中国は、新型コロナウイルス感染に対し ”ゼロコロナ”政策を徹底強化し、ロックダウンや大規模なPCR無料検査などの措置を次々に打ち出している。こうしたやり方が功を奏し感染者数は最低限に留まっているとの政府発表であるが、この発表をどこまで信用してよいのか常に疑問が付きまとう。
中国のゼロコロナ政策の細部は不明であるが、感染者が発見されるとその地域全体に徹底した検査を短期間に、確か数日で何万人に実施する。日本では考えられない速さである。個人の都合を無視した検査の上、また感染者の徹底した隔離も行う。全体の利益のためには個人の都合を顧みない中国のやり方そのものだ。
現在猛威を振るオミクロン株はブレークスルー感染率が高く、それに相応しい対応が必要となる。中国ではこれまでも各種規制は厳しかったであろうが、オミクロン株に対し規制を一層強めなくてはならない。社会が我慢をどこまで維持できるか、他人事ながら心配になる。
ファイザー社等の欧米のワクチンに関しては、科学的に検証されたデータが数多く出されている。ワクチン接種後の副反応、その持続性や再感染率、重症化率等が次第にはっきりし ”ウイズコロナ”政策に活用される。中国製ワクチンに関するデータがあるのか無いのか霧の中であり、これでは “ゼロコロナ”戦略しか考えられない。
さて、2022年北京オリンピックは、2月4日から17日間、北京市および隣接する河北省張家口市を会場として開催される。当初中国の国民の間でも関心は高く、すでに100万人以上がボランティア登録をしているとの事であったが、コロナのため無観客で実施するとのことであり、東京五輪と同様になってしまった。
先日30日、日本選手団が北京入りしたとの報道があったが、コロナ対策の一つであるバブル方式は東京五輪と同じであるが、北京では異常な程厳しく実施されているようだ。東京では取材記者は公共交通機関を使うことができたが、それに比べると、北京での運用は格段に厳しい。
宿泊先のホテルは周囲をすっかり塀で囲まれ、数メートルおきに監視員が配備されているようだ。東京五輪の場合、監視員は民間人だったようだが恐らく中国では警官等の公務員であろう。バブルに一度入ったら、五輪終了まで出ることは許されないそうだ。
新型コロナウイルスの感染が広がっている欧州で、北京五輪の出場予定選手にも感染者が出ているそうだ。感染した選手が選手村に入ったり、また感染がバブルの外に漏れた場合、オミコロン株に不慣れな中国では大騒ぎになるだろうから、空港等での検査をより厳しくせざるを得ないだろう。
北京五輪はこの緊張感の中開催され大成功と宣伝されるであろうが、その後コロナの終息宣言はどのような形で成されるであろうか。感染者が一人でも見つかればその地域全体に一斉検査等がいつまでも続けれらるわけがないが。2022.02.02(犬賀 大好ー786)