このワインを仕入れる直前のこと、BSニュースで「欧州のガラス製造所が燃料費の高騰に根をあげて、休業が相次いでいる」といった内容で報道していました。今後、ボトル不足に陥る可能性も無きにしも非ず!?そんなタイミングでこちらのバックワインを実際に目にして、これは今後のトレンドになると思いました。燃料費が高値のまま推移すれば間違いなくそうなると思います。 それはそうと、このワインは環境対策だけでなく味も中身も素晴らしい。価格的にも手頃だし、なにより健康的な葡萄で造ったナチュラルワインなので、飲み手の財布と身体にとーっても優しいのです。一石二鳥どころか三鳥も四鳥にも増えます(笑)。
大勢で飲むときには最適と思っていましたが、
ご紹介のバックワインそんなにいけるのですか?
話すと長くなりますが...
実はオーガニック栽培といっても、使える農薬とか化学肥料もあり、酸化防止剤の使用量に対しては規制すらありません。
オーガニックにも「酸化防止剤を使わないものもあるよっ!」ってよく言われますが、その場合、ワインを高温で殺菌したり、フィルターを通して酵母等・微生物を濾過します。当然、一緒にワインの旨味も除去されるのでスカスカなワインになってしまいますけど。
結果、巷には大量生産の薄い味わいのオーガニックワインが存在するという訳。
対してナチュラルワインは農薬もケミカルなものも一切使わず、酸化防止剤ゼロもしくは必要最小限に留めています。フィルタリングもしないので、旨みが豊かです。無濾過ワインなので中には濁りワインもありますが、「ピュアな美味しさ」が魅力です。酸化防止剤ゼロでも再発酵せず、酸化にも耐えられるワイン造りが、苦労の積み重ねで最近ようやく可能になりました。しかし大量生産はできません。しかも冷蔵流通・保管しなければならないので、コストかかります。
この取り扱いが面倒だしリスキーとされていて、それがあまり広がらない理由です。
ボルドーとかブルゴーニュみたいな高級ワインとは対照的で、ナチュラルワインは高級な樽とか、長い熟成期間を使わずスピーディに仕上げます。味はボジョレーヌーヴォーみたいなものです。
ライトアルコール飲料に慣れ親しんだ若者にはとても好評で、サステナブルとか環境保護、健康志向派には今や無くてはならないワインになりました。
反対に、私たち昭和の世代、強いアルコールを好み、脂のしたたる肉を喰らいつつ、フルボディの赤ワインをしこたま好んで飲んだ者には物足りなさもあるようです。