畑のつぶやき

畑や田んぼの作物の生育や農作業の報告
農家の暮らしの日記
田畑を取り巻く自然の移ろいの描写
食、農への思い

新居

2011-05-12 19:07:01 | 猫、犬

5月12日   いちじ 

肌寒い雨の一日。休日と決め込み、集落や、寺の会計の件で、農協に行ったりの、雑務。寺の会計では、今までの流れを確認しておく。今後の為に、記録簿や、名簿の整理に手を付ける。ほぼ一日、机に向かう。

車は、10分も走らないで、止まった。ここが、私のこれから暮らす家なのかと、バスケットごしに見つめる。確かに、猫の臭いがする。犬の臭いも、病院で覚えた。もう一つ、何の臭いだろう。初めての経験だ。後でわかったのだが、ニワトリを飼っている家だった。叔母さんは、バスケットを抱えて、家の中へと連れて行ってくれた。勝手口を入ると、広い居間兼台所の板の間の部屋だった。「さあ、しばらくここにいるんだよ」。居間の南側のサッシ戸の前に下ろして、扉を開けてくれた。だけど、初めての所だし、不安で、出てなどいけないよ。バスケットの隅に、小さくなっていた。いろいろと、声をかけ、キャットフードをお皿に入れてくれたりはしたが、そんな急に、なついたりできないよ。

叔母さんが、用足しに、外に出て行ったので、恐る恐る板の間に出てみる。ここには猫の臭いはしない。猫も犬も外で飼われているのか。じゃあ、私も、以前の床下暮らしのように、外暮らしになるのかと思った。でも、ご飯だけは食べれるし、飢えることはないのだから、などと思いながら、居間の探検。ドアの音に、あわててバスケットに。そんなことを何度か繰り返したけど、それにも疲れたし、居間と、叔母さんに慣れてきた。ストーブの前の座布団に座って、ウトウトしている、夕方。大きく勝手口が開いて、背の高い人が入ってきた。初めての人は、警戒しなければ、母の教えを守って、バスケットの隅に逃げ込んだ。ぬうっと入った手が、私をわしづかみにして、顔の前に持って行き、「お前が新入りか」。これが叔父さんとの、最初の出会い。恐かった。

私も、ここで暮らすと決まった以上、なんとか、気に入られなければ、と、猫なで声を出す。猫を被るわけではないが、身体をすりよせ、媚を売る。そんな、生き方のイロハは、、母親に教わっている。一二日もすると、二人ともすっかり仲良くなれた。居間にも慣れて、走り回れるほどになった。そんな私を見て、叔父さんは、下半身が大きく、猫らしくない。ハクビシンのようだ。顔は、アライグマ、アニメのラスカルみたいだ。などと、好きなことを言っている。私だって、思春期前の、レディーなのに。

何が、レディーだ。トイレもちゃんと覚えられないガキッチョが。といわれた。バスケットの中に用意された、トイレが気に入らなくて、何度か、居間の隅や、新聞紙の上で、おしっこをしちゃったから。

 

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出会い

2011-05-10 20:09:15 | 猫、犬

5月10日(火)   いちじ    のち  

花畑  畝マルチ、3畝。ゴボウ用に、砂地の強い所に畝を立てる。

秀畑  ジャガイモ追肥。消石灰を散布。雨が降るので、雨肥として、カルシウム(Ca)の追肥。

話を続けます。

昼過ぎ、見たこともない叔母さん(お祖母さん?)がやってきました。先生や、奥さんとは、旧知の用で、親しそうに話し合っていました。その話によると、私のこれからの、猫生は、この叔母さんの所で、生きてゆくことになるらしい。移動用のバスケットに入れられ、慣れるまで、これを使って、と、奥さんが言い、叔母さんは、しばらく借りておくね、といっていた。そこで、三人の話を聞いていると、私の、猫生は、このように決まったらしい。

