日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地震大国日本の首都は災害には脆弱そのもの

2024年02月10日 14時34分39秒 | 日々雑感
 今年正月元旦、能登半島はM7.6の地震に見舞われた。能登半島北部には活断層が横切り、しかも地下には水が豊富で潤滑剤の役目を果たすため、地震が起こりやすい状況だったようであるが、単なる地面の揺れに止まらず、山崩れ、家屋倒壊、火災、津波、土地の隆起に沈下、土地の液状化とあらゆる災害を引き起こした。1か月経っても仮の避難所で寒さに耐えている人は数多くいるとの話だ。

 地球は10数枚のプレートで覆われおり、この内日本の周辺では4つのプレートが押し合いをしており、このプレートの動きは常にある為、定期的に大地震が発生すると考えられている。地震はこのようなプレート同士の軋みが原因となるものの他に活断層があり、日本には分かっているだけでも大小とりまぜて2000位あると言われており、発生回数は活断層地震の方がはるかに多い。

 プレートの押し合いによる地震は規模が大きく、東日本大地震がその例だ。今後予想される大地震は南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、と日本列島に沿っており、これらの地震には津波が伴うと想定されるので被害は甚大になる。世界1高い山、エベレストが海底から隆起したことを考えると、地球上にはこれまでに数多くの大地震が起こったと思われ、日本もこれから経験する可能性が高いと覚悟しておいた方が良いだろう。

 活断層地震も地下の押し合いの結果生ずるであろうと考えられるので、プレートの押し合いと無関係とは思えない。しかし、地震研究の対象はプレートの押し合いの方にあり、もっと身近な活断層地震の方には手薄と思われるが、余りにも対象となる活断層の数が多いためであろう。

 2011年の東日本大地震はプレートの歪に起因するようだが、1964年の新潟県の粟島南方沖を震源として発生した地震や、1995年の阪神・淡路大震災は都市部直下を走る活断層が、2016年に発生した熊本地震はやはり活断層帯が起因しており、身近な危険は活断層地震の方にあると思った方がよい。

 東京への影響が懸念される首都直下地震は、今後30年以内に発生する確率が70%と高い数字で予想されており、更に富士山の噴火の可能性を指摘る識者もいる。また、今年2月5日の日中から各地で降り始めた雪は、6日夕までの24時間で東京都心で9cmだったようだが、各所で交通渋滞が発生し大騒ぎだったようだ。雪国の人から見れば、笑い話の積雪量であるが、これも人口の多さが原因している。

 コロナ禍で東京都の人口流入は一時止まっていたが、再び増えだしたとのことだ。東京都も東京オリンピックの選手村の跡地のマンション群も眺望を売りにして集客を煽っている。何事も無ければ人口集中は経済の効率化に役立つであろうが、何かの災害を想定すると、東京は正に砂上の楼閣だ。政府も地方の活性化を叫んでいるが、人々は聞く耳を持たない。災害に対する東京の脆弱さが分かっていない為であろう。2024.02.10(犬賀 大好ー982)

政治刷新本部設置は一時しのぎの風よけの為

2024年02月07日 09時47分45秒 | 日々雑感
 自民党の政治資金に関わる裏金問題で政治刷新本部を創設し、最高顧問に菅前首相と麻生副総裁を就任させたことから岸田首相の本気度が疑われ、岸田政権の浮上どころか一層の沈下を招くだけになろう、と今年1月14日のブログで述べた。

 最近の動きをみると一層この感が強くなってきた。2月2日の報道によれば、自民党は派閥による政治資金問題を受け、政治刷新本部に3つの作業部会を設ける方針だそうだ。そこで政治資金規正法等の議論をするのだそうだが、岸田首相は皆の議論の結果を待つつもりのようであり、自らの具体的な方向性を示していない。皆の総意だと言うつもりであろうが、これまで政治資金法をないがしろにしてきた連中の議論の結果からまともな案が出て来る筈が無い。

 また、派閥については本来の「政策集団」に生まれ変わるため、カネと人事から完全に決別すると説明し、具体的な方策として・政治資金パーティーの開催を禁止し、・冬と夏に派閥を通じて議員に活動費を配るいわゆる「もち代」と「氷代」を廃止するとともに、・活動を党本部で行うなど支出を抑える工夫をする等の具体案が議論されているようだ。しかし、政治資金パーティの開催を禁止したところで、個人の政治資金収集法までは云々しておらず、抜け穴をちゃんと用意していることは今までと何ら変わらない。

