矢原隆行氏は、1968年生まれ、九州大学から大学院博士課程で、社会学を学んだらしい。現在は、熊本大学のHPによると、同大学院人文社会科学研究部の教授で、専攻は臨床社会学ということである。【臨床の知とリフレクティング】 臨床社会学とは何かについて、詳しいことは置くとして、中村雄二郎の臨床の知、河合隼雄の臨床心理学、鷲田清一の臨床哲学と、私が慣れ親しむ知の系譜に連なるものであることに間違いはないだろ . . . 本文を読む
この書物は、『治療文化論』と題され、副題は「精神医学的再構築の試み」である。 もともとは、『岩波講座 精神の科学』第8巻所収の「概説―文化精神医学と治療文化論」(1983年)が初出とのことで、再構築と言えば、リ=コンストラクションとかリ=ストラクションとか、ああ、そうそう、ほんとうは「脱=構築」(デ=コンストラクション)と言いたかったのではないだろうか。当時のニューアカブームに乗っかって、と言う . . . 本文を読む