辻井 伸行さん
米国の第13回バン・クライスバーン国際ピアノコンクールで、
優勝して、の喜ばしいニュースでした。
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生まれつきの全盲にて、生後8ヶ月の頃、
「英雄ポロネーズ」のCDを聴いて、足をばたつかせて、
喜ぶ姿に、母親が、芸術的な感性を感じとった。
その才を、いちはやく見抜いたのは、親の愛だ。
点字楽譜を使わず、まず、曲の全体を耳で把握し記憶する。
その後、知人のピアニストに、左右のパートを弾き分けてもらい、
それぞれの録音を聴いて覚えていく。
短い曲なら2、3日、協奏曲なら2、3週間で、体の中にしみこむという。
ご両親は、「生まれてよかったと、思ってくれようか」、と悩んだ。
「もし目が見えたら、何が見たいか」、と問われると、
「両親の顔を見たい」、と答えつつも、
「今は、心の目で見ているので、満足しています」、と笑みを浮かべた。
「いいお嫁さんを見つけて、安心させたい」と述べ、会場を沸かせた。
「夢はモーツアルトやショパンのように、みんなに広く愛され、
弾き継がれる曲を書くことです」、と辻井さん。
3、4時間泳ぎまくるのが、最高の気分転換という。
今後立ち向かうのは、
「ハンディではなく、偉大な作曲家たちです」。
*** 朝日新聞・各記事より抜粋にて ***
クリップアートより