今年正月元旦、能登半島はM7.6の地震に見舞われた。能登半島北部には活断層が横切り、しかも地下には水が豊富で潤滑剤の役目を果たすため、地震が起こりやすい状況だったようであるが、単なる地面の揺れに止まらず、山崩れ、家屋倒壊、火災、津波、土地の隆起に沈下、土地の液状化とあらゆる災害を引き起こした。1か月経っても仮の避難所で寒さに耐えている人は数多くいるとの話だ。
地球は10数枚のプレートで覆われおり、この内日本の周辺では4つのプレートが押し合いをしており、このプレートの動きは常にある為、定期的に大地震が発生すると考えられている。地震はこのようなプレート同士の軋みが原因となるものの他に活断層があり、日本には分かっているだけでも大小とりまぜて2000位あると言われており、発生回数は活断層地震の方がはるかに多い。
プレートの押し合いによる地震は規模が大きく、東日本大地震がその例だ。今後予想される大地震は南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、と日本列島に沿っており、これらの地震には津波が伴うと想定されるので被害は甚大になる。世界1高い山、エベレストが海底から隆起したことを考えると、地球上にはこれまでに数多くの大地震が起こったと思われ、日本もこれから経験する可能性が高いと覚悟しておいた方が良いだろう。
活断層地震も地下の押し合いの結果生ずるであろうと考えられるので、プレートの押し合いと無関係とは思えない。しかし、地震研究の対象はプレートの押し合いの方にあり、もっと身近な活断層地震の方には手薄と思われるが、余りにも対象となる活断層の数が多いためであろう。
2011年の東日本大地震はプレートの歪に起因するようだが、1964年の新潟県の粟島南方沖を震源として発生した地震や、1995年の阪神・淡路大震災は都市部直下を走る活断層が、2016年に発生した熊本地震はやはり活断層帯が起因しており、身近な危険は活断層地震の方にあると思った方がよい。
東京への影響が懸念される首都直下地震は、今後30年以内に発生する確率が70%と高い数字で予想されており、更に富士山の噴火の可能性を指摘る識者もいる。また、今年2月5日の日中から各地で降り始めた雪は、6日夕までの24時間で東京都心で9cmだったようだが、各所で交通渋滞が発生し大騒ぎだったようだ。雪国の人から見れば、笑い話の積雪量であるが、これも人口の多さが原因している。
コロナ禍で東京都の人口流入は一時止まっていたが、再び増えだしたとのことだ。東京都も東京オリンピックの選手村の跡地のマンション群も眺望を売りにして集客を煽っている。何事も無ければ人口集中は経済の効率化に役立つであろうが、何かの災害を想定すると、東京は正に砂上の楼閣だ。政府も地方の活性化を叫んでいるが、人々は聞く耳を持たない。災害に対する東京の脆弱さが分かっていない為であろう。2024.02.10(犬賀 大好ー982)