土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

プレお彼岸詣り、四天王寺を訪ねました。

2010年08月05日 | 大阪の古寺巡り
(2010.8.4 訪問)
仕事関係で阿倍野へよく行きますので、その帰り四天王寺へ寄りました。本家の
お墓がこのお寺にあるので、お盆にはチト早いと思ったのですが、お参りかたが
た訪ねました。それにしてもなんという狂暑、お墓でひっくり返ったら絵になら
ないので心経だけで早々に冷房の利いた休憩所に避難。熱中症適齢期の皆さま、
どうぞご自愛くださいませ。

[ 四天王寺 ]
山号荒陵山 寺名四天王寺 和宗総本山。本尊 救世観音菩薩半跏像。 
言わずと知れた聖徳太子建立のお寺。我が国初の官寺です。1400年前から連綿と
続く時代の荒波は容赦なくこのお寺を襲い、創建時の堂宇はすでに無く、江戸初
期以降の新しい姿になっています。中心伽藍は昭和38年、様式、結構共に元の位
置に再興されたものです。世に言う四天王寺式伽藍配置の遺構です。

西門。
四天王寺正門ではないのですが、お参りの第一歩はここから。その昔、この間際
まで波が寄せていたと云います。西を望めば夕陽がまるで極楽浄土の如しと古文
献は伝えています。少し北に行くば夕陽丘という地名も残っています。


極楽門。
もともと西の大門と呼ばれていたそうです。両脇に転法輪が4基、ブッダの教え
を表す法で皆さん一生懸命回されています。当然ボクも。この門は松下幸之助さ
んの寄贈だそうです。


手水舎。


中心伽藍 中門(仁王門)。
南北に並ぶ堂宇を回廊が囲む四天王寺式伽藍配置の第壱。
右に那羅延金剛力士阿形、左に密迹金剛力士吽形が控えています。昭和の大仏師
松久朋琳、宗琳両師の造像。阿形は朱、吽形は緑、像高5.3m、東大寺の両像に次
ぐ大きさです。








中心伽藍 五重塔。
南北に並ぶ堂宇を回廊が囲む四天王寺式伽藍配置の第弐。
本尊 釈迦三尊、といっても壁画です。一層内壁画は中心壁面に南面釈迦三尊像、
北面弥勒三尊像、東面薬師三尊像、西面阿弥陀三尊像が描かれています。
塔高39.5m 鉄筋コンクリート造。


回廊外からの五重塔。


聖霊院からの五重塔。右は金堂。


中心伽藍 金堂。
南北に並ぶ堂宇を回廊が囲む四天王寺式伽藍配置の第参。
本尊 救世観音菩薩半跏像。像型は全く違いますが、お顔は法隆寺夢殿の救世観
音菩薩立像に何となく似ています。金ぴかです。伽藍は鉄筋コンクリート造。


中心伽藍 講堂。
南北に並ぶ堂宇を回廊が囲む四天王寺式伽藍配置の第四。
講堂内陣中央から東を冬堂、西を夏堂と呼ぶそうです。夏堂、本尊 阿弥陀如来
坐像。冬堂、本尊 十一面観音菩薩立像。阿弥陀如来坐像は松久朋琳、宗琳両師
の造像。像高6m。伽藍は鉄筋コンクリート造。


鯨鐘楼(南鐘堂)。
鐘楼からの響きは、極楽浄土に通じると云われているそうです。ボクには中華レ
ストランにしか見えませんでした。


聖霊院(太子堂)
聖徳太子を祀るお堂。前殿と奥殿(経堂)。




聖霊院 猫の門。聖霊院の正門、扉に菊の御紋が本当は輝いているんですヨ。


六時礼讃堂。
本尊 薬師如来。周囲に四天王を配しています。四天王寺の中心道場。お堂前面
亀の池に架かる石橋上に石舞台、年一回聖霊会舞楽大法要の時の舞楽舞台です。


亀の池。
もともとは蓮池だそうです。亀さんに熱中症は無いんでしょうか?




本坊庭園、極楽浄土の庭。
四季を彩る季節の花々や樹々の色づきは、今はなし、グリーン一色の世界、少々
荒れ気味ですが、瀧の響きと可愛い親子連れに会いました。


釈迦の瀧。


薬師の瀧と瑠璃光の池。


カルガモの親子。


水の中のチビはちっともじっとしてません。


八角亭
1903年大阪内国勧業博覧会パビリオンの唯一の遺構だそうです。小さい建物です。


広大な境内は創建時から変わらない広さだそうです。数多く堂宇がありますが、
この日は中心伽藍とあと少々の堂宇と極楽浄土の庭だけを巡ることにしました。
もうすぐお彼岸詣りの人々で一杯になる境内ですが、多くの方々がその準備のた
め働いておられました。一日ご無事で。合掌。