箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

箕面の天然水・・・今も? 

2020-08-25 | *編集・春/3月

箕面の天然水・・・ 今も? 

 大阪府下最大の霊園、山上の 「北攝霊園」 は お彼岸が近い

せいか、いつになく墓参の人々が多く見受けられました。

今日はその横を通る東海自然歩道の山道から泉原方面へと向かい

した。

 10数メートルの杉の木が林立する急坂の谷間を抜け、岩場をとおり、

やっと谷川の流れを左に見るところにでてきました。

サラサラサラ~ と 耳心地のいい水の流れ音に誘われて、

この谷川の岩場で一休みにしました。

 水の流れに手を入れると、冷たい中にも何か春を感じさせる温かさ

です。

足元の枯草を払いのけて見ると、その下には ヨモギ、セリ、スギナ、

ナズナ、タンポポ・・・ など、春の息吹を感じさせるいろいろな野草の

新しい芽が萌えで始めています・・・

フキノトウがでていないかな?  と 近くを探しましたが見当り

ませんでした。

 そんな春の息吹を楽しんだ後、少し下ると舗装された行き止まりの

道にでます。

それまで山の中では人一人にも出会わなかったのに、急にこの

山脇に人が大勢いて、車が10数台整然と並んでいるのにはいつも

ビックリしてしまいます。

ここは有名な岩清水の流れ出る所だそうで、以前ここで私は何人かの

人々に聞いた事があります。

 それによるとここの水は名水でとても美味しく、常に業者の人が多く

採水に来ているそうです。

コーヒー店主という方は、味が全く違う・・・と、

料亭の主は料理が美味くなる・・・と、

花屋さんは花の持ちがぜんぜん違う・・・と言うし、

レストランの主はご飯がすごく美味しく焚ける・・・とか、

この水 毎日飲んでるから私きれいやろ・・・と、お好み焼き屋の

おばちゃんに無理やりうなずかされたり・・・ (笑)

 今日も順番を待ちながら、いつもの人が いつもの人たちとの会話を

楽しみながら過ごしている感じです。

私は遠くでその光景を眺めていましたが、やがて近くに下りて採水

現場を覗いて見てみると・・・

大きな ポリタンク(20L~100L入り)が沢山並んでいます・・・

3ケ所から流れ出る水を各々が効率よく入れています。

 一箇所では なんとか深層水・・・と ラベルが張られた2Lペットボトル

数十本並んで順に入れられていました・・・ まさかこのまま?

 どのバン車内もそんな容器につめられた水で満タン状態です。

ここは行政上、茨木市泉原地区ですが、すぐ東側の岩場や山並みは

箕面市ですから、ここはまさに 箕面の天然水 と 言えますね。

 しかし、ここに表示された 水質検査結果 の表示看板と・・・

「・・・阪神大地震以降・・・水質基準に適合しない・・・」  旨の 

注意看板の両方共に足蹴にされたのか ボコボコ になった無残な

光景がありました。

 かつての名水も地震による地殻変動で異変が起こったのでしょうか?

いずれにしても ” 飲料不可 ” の注意板ですが、それを横目に今も

毎日 業務用に採水している人々を眺めていると、なんともやりきれ

ない思いでいっぱいになりました。

 個人が個人の責任とリスクを自覚の上で、この水を楽しむのは自由

ですが・・・

美味しい水だからといって店からお客様への説明もなく、水質検査を

無視してまでこれを売り物にして提供するのは、モラルの問題だけ

ではすまないように思いますが・・・

如何でしょうか?

 昨年末の京都・清水寺管主の書 ” 偽 ” の文字が頭に浮かび

ました・・・

 帰り道でコバノミツバツツジの新芽が、膨らんできているのを

見ました。

あと少しで、うららかな春の訪れがやってきそうです・・・

 

08-3・13 (完)

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