森の谷間に落ちる!
今日は夏の暑い日差しを避けながら・・・
私は憩の丘から、初めての道なき道に入っていきました。
雑木林の藪の中を掻き分け、冒険心にワクワクしながらも、根が恐がり
なので、半分ビクビクしたりして入っていきました。
森の木蔭は涼しく気持ちいいこと・・・
やがて急斜面に出ました・・・
それが急に崖になり、いつしか身体を止めようも無く・・・
すぐに自分の体を自分でコントロールできなくなり・・・
ズル ズル ズル ズル ズルと滑り落ちていき、そのうち転げ落ちる
ようにして、下まで一気に落ちてしまいました。
あっという間で考える暇もなく、ただ本能的にどうやって身を守るか・・・
それだけで無我夢中で、必死に次々と木をつかみながらでした・・・
落ちた所が谷川の流れのある谷間でした・・・ ここはどこ?
しかし、これも考える間もなくすぐに・・・
藪蚊(ヤブカ)の大群 です・・・
こんな大群に襲われるのは始めてです・・・
ほうほうのていで逃げ出し、谷川の中をバシャ、バシャと必死で走り
ました。
やっと逃れられたと思ったら、先に大きなダムが見え、行き止まりです。
両側は山の急斜面でとても上れないし、引き返す事もできず・・・
やっと事体の深刻さに気づきました。
こんな所で動けなくなったら、救助の誰も探す事が出来そうにありま
せん・・・
山の中でケイタイはつながらず、外部と連絡も取れそうになく、
そうなると私はどうなる・・・?
一瞬、恐怖が沸き起こりました・・・
しかし、私は気が弱いくせにどん底となると開き直って、冷静になる方?
なので (勝手にそう思っているのですが・・)、いろいろ考えました。
まずその前に滑り落ちた時の泥だらけの身体を洗おう・・・ と、冷たい
谷川の水 で頭から足まできれいにしました・・・ 気持ちいい!
落ち着きを取り戻しながら・・・
前は10mぐらいの見上げるコンクリートダム、左右は急斜面の山肌、
後ろは蚊の大群・・・ 前にも後にも行けず・・・
しかし、幸いにもあの転がりに少しのかすりキズですんだ・・・
ラッキー!
それからリュックの中からポットを取り出し、冷たいコーヒーを飲み
ながら深呼吸をしていました・・・
すると!
よく見るとダムの左側に少し足がかりの岩や窪みがある・・・
あそこからなら上れるかもしれない? よし、挑戦してみよう!
それから悪戦苦闘しながらも、やっとダムの上に上がり、目の前の
箕面の街を眺めた時は涙が出ましたよ。
もう・・・ ほっ! として、しばし起き上がれませんでした。 (笑)
やがて方向を定め、雑木林の中を20分程歩き回り、いつもの見覚えの
ある山道に出たときにはもう足は ガク ガクでした。 (笑)
今 振り返ってみれば、どうって事も無い所だったのかも知れま
せんが・・・
もう年甲斐も無く、道なき道を無茶して歩く事を止めにしよう・・・ と、
心に誓いましたよ・・・
青春をやめたわけではありませんが・・・ (笑)
今はあのサムエル・ウルマンの詩にあるように・・・
「青春とは心の若さである・・・」 の、心の若さに磨きをかけたいと
思います。
いい体験でした・・・
03-8・11 (完)