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ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

夜間飛行

2022-09-05 10:33:29 | 詩誌霧笛137号(2021)以降
陽が落ちて小さな星たちが輝きはじめる時刻に西の空から軽量金属の滑らかな翼を持った飛行体が滑空する下界の灯りが鈍く機体に反映し滑らかに滑っていくひとり心細く寄る辺なく暗闇の中を滑る心震え右に左に傾きながらようやく墜落せずにある高度を保ってこの世は仮の世陽光なく温もりなく冷え切った夜空の鳥が一羽彼方の恒星を目指して甲高い鳴き声を残して駆け上がる突如反転しキリリと墜落しネリリと命を落とすその代わりに名も . . . 本文を読む

霧笛139号掲載詩

2022-04-29 10:37:29 | 詩誌霧笛137号(2021)以降
天空の虹彩 - 湾現実に幻日というものがあるというならきっと虹もこの世に存在するに違いないそして虹は天空に薄ぼんやりと色彩を映し見上げる者の瞳の中で光彩を放ついつか西の空に沈みか...goo blog 道化が笑う・道化が泣く2022 - 湾お天気雨雲の隙間から明るい日差しぱらぱらと落ちる雨粒道化が笑うひとびとの面前で精一杯バカなことを言うおどけ廻るわざと虚仮るひとびとは道化に踊らされ笑わ . . . 本文を読む

霧笛138号掲載詩

2021-12-11 20:10:17 | 詩誌霧笛137号(2021)以降
男として - 湾人間の男として女を愛する女がかつてこう語った「わたしたちは墜ちたままそれしかほかに知らない仕方でむさぼりあったシイツの草叢で祖先たちの墓の上で」(新川和江「地上の愛より」第三連)今男として女を愛することを語り直すおれたちは天上に昇ったり地獄に堕ちたりを繰り返しながらむさぼりあった正しいことと誤ちと多様な方法を試みて愛し合ったシイツを皺寄せながらフランスの歴史を辿りながらロシアの大地 . . . 本文を読む