土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

明日香尾曽の毘沙門さん、威徳院を訪ねました。

2010年07月12日 | 奈良の古寺巡り
変なゲリラ豪雨もしばしの休憩でしょうか、わずかに薄陽が洩れる土曜日明日香
へ、自称大和の隠れ寺?威徳院と西国三十三所第七番札所岡寺を訪ねました。

[ 威徳院 ]
県道155号線が明日香と多武峰間がジョイントされ、結構車の量も多く道路もよく
整備されています。石舞台からしばらく走ると、はじめての大きなカーブにかか
る手前に隠れ寺?の案内にしては派手で新しい道しるべが立っています。見逃す
ことは先ずありません。南への細い山道が威徳院への道です。


道の両側はご覧のような鬱蒼とした樹林が続き、終点少し手前にお寺の石標が立
っています。道は鋪装はされていますがなにしろ細い、対向車が来たら場所によ
ったらアウトです。ほぼ1km、道の終点が尾曽の集落。10軒ほどのお宅が在るそ
うです。威徳院はその山側に在ります。


きれいな山門。真新しい山門と石標が訪問者を迎えてくれます。
真言宗豊山派 藤花山 威徳院 本尊毘沙門天。尾曽の毘沙門さんとして人気の
高いお寺だそうです。
そんなお寺、隠れ寺っていいます?
寺伝によると飛鳥の頃、百済の日羅上人が感得した毘沙門天を祀っていると伝承
されています。境内はこじんまりとした広さで、小さいお堂や石仏の覆屋が点在、
まるでお寺のジオラマの中に入ったような感じ。


本堂と偏額。
大きくはありませんが風格はうかがえるお堂です。正面左に弘法大師像、右に仏
足石が置かれています。
ご住職に本堂拝観をお願いしましたが、ご本尊毘沙門天が秘仏なので入堂は出来
ませんでした。




鐘楼堂。袴腰の立派な鐘楼です。


珍しい樽堂が三つ在ります。(どういう名称か説明がありません、勝手に呼んで
みました。)
大きな樽を利用して中に仏像が祀られています。お醤油か、お味噌か、お酒か分
かりませんが樽です。


樽堂の一つに弘法大師が祀られています。


魚濫観音石立像。
なぜ山中のお寺に魚濫観音なのか。山中だからこそなのかよく分かりません。鯛
でしょうか、その背に乗っています。魚売りの美女が観音様であったという中国
説話にもとづくものといいますが。


不動明王石像。


大黒天石像。


弁天堂。きっと弁天様をお祀りしているのでしょう。


四国八十八か所霊場お砂ふみ道場。
境内の裏手高台に設けられています。四国八十八か寺のご本尊の石像が祀られ、
像前に霊場砂が納められた蓮華石板、石板を踏みながらミニ霊場巡りが出来、弘
法大師空海さんが見守ってくれています。




この威徳院はかなり高い位置に在るので見晴し抜群。後方は明日香村から橿原市
街。畝傍山がかすかに望めます。
どなたでしたかHPでこの集落のことを「天空の村」と呼んでいました。この地よ
り高所からの写真で非常に印象的なものです。まるで明日香のマチュピチュ。地
図を見てみましたがどこからかサッパリ判りません。是非探し当てたいと思って
います。

つづく。