がりですね!
でもそれを実際に実行されておられる事はすごい事です。
しばし立ち話の後に・・・
・ それではありがたく通らせてもらいます・・・
私は完成した手作りの木の階段を最初に上らせてもらいました・・・
* お気をつけて・・・!
そう見送られながら、なぜか心苦しさを覚えました。
しばらく上って振り向くと、枯れ木を切りながら、黙々と作業の続きを
されています・・・
言葉にならない ジ~ン と胸に迫るものがありました・・・
私もここで何度も滑って、危ない思いをしただけに・・・
ありがたいことです。
谷山を超え、尾根伝いに谷間に下りてきました・・・
分岐点に着くと、谷川を双眼鏡で眺めている方がいます・・・
横にはカメラ機材があり、野鳥の撮影でもされているのかな?
見ると、近くに奥さんもおられ、両肘を抱えてウトウトと居眠りをされて
います・・・ そんなお二人の構図にひきつけられました。
老夫婦のなんとも穏やかで温かい光景です。
後からお見受けすると・・・
お二人とも、もう30年以上も箕面の森を撮りつづけておられる
カメラマンご夫婦のようです・・・?
先週も、清水谷で撮影されているのをお見かけしました・・・
もう何回となく森でお見かけしていますが、いつも仲良くご一緒で、
老後のご夫婦でのライフワークとしても、羨ましい限りです。
次回の個展や写真集も楽しみにしています・・・
才が原池に着くと、池面が一面 藻でおおわれていて、小さな白い花が
咲いています・・・
きれいだな! バイカモかな?
しばしそんな光景を眺めていると、対岸に人が一人いました。
見ると、藻のない僅かな池の間に向って釣り糸を垂れ、じっと浮きを
眺めています・・・
セミの声は賑やかながら、不思議と池畔は シ~ン として静寂感が
漂っています。
爽やかな涼風が、池岸に咲くススキの穂をゆったりとなびかせて
います・・・ そんな中で・・・
藻に覆われた池の、梅の花に似た小さな白い花を見るめる私と、
対岸で、小さな空間の池面に釣り糸をたれ、浮きを見つめる青年と、
二人だけの池畔・・・
その時間はどのぐらいだったろうか・・・?
長い間、そうした静かな時がゆったりと流れていく・・・ いいな!
私のまさに至福を感じる一時です!
この空間、間、距離感・・・静か! それでいて人を感じ、自分を愉しむ、
心が通じるような、穏やかな初秋の風情です。
新聞のコラムにこんな事が書いてありました・・・
「孤独は山にはない・・・ 街にあるのだ。
一人の人間の間にあるのでなく、大勢の人間の「間」にあるのだ・・・」
孤独は山にはない・・・ これには深くうなずきました。
山や森の散策を新しい趣味? としてから、私はいつも一人で、
気の向くままに愉しんでいますが、今まで一度も山や森の中で
孤独を感じた事はありません・・・ 不思議です。
小さい頃から孤独がちで、寂しがり屋のこの私が・・・? (笑)
そこには森と言う、母の胎内にいるような安心感と穏やかな空間が
あると共に、人の温かさをいつも感じるからでしょうか?
今日は森の自然に癒されるだけでなく、その森にいる(人)と、
その静かな行動に癒される一日でもありました・・・
09-8-23 (完)