日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

国際世論を意識した冬季北京五輪

2022年02月09日 08時59分48秒 | 日々雑感
 4日、冬季北京五輪が始まった。これまでの常識での開会式は国家の威信をかけた華やかさがある筈であったが、今回の開会式では聖火台の縮小など簡素化されており、持続可能な開発目標(SDGs)を意識していたようだ。

 2008年に行われた夏の北京五輪開催式の華やかさを期待していた人は物足りなかったであろう。これは一例であり随所に国際世論を意識した演出が見られた。聖火リレーの最終ランナーをウイグル族の女性選手らが務める場面もあった。これは西欧などの国が、新疆ウイグル自治区などでの人権問題を理由に政府関係者を派遣しない外交的ボイコットを行う中での反論だった。

 また、開会式には20か国余りの首脳などが出席し、翌日行われた歓迎のレセプションで、国際社会はもっと団結すべきだと習国家主席が訴えたそうだが、レセプションに参加した国は元々中国式のやり方を真似ている国であるので、大いに賛同されたことだろう。自国に都合の良いように解釈するのはお手の物であり、中国式のやり方だ。

 中国の元副首相に性的関係を強要されたとする同国の女子テニスの彭帥選手が聖火ランナーとして登場するとの噂があったが噂に留まった。無理やりにでも出席させることも出来たであろうが、素直に解釈しない西欧のマスコミの反発を恐れたのであろう。

 北京冬季五輪で新型コロナウイルスの他に懸念されるのが大気汚染の問題だ。この季節、中国の大都会はスモッグで霞むことで有名であり、中国政府も排出ガス規制や工場移転など対策に本腰を入れてきた。また、煙を発生する木材等を燃料とすることを禁止する一方、電力はすべて自然エネルギーで作られていると誇る。この寒い季節暖房がすべて電力で賄われているか極めて疑問である。

 また、コロナ対策で自宅待機に違反した人の家の扉を溶接したり、材木を燃やす竈の入り口をコンクリートで固める等の強権的な対策がなされているようだが、共産党一党の強権を発動しないと取り締まることの出来ない人民のしたたかさも伺われる。

 中国の経済的な発展ばかりがよくマスコミに登場するが、経済的な格差も大きいようだ。コロナ騒動以前中国人観光客の日本での爆買いと、同時に日本に押し寄せる技能実習生の多さに驚くと共に中国での経済格差の大きさを感じていた。

 習主席も格差是正を図るべく ”共同富裕”のスルーガンを掲げた。日本や米国でも格差是正のために富裕層に対する増税を目論んでいるようだが、経済発展と両立させる実施は抵抗が強いようだ。この点国家統制経済の下では税制の改革は容易なように思われるが、経済発展を抑制してまで出来るであろうか。2022.02.09(犬賀 大好ー788)



冬季五輪北京の開催と2020年札幌招致の動き

2022年02月05日 10時11分45秒 | 日々雑感
 冬季五輪北京大会の開会式が昨晩(2月4日)行われた。コロナ感染対策のため規模を縮小して実施されたとのことであり、日本から入場行進に出席したのは選手13人、コーチら18人の計31人だけだったそうだ。

 昨年夏の東京五輪は、もう1年実施が遅ければコロナが終焉し、人類がコロナウイルスに打ち勝った証として胸を張って実施出来る筈と残念がっていたが、コロナウイルスは意外にしぶとく、今もって猛威を振るっている。

 習近平国家主席の開会宣言は簡単であったが、2021年初め、国民に向け「確かな自信で、発奮に意義あり、精緻を求め、困難に打ち勝ち、新たな発展の理念を真剣に貫徹し、グリーンな大会を目指し、皆で楽しみを分かち、開放し、清廉に全ての準備工程をやり抜き、それぞれの課題に全力で取り組み、非凡で華やかな卓越したオリンピックの祭典を世界に届けられるよう努力せよ」と語っていたそうだ。

 オリンピックの開催意義はスポーツを通じて世界平和の実現であるが、習氏のこの言葉からは、世界平和の実現より国のために尽くせとの個人を鼓舞する感が強い。中国での開催目的は国家発揚の場であることが明らかであり、コロナ対策に向けた簡素化と国家発揚の場のバランスに気を使ったことであろう。

