中国は、GDP世界2位となり、世界の経済に影響を及ぼすまでになった。中国独自の技術を作る基礎力や、イノベーションを生み出す総合力はまだまだであるが、世界の製造工場の立場は確立されたと言ってよいだろう。
また、国際通貨基金(IMF)は11月30日の理事会で、加盟国にお金を融通するための準備通貨を構成する通貨に、来年10月から中国の人民元を加えることを正式に決めたとのことだ。これによりドル、ユーロ、ポンド、円と並ぶ「主要通貨」の仲間入りをすることになり、中国経済の存在感を見せ付けた。
中国は色々な面で自信をつけてきている。このためにも習近平国家主席は、自身を過大評価した13億人の民を上手にまとめていかなくてはならない。対外経済戦略「一帯一路」は、新シルクロード経済圏構想とも呼ばれているが、ヨーロッパにまで経済圏を広げようとの意図を感じられる。しかし、中国を取り巻く国際環境は次第に厳しくなっている。
今年8月、上海株式市場の暴落があったが、中国の指導者は、国全体が沈んだわけではないとし、素人の投資家は損をしたが、国家や機関投資家たちはあまり傷んでいない、と他人事である。また輸出減ショックも、内需拡大と新シルクロード経済圏への投資拡大、それにアフリカ進出で補うと、強気の姿勢を崩していない。
案の定、インドネシアの高速鉄道建設でも、日本の優勢をひっくり返し、中国が受注した。インドネシア政府に財政負担をかけない等、破格の条件で受注したとのことであるが、中国国内での過剰生産設備を持て余した結果とも言えそうだ。インドネシアは目先の利益に飛びついたが、将来後悔することになるような気がする。
先月16日閉幕した主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、世界経済の減速の震源地は中国であるとし、過剰生産設備の解消や構造改革等、中国に対する注文が相次いだとのことだ。来年の議長国となる中国は、構造改革を主要議題とする方針のようだ。しかし、中国が本格的に構造改革に取り組めば、景気は一時的にマイナスとなり、世界経済は一段と減速になる懸念が生ずるとのことだ。しかし、構造改革を避けては通れないであろう。
G20に引き続くアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議で、鉄道や発電所など途上国のインフラ開発制度を先進国が評価・助言するしくみを日本が提案し、合意する見通しになったらしい(その後どうなったかは不明)。インフラの受注競争では日本勢が価格で競り負けることが多くなったため、長期的な運用コストや安全対策もきちんと評価されるようにし、開発する側、開発を受ける側、両国が共に得となるようにする狙いがある。
以上のように、中国を取り巻く経済環境は厳しさを増している。更に、国内の経済格差も問題化している。習近平氏は、最近「脱貧困」に向け、地方のトップに実現を誓う書面に署名させたとのことだ。 貧困を解消し、庶民の暮らしを改善することは、社会主義の本質的な要求であるため、貧しい地域の産業育成や教育・医療の改善などに力を注ぐらしい。社会主義は資本主義に比べて、経済的な競争力は低い。これまでのように、猪突猛進型の高度経済発展は行き詰まったということであろう。(犬賀 大好-189)
また、国際通貨基金(IMF)は11月30日の理事会で、加盟国にお金を融通するための準備通貨を構成する通貨に、来年10月から中国の人民元を加えることを正式に決めたとのことだ。これによりドル、ユーロ、ポンド、円と並ぶ「主要通貨」の仲間入りをすることになり、中国経済の存在感を見せ付けた。
中国は色々な面で自信をつけてきている。このためにも習近平国家主席は、自身を過大評価した13億人の民を上手にまとめていかなくてはならない。対外経済戦略「一帯一路」は、新シルクロード経済圏構想とも呼ばれているが、ヨーロッパにまで経済圏を広げようとの意図を感じられる。しかし、中国を取り巻く国際環境は次第に厳しくなっている。
今年8月、上海株式市場の暴落があったが、中国の指導者は、国全体が沈んだわけではないとし、素人の投資家は損をしたが、国家や機関投資家たちはあまり傷んでいない、と他人事である。また輸出減ショックも、内需拡大と新シルクロード経済圏への投資拡大、それにアフリカ進出で補うと、強気の姿勢を崩していない。
案の定、インドネシアの高速鉄道建設でも、日本の優勢をひっくり返し、中国が受注した。インドネシア政府に財政負担をかけない等、破格の条件で受注したとのことであるが、中国国内での過剰生産設備を持て余した結果とも言えそうだ。インドネシアは目先の利益に飛びついたが、将来後悔することになるような気がする。
先月16日閉幕した主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、世界経済の減速の震源地は中国であるとし、過剰生産設備の解消や構造改革等、中国に対する注文が相次いだとのことだ。来年の議長国となる中国は、構造改革を主要議題とする方針のようだ。しかし、中国が本格的に構造改革に取り組めば、景気は一時的にマイナスとなり、世界経済は一段と減速になる懸念が生ずるとのことだ。しかし、構造改革を避けては通れないであろう。
G20に引き続くアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議で、鉄道や発電所など途上国のインフラ開発制度を先進国が評価・助言するしくみを日本が提案し、合意する見通しになったらしい(その後どうなったかは不明)。インフラの受注競争では日本勢が価格で競り負けることが多くなったため、長期的な運用コストや安全対策もきちんと評価されるようにし、開発する側、開発を受ける側、両国が共に得となるようにする狙いがある。
以上のように、中国を取り巻く経済環境は厳しさを増している。更に、国内の経済格差も問題化している。習近平氏は、最近「脱貧困」に向け、地方のトップに実現を誓う書面に署名させたとのことだ。 貧困を解消し、庶民の暮らしを改善することは、社会主義の本質的な要求であるため、貧しい地域の産業育成や教育・医療の改善などに力を注ぐらしい。社会主義は資本主義に比べて、経済的な競争力は低い。これまでのように、猪突猛進型の高度経済発展は行き詰まったということであろう。(犬賀 大好-189)