大家さんは、猫は大好きだが、自分で飼うことはできないらしい。せいぜい、母のノラに、毎日の餌をやるだけで、精いっぱいだという。生まれたばかりの、私をかわいがってくれたが、独り立ちできるようになったら、これ以上一緒にいると、情が移り離れられなくなると、先生の所に連れてきた。猫好きの里親を、探してほしいと。そして、後ろ髪を引かれる思いで、帰って行ったのだという。

一方、私を引き取り、一緒に暮らしてくれる、新しい里親は、先生に、猫の子供を、探してほしいと、頼んでいたのだそうだ。その家には、猫もいるし、犬もいるのだそうだ。犬は3匹、猫は2匹もいるそうだ。それでいて、どうして、また新しい猫を探しているのだろう。話によると、今まで、多い時は、20数匹の猫を飼っていたという。しかし、今では、病気などで、長く生きれない猫が、多くなり、新しい「血」を入れたいのだそうだ。それで、私が選ばれることになった。

少しばかりの、不安はあったが、どんなところだろうと、期待に胸を膨らませて、バスケットのまま、車中の猫となった。

 

 

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生い立ち

2011-05-09 20:46:07 | 猫、犬

5月9日(月)  

暖かい晴れ。初夏の天気。畑作業をしていると汗ばむ。シャツ一枚になって過ごす。

花畑での、畝立、マルチ張り。5畝作る。

わたし、ソラ。生い立ちを、覚えている限り、話します。

生まれは、東条。番地までは判らないけど、気持ちの良い、床下で生まれた。母親は、ノラ。父親は知らない。兄弟は、いたかもしれないが、気がついたときは、一匹だった。けれど、私は、幸運の星の下に生まれた。母は、ノラだが、床上に住む大家さんが、親切な人だった。大家さんは、母に充分な食事をふるまってくれていたそうだ。母は、何の心配もなく、私を身ごもり、産んでくれた。だから、私もひもじさを、覚えることなく、母の母乳をたっぷり飲んで、順調に育った。離乳食も、大家さんは、用意してくれた。私は、幸せだった。これからずっと、やさしい大家さんに守られながら、母と暮らせると、思っていた。

しかし、私が、完全に、乳離れし始めたある日、大家さんは、私を抱いて、車で、出かけた。どこに連れて行ってくれるのだろう、と、初めてのドライブに、楽しみながらも、ちょっと不安だった。到着したのは、犬、猫病院。私は、寄生虫や、ノミやダニの検査をされ、そのまま、入院させられた。健康チェックの後、退院時には、また、大家さんが迎えに来てくれるだろうと、思っていた。

病院の生活も、快適だった。先生も、その奥さんも、とても優しく、親切だった。食事も、毎日が、御馳走だった。キャットフードメーカーとかから、宣伝用に送られてくるという、キャットフードのサンプルが、日替わりのように、食卓に上った。私は、大家さんのことも、母のことも、そんなに思い出すこともなくなった。一週間ほどたったある日、奥さんが、食事を出してくれながら、「行き先が、決まったよ」と、声を掛けてくれた。「今日、御迎えに来るからね」

 

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ソラ

2011-05-08 20:18:47 | 猫、犬

5月8日(日)  いちじ 

晴れて暑いほどの天気になる。残った田んぼに除草剤を散布し、後は畑仕事。

宮畑に、ナス、ピーマン等を植える予定の畝立、マルチ張り。クン炭、鶏ふん等を散布してから、マルチを張るが、今日も南からの風が強い。散布する鶏ふんなどを、吹き飛ばす。肥料等が、粒状化する訳だ。機械散布でなくとも、粉状のものは、このような風だと、作業できず大変苦労する。どうにか、4畝張り終える。明日は、花畑に移り、ズッキーニなどの植付の準備だ。

新しい仲間の「ソラ」です。3月9日に仲間入り。11日の出来事で、すっかり紹介が遅れてしまった。

今日は、名前と、写真だけの紹介です。

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