ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

精神看護 2020.7 斎藤環氏による読書会『開かれた対話と未来』その2 医学書院

2020-08-23 09:51:35 | エッセイ オープンダイアローグ
 精神科看護分野の専門誌『精神看護』7月号は、齋藤環氏のオープンダイアローグについての読書会の報告第2回が掲載されている。取り上げた書物は、齋藤氏監訳、ヤーコ・セイックラとトム・アーンキル著『開かれた対話と未来』(医学書院)である。(第1回の掲載された5月号についても、このブログで紹介している。) それとは別に、今号の特集は「新型コロナでどうなりましたか?」であり、時宜を得た大切なテーマである。  . . . 本文を読む

雨 月刊ココア共和国 9月号電子版掲載詩

2020-08-21 17:55:28 | 月刊ココア共和国 投稿詩
一瞬冷たい西風が吹いて柔らかな女神が降臨する無数の女神が行列をなして天空から斜め下に滑り落ちるそれぞれの地上の女神を見つけて黒い髪を濡らす赤い唇を濡らす青いドレスを濡らす青いドレスを濡らして沁みとおった肩を濡らす大理石の白い肌を濡らす陸前リアス式海岸の大理石の岸辺の波の雫と見分けのつかない雨の雫があの場所を濡らす暖かい雨が入り江の最奥部のあの場所を濡らす沁みとおってあからさまな視線を受け止めてあの . . . 本文を読む

佐々木中氏による小沢健二氏の誤読?

2020-08-14 15:56:50 | エッセイ
 佐々木中氏は、思想家、作家で、評論、小説とも何冊か読ませてもらい、このブログでも紹介している。京都精華大学人文学部准教授でもある。私にとっては、読むべき著作家のひとり。ツイッターもなさっていて、明確なもの言いで、なかなか好ましいと思っている。1973年8月2日生まれの47歳、東大文学部卒から博士課程修了なさっている。 以前に、私は、「定本 夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル」(河出文庫) . . . 本文を読む

もうひとつの世界(2020・8月版)

2020-08-14 12:06:11 | 2015年4月以降の詩
もうひとつの世界があるこの世界は見えないもうひとつの世界があるこの世界は冷たい暖かな温もり肉体の実在あなたがいるからここは暖かい屋外は冷たいこの世界はないこの世界は冷たく意味がないもうひとつの世界がある豊かな意味を育んでもうひとつの世界がある あなたがストーブに火を灯し灯油が燃えるからこの部屋は暖かい想像しても部屋は暖まらない想像するだけでは部屋は暖まらないあなたが誰かが火を灯さなければ . . . 本文を読む

サルトル作 海老坂武・澤田直訳 自由への道 5、6 岩波文庫

2020-08-13 22:23:47 | エッセイ
 第4分冊は、去年2019年7月に、このブログにアップしているから、ほぼ1年かかったことになる。少しづつ読み進めたわけではなく、しばらく間を置いてから第5、第6と手に取ったということである。第1~4分冊と、一冊ごとに感想を記してきたが、第5分冊を読み終えた時点で、最後の第6分冊まで読んでから書くことにした。 読み終えて、さて、新たに何を書くべきかと思い悩み、第4分冊のところで、「自由の刑に処せられ . . . 本文を読む

霧笛134号 〈編集後記〉 付 東京の吉田妙子さんのお頼り(抜粋)

2020-08-08 08:54:29 | 霧笛編集後記
◆これまでも折に触れて霧笛への感想をいただいている東京の吉田妙子さんから、久しぶりのお便り。抜粋を掲載させていただく。こういう小さな同人誌も、読んで、かつ、何ごとか書き送ってもらえる方がいるとは有難いことである。詩として読むべき内容があるのだとすれば、世の片隅で継続することの意義もあるかと思う。◆栗駒の佐々木洋一さんの依頼で『詩人会議』の七月号震災特集に気仙沼の写真が必要とのことで、在住の写真家か . . . 本文を読む

現在を楽しむこと 霧笛第134号から

2020-08-07 22:04:18 | 2015年4月以降の詩
社会学者見田宗介は「現代社会はどこに向かうかー高原の見晴らしを切り開くこと」(岩波新書)において、新しい世界を創造するための3つの公準を示す「…新しい世界を創造する時のわれわれの実質的な公準は、次の三つであるように思われる。 第一にpositive(ポジティヴ)。肯定的であるということ。 第二にdiverse(ダイヴァース)。多様であること。 第三にconsummatory(コンサマ . . . 本文を読む