5月31日(水)
田んぼの記憶はまだある。虫取り。田植え前、田植え時か少し後ぐらいだろうか。ニカメイチュウという稲の害虫の捕殺。1㎝~2㎝くらいの薄茶の蛾だった。農協か役場からかの奨励があり、子供たちは競って捕まえ、大人たちに届けていたように記憶する。誘蛾灯もあった。畳ほどの大きさの油のような液を張った枠の上に青い光の電灯をつけ、夜に虫を誘っていた。害虫だけでなく、カブトムシやクワガタも誘われ、子供たちを喜ばせた。田んぼでは、ドジョウ取もやった。田んぼの水口にざるや網を据えて、泥の中のドジョウを追い捕まえた。
稲の育つ田んぼは、そのまま、子供たちの遊びばでもあった。
農薬の共同散布も始まった。農薬散布の水田には、赤旗がたち、数日間は立ち入り禁止の公示があった。毒性の強いパラチオンだった。子供たちの虫取りや、夜の風景の誘蛾灯は、農薬の散布にとってかわられていった。
昔も暑い夏は終わり、秋になる。