日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

東京五輪の報道規制と五輪貴族

2021年08月07日 09時02分10秒 | 日々雑感
 横綱の白鵬が7月27日、東京・日本武道館で行われた東京五輪の柔道を観戦したとのことだ。男子73キロ級金メダリスト・大野将平らと一緒に撮影した写真などがSNSで拡散され、一気に広がったようだ。モンゴル出身の白鵬は同国五輪委員会のアンバサダーを務めており、同国の関係者パスで入場したとみられる。アンバサダーの位置づけが良く分からないが、大枠では五輪関係者と言うことになろうが、そもそも五輪関係者の位置づけが良く分からない。

 5月26日、新型コロナウイルス対策の一環として進めている来日関係者削減計画の詳細が発表されたが、約1.4万人の選手を除き、全体で約14.1万人から約5.9万人まで圧縮したとの内容だ。この5.9万人が五輪関係者となろうか。またIOCの関係者3千人、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)関係者1.5万人はそのまま維持されたとのことだが、これが通称五輪ファミリーすなわち五輪貴族なのだろう。

 大会関係者は大会運営に欠かせない人材であり、これ以上減らせないとの組織委員会の武藤事務局長のコメントがあったが、先の白鵬が運営に欠かせないとは理解できない。兎も角、裏にはIOCの存在がちらつく。事務局長と言えども、IOCの指示があれば逆らうことは出来ないのだろう。

 更に問題なのは五輪ファミリーの特権だ。IOC関係者と家族は入国後、14日間の待機が免除されるだけでなく、当日からコンビニや個室なら飲食店の利用も特例で認められているそうだ。IOCはプレイブックと称する参加者向けのルールをきめているが、IOC委員は適用が除外され、例え無観客開催になっても、競技場で生観戦できるそうだ。

 五輪会場内での酒の販売や提供を取りやめ、持ち込みも禁止された。組織委の橋本会長はVIPラウンジも例外ではないと言ったが、IOC幹部は特権意識が強い。IOCから指示されれば、組織委員会は従わざるを得ないのであろう。なんせ五輪の開催権をIOCが握っているのだから。

 女性蔑視発言で辞任に追い込まれた組織委の森前会長でさえ、”期間中は同じ人が毎晩パーティーばかりやっている”、と五輪貴族を批判していた。 IOC幹部は、VIPラウンジで酒を飲みながら五輪を見るのが何より楽しみという連中がほとんどなんだそうだ。

 さて、五輪開催時の五輪貴族の悪行がSNS上で暴かれると楽しみにしていたが、この種の話は全く聞こえてこない。日本の実情を見て自粛したのかそれとも報道規制が厳しいのか。先の白鵬の観戦の話題も、ネットで見ることが出来るが日刊紙やテレビではほとんど話題となっていない。どうもIOCの指示による報道規制が厳しいと判断される。

 選手村のコロナ感染者も毎日のように増えているようだが、組織委員会の発表は感染者数のみで国や競技種目を公表していない。これで組織委員会が発表を始めた7月1日から26日までの感染者の累計は148人となった。武藤事務局長は、想定内の数字だと言っているようだ。自らも選手村のバブル方式は完璧と言っていたが、弁解のしようが無くそう言わざるを得ないのだろう。IOCの決めたプレイブックは穴だらけのことは前から分かっていたが、IOCに従わざるを得ない組織委員会も気の毒とも言えなくもない。2021.08.07(犬賀 大好ー735)

1年前を振り返って(新型コロナウイルスの特異な性質、2020年8月)

2021年08月06日 10時24分58秒 | 日々雑感
ちょうど1年前、新型コロナウイルスの弱毒化により、早晩収束するかもしれないとの期待を記したが、現在逆に急拡大している。東京五輪では金メダルラッシュで新記録を樹立したとマスコミは大騒ぎであるが、コロナウイルスの世界でも新記録を立てたと大騒ぎであろう。2021.08.06(犬賀 大好)

日本の今後の財政が心配で五輪どころではない

2021年08月04日 10時17分45秒 | 日々雑感
 現在、東京五輪とコロナ感染拡大の話題で持ちっきりだが、その裏には莫大な赤字が控えており、今後多大な税金が投入されるであろう。東京五輪では無観客開催となったため入場料の収入が無くなり、コロナ対策では一人10万円支給等の緊急経済対策で、昨年度コロナウイルス対策で約100兆円の借入を増やす等、いくら金があっても足りない状態が続いている。

 しかし、これらの赤字問題は、国と地方を併せると約1200兆円に達する借金問題や異次元金融緩和で生じた問題に比べれば微々たる財政問題だ。

 借金1200兆円は国家予算で税収の不足分を補うために毎年赤字発行する国債が主であり、その改善のためには税収の増額や支出の切り詰めが必要となる。その努力の一つが基礎的財政収支(PB)黒字化であり、毎年増え続ける国債発行を抑える努力であるが、借金の減額までは考慮されていない。

 財政健全化への取り組みを巡って麻生財務相は、”新型コロナがあろうとなかろうと、経済成長と財政再建の両立はしっかり進めていく”、との考えを強調しているが、財務相就任以来改善されたとの話は聞いていない。また、PB黒字化の実現時期について、名目3%超の高い経済成長を想定する等本気度が伺えず、政府目標である2025年度黒字化の達成はほとんど不可能な状況だ。

 1200兆円の赤字は何十年にもわたる自然災害であるのに対し、異次元金融緩和の弊害は短期間での人災的な感じがする。異次元金融緩和とは、金融機関の保有する国債を日本銀行が購入し、資金を大量に市場に供給し、経済を活性化させ、物価を2%上昇させると言うこれまでにない政策である。

 安倍前首相の意を受け、日銀が黒田総裁のもとで2年で達成すると宣言していたインフレ目標は、ついに第2次安倍政権の7年8カ月の間、1度も実現することは出来なかった。

 更に日本銀行は今年4月の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期を削除した。これまで6度も達成期限を先延ばしにしており、今回達成期限を削除して、黒田総裁の任期以内、すなわち今後2年内にも実現できそうもないことを明らかにした。

 結局、アベノミクスや異次元緩和の理論的支柱だったリフレ政策は、10年かけても実現できない欠陥政策であることが判明したが、リフレ派の経済学者はどんな言い訳をするのであろうか。

 このまま異次元緩和が出口に向かい本来の金融政策に戻れば一見問題なさそうであるが、日銀が買い上げた膨大な国債、また日銀のみならず年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が購入した株式のリスク等の爆弾が、いつまでもおとなしく眠っているようには思えない。

 年金生活者にとって異次元金融政策のお陰で物価上昇が起こらなかったと思えればよいが、その副作用がいつか大きく戻ってくる方が心配だ。五輪気分で浮かれてる場合ではない。2021.08.04(犬賀 大好ー734)

1年前を振り返って(新型コロナウイルス対策の方向転換が必要、2020年7月)

2021年08月02日 15時03分19秒 | 日々雑感
1年前、コロナ感染者の早期発見の必要性を訴えたが、現在PCR検査数が飛躍的に増えてはいない。先日日本のコロナ感染者は1万人を突破し、新記録を打ち立てたが、この感染者の数には民間のPCR検査で陽性と判断された人の数は入っていない筈だ。1万人のカウントは、保健所を介してのPCR検査の結果だ。民間のPCR検査は精度が悪くて信用ならんが、その言い訳であろう。早期発見のためには、幅広くPCR検査をする必要があるが、その動きは無い。2021.08.02(犬賀 大好)