山道での挨拶について考える!
6年前、初めて箕面の森の山道に入っていった時でした。
前から来られたハイカーの方が元気よく 「こんにちわ!・・・」 と、私に
言って通って行かれました。
私もつられて小さな声で 「こんちわ!・・・」 と 応えましたが何分、
道で見ず知らずの方と挨拶をする習慣が無かったので恥かしく、
しばらくは戸惑いました。
都会に長くいると、この年になっても全く知らない方と、何も無く挨拶を
交わす機会は余りありません。
それが山道で人と出会うたびに挨拶をしていると、いつの間にか習慣
になり、いつしか私も元気に挨拶をして通るようになりました・・・
気持ちいいですね。
でも不思議ですね?
先日もこもれびの森から風呂ケ谷を下りてくる時に3人の方と別々の
道で出会いお互いに こんにちわ! と挨拶を交わしました。
そこから箕面川に出て山側道を姫岩の方へ向かって歩いていると
若者や夫婦連れなど6人の方に出会い挨拶しましたが、返事が返って
こなかったのは3人でした。
一人は無視されたのか無言!
一人はケゲンな顔をして・・・ この人は誰!? という感じでした。
後の一人には睨(にら)まれた感じでした。
やがてつるしま橋を渡って滝道に出るとすぐに10人以上の方と出会い
ましたが誰一人として挨拶などしません。
この変りようは何?
この不思議さは何?
一つは道幅じゃないか? と気づきました。
山道では狭い道ほど一方が立ち止まって道を譲らねば交差できません
から、 すみません! 有難うございます! お気をつけて! 等の
会話があります。
それに山の中ではほとんど前後2人だけの交差で親近感もあり
(或いは警戒感もあり)ます。
厳しい山岳地帯では情報交換もあるでしょう。
実際60cm前後位の山道では体もぶつかる道幅なので、声掛け合いが
自然な行為になるのでしょうね。
しかし、あの途中の山側道は道幅が倍の120cmぐらいあり、交差する
にしても、ぶつからない道幅なので、半分の方が挨拶を必要として
いないのでしょうね・・・
まして、4M以上の道幅のある滝道では、もう全く都会の道路と同じで
知らない人と挨拶する人などいないと言う事なのですね。
人と人との距離感、接触感が、見知らぬ人とでも挨拶するかしないかと
いうものではないのでしょうか。
確かに山道の狭い所の距離、接触度はきわめて高くなり、120CM位なら
半々、4m以上ならゼロ・・・
でも、お祭りの時などいくら広い所で、人が溢れて押し合いへし合いして
いても、挨拶など一々していませんから一対一と言うような人数などの
条件もいるようですね?
(実際、山道を団体さんと交差する時は一々皆さんが挨拶はされません)
不思議なものですね!
ところで山道での私の挨拶に対していろいろな反応がありましたので
思い出すままご紹介してみましよう。
こんにちわ~
・ 全く無言、無視の方。
・ イヤフォンを耳につけて我関せず・・・で知らん顔の方。
・ にらみ返す人
(先日、清水谷林道で前から大きな犬を連れた方にはきつくにらまれ、
犬にまで歯を剥き出しにされました・・・)
・ 明るく、元気に私の声以上に返事を返してくださる方
(ほとんどのハイカーの方です)
・ 立ち止まり今ご自分が歩いてきた道の情報を教えてくださる方。
(台風の後で崖が崩れて通行不能と教えてもらった時もあります)
・ 道に迷い訪ねられ方
(私の特製地図をお渡ししながらご案内しています)
・ ご自分の専門分野に着いて話される方
(植物、昆虫、バードウオッチングなど)
・ 森の迷惑について怒るように話される方
(先日も尾根の巡礼道でお爺さんがマウンテンバイクに木の根が痛め
らる・・・と。 森の迷惑に怒られる方の話は多いですね)
・ 突然ハーモニカを吹いてくださった方。
・ アメを下さった3人連れの大阪のおばちゃん!
(* にいちゃん! どこまでいくの?
もう疲れたから一緒に連れて行ってえな・・・)
丁寧にお断りしましたが・・・(笑)
でも還暦過ぎのじいさんに向って にいちゃん! はないでしょう・・・?
それともそんなに若く兄ちゃんに見えたのかな (笑)
・ 丁度いいわ! 写真とってくれます・・・ とかね
・ バンドエイドもってはりません? とか
(足に豆が出来たとの事・・・ 一枚差し上げましたけど)
・ この辺にトイレありませんか?
(若い男性でしたから横の茂みを指差してあげましたが・・・)
こんにちわ!・・・ と言う一瞬の挨拶と出会いですが、その反応は
さまざまで面白いものですね。
一年に一回ぐらいですが、狭い山道で美しい女性とすれ違う事があり
ます。
なぜか心臓がパクパクしていますが挨拶以上に何か話そうと思う
まもなく行き違い、かすかな香水の匂いに振り返り・・・
もったいなかったな! と思うのです。
山のお話でも・・・ なんて!
もともとそんな勇気などありませんから、いつも空夢ばかりです
が・・・ (笑)
こんな時だけ、まだ心は若いようです。
サムエル・ウルマンの ”青春とは心の若さである・・・” の詩を思い
出します・・・
「 細道で 出会う楽しみ 抱きつつ 」 花詩
07-8 (完)