ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

essei 風間杜夫のひとり芝居「カラオケマン」

2012-09-29 22:12:28 | 嫌いだ嫌いだ
 9月27日(木)、気仙沼市民会館での、風間杜夫のひとり芝居「カラオケマン」について、ひとこと、勝手なことを言わせてもらえば、風邪で声が出ないという状況は、返す返すも残念だった。もんたよしのりをもっとひどくしたような声。本当に力を入れて努力して発声し、立っているみたいな。見ているだけで、こちらも疲れてしまうような。こんな体調でも、舞台は務めなくてはならないという役者稼業の宿命というか。  まずは、 . . . 本文を読む

アイスクリームは

2012-09-26 00:26:43 | 嫌いだ嫌いだ
宮沢賢治の時代に アイスクリームは 天上の菓子だったに違いない 食べることはおろか 滅多に目にすることもできない ぼくらには ありふれた菓子 コンビニの冷凍ケースに あふれる駄菓子 いやときおり 極上のデザートでもありうるが 賢治の時代には 科学は 明るい 希望に満ちた未来の夢 天国のような暮らしをもたらす魔法の杖 ぼくらには 限界の明らかな道具 汚れを吸い取りきれない掃除機 でも 頼らざ . . . 本文を読む

エッセイ 菅啓次郎氏、柴田元幸氏らの朗読劇「銀河鉄道の夜」のこと

2012-09-24 01:01:36 | エッセイ
古川日出男、菅啓次郎、小島ケイタニーラブ、柴田元幸というラインナップの朗読劇「銀河鉄道の夜」を見てきた。23日(日)南三陸町ベイサイドアリーナ。 翻訳家柴田元幸氏はもちろん知っていた(村上春樹との対話その他)が、菅啓次郎氏は、昨年8月に出た「ろうそくの炎がささやく言葉」(勁草書房)の編者として記憶していた。 冒頭の谷川俊太郎の詩「ろうそくがともされた」に付された谷川のコメントによれば、この本 . . . 本文を読む

幸せとは

2012-09-18 23:46:31 | 嫌いだ嫌いだ
しあわせ 幸せ 仕合わせ する に 合わせる をくつけて し合わせ だから 幸せって めぐり合わせ みたいなこと 仕合わせがいい とか 仕合わせが悪い とか 言うらしい 人間 なすべきことをして そのしたことの成り行きが良い ということが幸せ なるほど そういえば しごと 仕事 も する に こと をくっつけて しごと 人間 することがあるって 幸せなこと だ 参照 川島秀一「津 . . . 本文を読む

カモシカが降りていく

2012-09-18 00:47:11 | 嫌いだ嫌いだ
カモシカが通る 夜 庭を通って降りていく 鼻を鳴らす音がする 夜 帰宅するときに 出くわすこともある ふさふさした毛の 不均一な灰色の しばらくにらみ合う ここは山地が近い 海も近いが山も近い カモシカが降りていく 今夜は 星が大きい 少し赤っぽく 大気層でゆらめく 熱の冷めない大気層で 星がゆらめく 多少は涼しい風が出ている 涼しい風が多少吹いている なま暖かいというわけではな . . . 本文を読む

それはいいことなんだけどね

2012-09-09 23:34:47 | 嫌いだ嫌いだ
都会では 若者が増えている 田舎では 老人が増えている 都会のニュータウンも 老人が増えている いま 六十歳で いかにも老人 という風体のひとは少ない 六十五歳になれば 老人ふうにも見えてくる人もちらほら だろうか 六十一歳でスポーツカーのオーナー というひとは もちろん大人ではあり中高年ではあるけれども 高齢者とか 老人とかには 決して見えない 高齢ドライバーでは全然ない 二十代三十代の . . . 本文を読む

カーブ

2012-09-08 23:37:32 | 嫌いだ嫌いだ
道が曲がる それていくわけではない 進むべき道がまっすぐではない ということだ カーブを描いて ほぼ90度に曲がっていく 曲がった先が行き止まり ではない 曲がった先が海 でもない 曲がった先が砂漠 というわけでもない そのまま道が続いている 舗装されたスムーズな路面が 続いている 舗装されたばかりなので いささかの段差もない 水たまりもない 穴ぼこなど ひとつもない しかし それはまっ . . . 本文を読む

夜のあたたかさ

2012-09-05 23:29:07 | 嫌いだ嫌いだ
夜のあたたかさ 親密な暗闇 生まれる前の 全てが満ち足りた 欠けるもののない 目をつぶって 体に触れる感覚のみで 汗ばむことのない 適度な乾きぐあいと湿り気 いや 夏が終わらないと なかなか 適度な とは 言いにくいな . . . 本文を読む

ぼくは待っている

2012-09-03 23:35:32 | 嫌いだ嫌いだ
夜明けを いや 夕刻を 動き出すことを いや ゆっくりと休むことを ひとがやってくることを いや ひとが帰っていくことを ひとが帰ってくることを いや ひとが立ち去っていくことを ぼくはひとり いや ぼくたちは一緒 ぼくは待っている 明るくなることを 暗くなることを 新しい空気を 親密なぬくもりを ぼくは待っている . . . 本文を読む