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ところで、今日、お隣岩手県の大船渡市で谷川俊太郎を観てきました。絵本の読み聞かせグループの主催で、詩の朗読というより絵本の紹介とか中心でした。良かった。
谷川俊太郎は、日本の現代詩から、現在の日本の大衆に開いた唯一の窓、と言うべきでしょう。 . . . 本文を読む
これも、まだ20世紀に書いたもの。気仙沼演劇塾うを座立ち上げて、第1回目の旗揚げ公演の前に、地元紙に掲載いただいたもの。 演劇はドラマであるが、現実世界も負けず劣らずドラマである。 人間のさまざまな思いが、ぶつかったり、すれ違ったり、出会ったり、調和したりする。 ところが、ミュージカルを創造する過程は、フィクショナルなドラマと、ノンフィクショナルなドラマが、複雑微妙に重なりあって、えも言われぬ波紋 . . . 本文を読む
これも、ずいぶん前、世紀の変わり目前後に書いて、地元新聞に載せてもらったエッセイ。 ワインのことを語る資格は全くないし、西洋料理のことを語る資格も同様にない。 もっとも、日本料理や中華料理のことだって、語る資格があるわけでない。 しかし、池袋や新宿のデパートの上の階のレストラン街で、1500円とか、2000円で、それなりのイタリア料理やスペイン料理が食べられてしまう時代だ、というくらいのことは言っ . . . 本文を読む
ずいぶん前、20世紀中に書いて、地元の新聞に載せたもの。エル・ヌメロ・ケセンヌマ ー気仙沼、顕数3ー 7月30日の気仙沼にどんな風が吹いていたか、今となっては定かな記憶がない。 ついに梅雨が明けずじまいの夏とも呼べない夏で、地中海風の乾いた風が吹きわたっていたということだけはないはずだ。 人にあふれたホールで、握り寿司をほおばりながら、サルダーナの踊りを見た。 「ここには軽快さがある。ひねくれた . . . 本文を読む
橋本治の「小林秀雄の恵み」(新潮社)という本は、小林秀雄の「本居宣長」を読んで書いた本で、本居宣長は、言うまでもなく、古事記を読んで「古事記伝」を書いたひとだ。橋本治の「小林秀雄の恵み」を読んで、私が、何ごとか書こうとするというのは、また、いささか、ややこしい話になる。 古事記は、稗田阿礼が口述したものを、太安万侶が筆記したものだということまでは、ここでは、問題にするに及ばない。 ただ、続けて、吉 . . . 本文を読む
今になって、クロード・レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」、「野生の思考」を読んだ。 山口昌男、栗本真一郎、中沢新一などを読んでいると、レヴィ=ストロースは既に結構読んでいたような気になってしまっていた。大学時代、文化人類学も、若干かすめたところもあり。 実際のところ、「人種と歴史」一冊のみだった。 で、問題はサルトルである。 一応、卒論は、サルトルで、人文書院の翻訳を読んで、でっち上げた、というと . . . 本文を読む
気仙沼の人間としては、「食」について、書くべきことは山ほどあるが、それは、さて置き。 マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の、高名なマドレーヌの場面。 「…私は、無意識に、お茶に浸してやわらかくなったひと切れのマドレーヌごと、ひと匙の紅茶をすくって口に持っていった。ところが、…私は、自分の内部で異常なことが進行しつつあるのに気づいて、びくっとしたのである。素晴ら . . . 本文を読む
これも、前に霧笛に載せたエッセイ 「海は広いな大きいな」とか、三好達治の測量船冒頭の「春の岬旅の終りの鴎どり浮きつつ遠くなりにけるかも」とか、ランボーの「永遠…それは太陽と一緒に行ってしまった海」とか、昨年理論社から詩集「ぼくは地球の船長だ」が出版された気仙沼大島出身の児童文学者水上不二の「海の少年」だとか、海についての詩は、それこそ山のようにある。 先日、久しぶりに岩井崎に行った。 . . . 本文を読む
一昨年、霧笛に載せたエッセイ。だから、冒頭の四月は、08年の四月。 四月から、仙台市の泉中央にアパート住まいである。もちろん、住所は、そして自宅も気仙沼市本町のままだが、転勤により、ウィークデイはここにいる。勤務先の仙台市北隣、富谷町・ガーデンシティなる新興郊外住宅地、結構おしゃれなニュータウンから車で帰ると、地下鉄のターミナル付近まで数分歩いて買い物に出る。 イトーヨーカ堂か、その隣のセルバとい . . . 本文を読む
私が死ねば世界は終わる
世界には
六十億の世界があって
みんなそれぞれ微妙に違う
六十億の世界は
一人が死ねば一つづつ終わる
毎日
たくさんの違う世界が終末を迎えている
結末は無
何も無くなる
世界は無くなる
だからどうした?
どうでもいい
どうなっても構わない
すべての希望は叶わない
いくつかの希望は叶う
私が死ねば希望は終わる
終わって 終わり
何かが残っても
私には残らない
私には意 . . . 本文を読む