日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

高齢者の運転免許更新は年々厳しくなるが

2023年03月09日 09時08分33秒 | 日々雑感
 警視庁の統計によると、65歳上の免許保有者は年々増加しており、2021年中に発生した交通事故のうち、65歳以上の高齢者が加害者であったケースは約16%だそうだ。また、同じく同年に発生した、死亡事故の件数は75歳以上の高齢者ドライバーが75歳未満のドライバーの約2倍となっているのだそうだ。高齢者が運転する車の事故やそれで亡くなる人が年々増えており、高齢者が増える現状ではこの傾向はしばらく続くと思われる。

 高齢者事故の主たる原因は判断能力の低下と言われている。高齢者は加齢により,動体視力の低下や身体機能の変化により、ハンドルやブレーキ操作に遅れる等の特性が見られる。このため、70歳以上の方の運転免許の更新手続きでは更新手続きの前に、高齢者講習を受けていなければならないと決められている。そこでは判断力・記憶力を検査する認知機能検査と、一定の違反行為がある方は運転技能検査を受けなくてはならない。

 ただし、認知機能検査は合格不合格という判定をするものではなく、検査結果を受けて、記憶力や判断力の状況を確認するための簡易な手法で、試験結果によりさらに詳細な検査が必要等の判定が下される。

 また、令和2年改正道路交通法により、75歳以上で、一定の違反歴がある方については、運転技能検査に合格しなければ、運転免許証の更新を受けることができなくなった。しかしこれらの検査も万能ではなく、実際交通事故を起こした高齢者が、この認知症検査を合格しているとの話も耳にする。

 更に交通事故の原因として突発的意識喪失もある。高齢者の場合、失神になる原因は血管迷走神経反射による場合と、起立性低血圧による場合が多いとのことだ。74歳までの高齢者では血管迷走神経反射が多く、咳をしたり排便のあとによくみられ、長時間の立位・脱水・飲酒・塩分制限などを避けることが基本予防となるそうだ。よくある前兆症状としては、吐き気がする、あくびが出る、急に眠くなる、視野が少しずつぼやけていく、等があるそうだから気を付けなくてはならない。  

 高齢者の起立性低血圧は、急に立ち上がったり、起き上がった時に血圧が低下し、軽い意識障害、いわゆる立ちくらみをおこすことで、正常者でもありますが、症状が強く病的な場合に起立性低血圧と言うのだそうだ。 脳への血液循環が減少することによって起こり、めまいや吐き気がおこり、意識がなくなることもあるそうだ、運転中に起これば事故に直結する。突発的意識喪失は、認知機能検査や運転技能検査でもチェック出来ないため、本人の自覚や周囲の注意しか防ぎようがない。

 高齢ドライバーの免許更新時の実車試験制度において、6月末までに全国で受験した4982人のうち4255人が合格し、15%あまりが不合格だったそうだ。高齢者の自動車事故が多発する中、更新時の試験は益々厳しくなる方向にあるだろう。自動車を運転しなくてもよい環境が整えばそれに越したことはないが、財政難のおり当面は試験を厳しくするより手はなさそうだ。
2023.03.09(犬賀 大好ー895)