 次の2026年開催はイタリアのミラノである。開催には莫大な費用がかかるため地域住民の賛同が得られず開催候補地が年々少なくなっているとの事だが、2030年の開催に向けて札幌が手を挙げている。

 さて、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長らと日本側が今後の開催地選定の日程などについて昨年12月に水面下で協議していたようだ。関係者によると、IOCによ候補地の一本化の時期は現時点で今年夏から冬ごろと見込まれているそうだ。札幌は開催実績や運営能力への評価が高く本命視されており、今年中に開催が内定する可能性もあるとのことだ。

 この言葉は、2020東京五輪が決定する前に聞かされていた言葉とそっくりだ。共通するのは財政基盤がしっかりしているからだそうだ。残る問題は、住民の開催意欲だけで、札幌市は、北京五輪が追い風になると期待し、住民アンケートを3月にも実施する予定のようだが半数以上の賛同が得られるとは思えない。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長がこのほど、産経新聞のインタビューに応じ、札幌市が目指す2030年冬季五輪招致について「成熟した札幌市をみせるチャンス」と実現への意欲を語ったが、アンケートの結果には興味が無いとのことであった。兎も角、住民の賛成があろうとなかろうと招致に成功すれば、都市としてのインフラ整備に莫大な金が投資できるからなのだ。世界の候補地が少なくなっている現状、IOCも大歓迎であろう。2022.02.05(犬賀 大好ー787)


中国の”ゼロコロナ”対策と冬季北京オリンピックの開催

2022年02月02日 09時05分53秒 | 日々雑感
 中国は、新型コロナウイルス感染に対し ”ゼロコロナ”政策を徹底強化し、ロックダウンや大規模なPCR無料検査などの措置を次々に打ち出している。こうしたやり方が功を奏し感染者数は最低限に留まっているとの政府発表であるが、この発表をどこまで信用してよいのか常に疑問が付きまとう。

 中国のゼロコロナ政策の細部は不明であるが、感染者が発見されるとその地域全体に徹底した検査を短期間に、確か数日で何万人に実施する。日本では考えられない速さである。個人の都合を無視した検査の上、また感染者の徹底した隔離も行う。全体の利益のためには個人の都合を顧みない中国のやり方そのものだ。 

 現在猛威を振るオミクロン株はブレークスルー感染率が高く、それに相応しい対応が必要となる。中国ではこれまでも各種規制は厳しかったであろうが、オミクロン株に対し規制を一層強めなくてはならない。社会が我慢をどこまで維持できるか、他人事ながら心配になる。

 ファイザー社等の欧米のワクチンに関しては、科学的に検証されたデータが数多く出されている。ワクチン接種後の副反応、その持続性や再感染率、重症化率等が次第にはっきりし ”ウイズコロナ”政策に活用される。中国製ワクチンに関するデータがあるのか無いのか霧の中であり、これでは “ゼロコロナ”戦略しか考えられない。

 さて、2022年北京オリンピックは、2月4日から17日間、北京市および隣接する河北省張家口市を会場として開催される。当初中国の国民の間でも関心は高く、すでに100万人以上がボランティア登録をしているとの事であったが、コロナのため無観客で実施するとのことであり、東京五輪と同様になってしまった。

 先日30日、日本選手団が北京入りしたとの報道があったが、コロナ対策の一つであるバブル方式は東京五輪と同じであるが、北京では異常な程厳しく実施されているようだ。東京では取材記者は公共交通機関を使うことができたが、それに比べると、北京での運用は格段に厳しい。

 宿泊先のホテルは周囲をすっかり塀で囲まれ、数メートルおきに監視員が配備されているようだ。東京五輪の場合、監視員は民間人だったようだが恐らく中国では警官等の公務員であろう。バブルに一度入ったら、五輪終了まで出ることは許されないそうだ。

 新型コロナウイルスの感染が広がっている欧州で、北京五輪の出場予定選手にも感染者が出ているそうだ。感染した選手が選手村に入ったり、また感染がバブルの外に漏れた場合、オミコロン株に不慣れな中国では大騒ぎになるだろうから、空港等での検査をより厳しくせざるを得ないだろう。

 北京五輪はこの緊張感の中開催され大成功と宣伝されるであろうが、その後コロナの終息宣言はどのような形で成されるであろうか。感染者が一人でも見つかればその地域全体に一斉検査等がいつまでも続けれらるわけがないが。2022.02.02(犬賀 大好ー786)