特集名を省略なしで言えば「琵琶湖病院で始まっているオープンダイアローグを取り入れた日常診療」、昨年の11月号、バックナンバーである。 琵琶湖病院の院長補佐で精神科医の村上純一氏を中心とした取り組みの紹介である。 まずは、第1節、村上氏による「琵琶湖病院がオープンダイアローグに開かれるまで」の報告。「かつて私は、精神医療には「強制的な処遇」「隔離」「長期入院」が不可欠だと認識していました。当事者の . . . 本文を読む
副題は、自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く。 著者は、1957年生まれ。特別支援教育士スーパーバイザーで、臨床発達心理士。弘前大学教育学部教授を退職されているとのこと。北海道大学で教育学の博士を取得されている。 「おわりに」から引いていく。「「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないようねえ)」妻のこの一言で始まった研究は思わぬ展開を示すこととなりました。」(246ページ) この . . . 本文を読む
シリーズケアをひらくの1冊。2007年に第一刷を刊行、2018年で10刷を数える。中井久夫氏は1934年生まれ。 この本は「二〇〇五年六月~〇六年十月まで、兵庫県の有馬病院でおこなわれた「医師・看護師合同研修会」での講義内容をまとめたもの」とのこと。中井氏が70歳を超えて、神戸大学医学部教授を退いたあと、長い精神科医としての経験をもとに行った講話の記録である。【希望を処方する】「なによりも大切な . . . 本文を読む
こないだあたり、若干、ネットを賑わせた白井聡氏である。思想史家、政治学者、京都精華大学講師とのこと。 このところ、ベルリンの壁崩壊、引き続くソヴィエト連邦の崩壊以降は、マルクス主義の評判は地に落ちたままであると言っていい。世は、主流派経済学の春である。自由主義、民主主義の価値観を共有する世界となった、みたいな話である。しかし、現今の世の中が、貧富の格差の増大があり、人並みの生活を維持するための激 . . . 本文を読む