日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

鉄道路線の赤字対策は限界集落対策と同じ

2022年08月17日 09時13分04秒 | 日々雑感
 赤字が続く地方鉄道のあり方を議論してきた国の検討会は、利用客の少ない区間などを対象に、バスなどへの転換も含め、赤字路線対策を進めるべきとする提言をまとめた。赤字路線には100円の収入を得るためにかかる費用が2万円以上掛かる区間もあるそうだ。このような赤字路線の維持はいくら公共交通と言っても、福祉の公平さに欠け、何らかの対策が必要なことは言うまでもない。

 赤字路線の原因は利用客が少ないことであり、沿線の人口が減っていることが根本原因である。現在日本は出生率が低く人口減少の時代であるが、それ以前に都市への集中と地方の過疎化が問題であった。テレビの人気番組 ”ポツンと一軒家”でも山の中の一軒家がよく登場するが、今現在ポツンと一軒家だが昔は集落だったとの話もよく出てくる。

 高齢化のため、手入れの行き届かなくなった貯水槽や水道施設の老朽化、水源の枯渇などで生活用水の確保が難しくなっているにも拘らず、どの自治体も財源に余裕がない為、水道管や道路、電気などのインフラに十分なお金を回すことができない。一度このような状況に陥ると、人が離れる為一掃人口減少に拍車がかかる。

 限界集落とは、人口比率の50%以上が65歳以上を占める集落のことを意味するとのことだ。これは、過疎化・高齢化の進行により、社会的共同生活の維持が困難になり、限界になりつつある集落という意味である。この定義から言えば、この水準を上回る限界集落が横浜市内の住宅地に急増していると言う。主な原因は、同時期に同世代がいっせいに住み始め、かつ次の世代が地域を離れてしまうからのようだ。しかし、大都市周辺の限界集落は大都市の通勤圏内であり、地方の限界集落とは区別するべきであり、対策は別のところにる。

 地方の限界集落における産業は、農林業や漁業など1次産業が多く、持続的で十分な収入を得ることが難しい。ポツンと一軒家に登場する山の中の一軒家は、昔林業で生計を立てていた家族もあるが、現在木材は輸入品に押され林業は成り立たなくなっている。日本の国土は7,8割が森林で覆われているのに、無策のままに放っておかれるのは嘆かわしいばかりだ。これも自由主義経済の結果であろうが、岸田首相の新しい資本主義に僅かに期待する。

 鉄道の赤字路線対策も限界集落対策も地方の活性化が抜本的解決策であり、観光地化や農作物のブランド化を目指し努力している地域も沢山ある。コロナカ禍でテレワークや在宅勤務が進み地方への移住者も増えているとのことだが、本物になるには紆余曲折があるだろう。

 地域の活性化が進み人が集まれば、人の交流や物流が必要となり交通機関も必要になる。地方の活性化は歴代の政権が提唱していたが大成功の話は余り聞けない。日本には森林資源が豊富である。この資源を生かす方法はないだろうか。2022.08.17(犬賀 大好ー838)