 金が絡む事件にリクルート事件や佐川急便事件があり、その反省から全派閥をいったん解消したが、政策・親睦グループとしての存続が認められたため、結局復活し、今日に至っている。政策を議論し、中身を深めていく本来の政策集団は必要であることは認めざるを得ない。しかしその集団も、政策を実現するために党の総裁や強いては国の首相を決める活動と切っても切れない関係にあり、本来の政策集団もカネと人事とは無関係ではおられないのだ。

 岸田首相は、派閥が諸悪の根源であるかのように、派閥解消を叫んでいるが、裏金問題とは根本的に異なる。裏金を無くすためにはすべて公にすることであるが、この為には1円から収支をはっきりさせることである。

 裏金は政治活動に必要だと言う識者もいる。外国との秘密を扱う場合裏金が必要となることは薄々分かる。しかし、国内の件で裏金を使うとは昔ながらの政治活動を引きずっているに過ぎない。話し合いの中身まで明らかにせよと言う訳ではない。誰とでも正々堂々と話し合えばよいだけだ。政治活動費は1円から明確にするのであれば、「もち代」や「氷代」も正々堂々と使えばよい。それが良いか悪いか選挙民が判断することだ。

 政治刷新本部の正体がはっきりしてきた。岸田首相の一応努力しましたのアリバイ作りの一環であり、世間の風邪から身を守る一時的な風よけに過ぎない。今からでも遅くはない、政治刷新本部の責任者に石破元幹事長を招き、リクルート事件や佐川急便事件の後始末が中途半端に終わった結果を検証することから始めてもらえば起死回生となろう。2024.01.07(犬賀 大好ー981)

中国経済の破綻は日本を巻き込む

2024年02月04日 10時00分46秒 | 日々雑感
 中国政府は先週、2023年の国内総生産(GDP)の成長率は名目4.6%、実質5.2%で、実質5%の政府目標を達成したと発表した。片や日本のGDPは実質で1.7%程度、名目で1.8%程度の成長になると見込まれることからすると、GDP5%程度の伸びが本当であればうらやましい限りである。

 しかし、中国のGDP統計は常にデータが改竄されている疑惑が消えない。これは各地方の党幹部が党中央の掲げる成長率目標に合わせようとして数値を操作する為と言われているからである。識者によればGDPに大きく影響する不動産、輸出入、家計消費に関連するデータから判断するとGDP前年比は名目で約3%のマイナスになっておかしくないそうだ。

 さて、先日の新聞記事に、中国の地方で公務員らの給与削減や未払いが生じている、との話があった。中国では土地のほとんどが国有地で、管理する地方政府が不動産会社などに土地の使用権を売ることで利益を得るが、不動産不況による土地収入の減少等で財政が逼迫しているからだそうだ。不動産不況を上回る好景気な産業など聞いた事が無い。

 中国では2021年秋から始まった不動産不況が深刻化し、中国不動産開発大手、恒大集団など大手企業が相次いで経営危機に陥っているそうだ。不動産関連産業はGDPの3分の1を生み出しており、その不況は中国経済全体を揺るがしているようだ。

 香港の高等法院は1月29日、恒大集団の清算を命じた。清算は企業の資産を差し押さえて売却する手続きであり、得られた金は未払い債務の返済に充てられる。しかし、恒大集団の財産はほとんどが中国本土にあり、清算の命令が実行されるかは中国政府次第であり、しかも不動産不況は恒大集団だけではないため、その影響は計りしえない。

 中国政府は不動産不況を支える為、日本円で20兆円余りの新規の国債を発行して、インフラ投資に充てるなど、景気を下支えする対策を打ち出している。2023年10~12月期、中国の債務残高は国内総生産(GDP)対比で286.1%に上昇した。中国専門家の間では、実際の債務残高はそれよりも多い、との見方もあるようだ。

 我が国の借金である国債の発行残高は約1000兆円、地方政府の借金である地方債の発行残高は約200兆円、国と地方を合わせるとその総額は約1200兆円に達する。2022年の世界の政府総債務残高対GDP比に関する国際比較統計・ランキングでは、1位はレバノンの283.20%、2位は日本の260.08%、3位はスーダンの186.25%となっており、ここには中国は登場していないが、2023年の統計には第1位で登場しそうである。

 さて、膨大な人口を抱える中国は日本と同様に少子高齢化問題が顕在化しつつある上、上記のように中国経済は不安定であり、経済破綻が懸念される。しかし、習近平政権は国内に不安要因が増せば、国民の目を外に向けさせようと外交問題を顕在化させるだろう。例えば台湾問題だ。また日本と中国経済の結びつきは既に無くてはならない程大きい。中国の経済破綻は外交問題だけではなく、経済にも大きな影響を与える。2024.02.04(犬賀 大好ー980)