土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

大原の悲話、建礼門院ゆかりの寂光院を初めて訪ねました。

2010年08月11日 | 京都の古寺巡り
(2010.8.7 訪問)
比叡山からもと来た道を白川通りまで戻り、国道367号線を北へ大原の里へ向かい
ます。3時過ぎでしたが相変わらずクルマは繋がっています。大原の里へやって参
りました。寂光院は今まで一度も訪ねたことはなかったので、是非訪ねようとこ
こで女房と何年かぶりに意見が一致。

[ 寂光院 ]
山号 清香山、寺号 玉泉寺、寂光院は玉泉寺の子院。天台宗の尼寺。
本尊 六万体地蔵菩薩立像。
推古2(594)年に、聖徳太子が御父用明天皇の菩提を弔うために建立されたと伝え
られている尼寺。また平家物語で後白河法皇の大原行幸で法皇と対面する建礼門
院のお話で、当時の名残りのお庭や心字の池、千年姫小松などが残る閑かで優し
いお寺です。

●参道。


●山門。




●本堂。
平成12年、放火により全焼。平成17年6月2日再建。
本尊は六万体地蔵菩薩立像。旧本尊は炭化に近い損傷を受け現在収蔵庫に。
復元本尊は美術院国宝修理所で制作、平成十七年に完成。ヒノキ材の寄木造。




●四方正面の池。
本堂北側の庭園と池、秋の紅葉はさぞや。


池の広さに比べて、やたら大きい鯉がウジャウジャ。


●書院。


●諸行無常の鐘楼。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 
           沙羅双樹の花の色 勢者必衰の理を顕わす
読んでないので知りません。しかしいい響きです。きっとこの鐘も憂いを含んで…。


●汀の池(心字の池)
池向こうに千年姫小松。建礼門院の生き様を静かに眺めていた樹齢千年の名木も
平成十六年に枯れ死。


●建礼門院の大原西陵。五輪塔の仏教式御陵です。


[ 三千院 ]
大原をたずねて三千院に寄らねばと失礼だろうと、拝観時間のこり僅かでしたが
御殿門へ。
三千院は妙法院、青蓮院、曼殊院、毘沙門堂とともに天台宗五箇室門跡寺院のひ
とつです。

●御殿門。
三千院はさすがに人気、まだ拝観の方は入って行きます。


●客殿。
聚碧園を見渡す緑の変化はたいそう美しゅうございます。


●往生極楽院。
なんと云ってもこのお堂のスターは、本尊阿弥陀三尊。舟形光背の阿弥陀如来は
貫禄十分。脇侍の観音菩薩、勢至菩薩の両菩薩は大和坐りという珍しい坐り方で、
まさにこれから立上って衆生を導く慈悲の姿を顕わしていると云います。
この日は、見るからに暑苦しいじゃなかった、よく肥えた若いお坊さんがお堂と
本尊のガイドをし、笑いを取っていました。なかなかのガイドぶりでしたヨ。


●聚碧園から見る往生極楽院。


●聚碧園。


ちょっと慌て拝観で結局境内上の方は回れませんでした。もったいない!

みなさま、よいお盆休みをお過ごし下さい。

熱中症に気をつけて下さいネ。
渋滞に巻き込まれないようにして下さいネ。
無駄遣いしないで下さいネ。
山で滑って転落しないで下さいネ。
海で溺れないようにして下さいネ。

以上の防止策 → 家から一歩も出ない、エアコンの利いた部屋でボーっとする。


比叡山延暦寺から大原の里へ。

2010年08月11日 | 滋賀の古寺巡り
(2010.8.7 訪問)
盆前なのでクルマも人もいくらかはましだろう…とボクが申しました。山だから
暑さもいくらかはましだろう…とウチの女房が申しました。全然ましではありま
せんでした。
考えることがいつもながら本高砂屋のきんつばよりアマイ二人が自分を責めなが
ら(ウソにきまってます)、気合いで山中越比叡山を目指しました。

[ 比叡山延暦寺 ]
いわずと知れた伝教大師最澄さん開山の大寺院。比叡山全山が寺域で東塔(とう
どう)エリア、西塔(さいとう)エリア、横川(よかわ)エリアと大きく三エリ
アからなる天台宗の総本山。最近では千日回峰行を2度満行した行者、酒井雄哉大
阿闍梨が有名ですね。よくよく考えると人間業ではないですネ。

東塔(とうどう)エリア
●根本中堂。
本尊薬師如来(秘仏)。
延暦寺の総本堂です。内陣には開創1200年以来消えることのない「不滅の法灯」
が灯り続けています。このお堂は内陣がボク達がいる中陣よりも3m低く掘り下げ
られているので本尊(秘仏)をはじめ仏像や法灯が参拝者の目の位置に来るのでま
さに仏と一体と云えそうです。これを「仏凡一如」云うそうです。


「不滅の法灯」がこの中に




●大講堂。
平安仏教の祖師、法然、親鸞、日蓮、道元、栄西さんたちの尊像が祀られていま
す。祖師たちは大人気、堂内は一杯の人であふれていました。


●鐘楼。
ダイナミックな鐘楼です。開運の鐘一撞き50円。やはりここも人気、列が出来て
いました。


ボクは撞いていませんが女房はシラットした顔で一撞き、ボクのこと何かお願い
してくれたかと聞くと、「自分のことで精一杯」だって。


●文珠楼。
本尊文殊菩薩。上層に祀っています。
延暦寺の総門。根本中堂前の急石段上に建っています。円仁さん創建といわれて
いるそうですが、現在の門は江戸初期の再建。独特の建築様式で下層は禅宗様式、
上層は入母屋造りです。


●十三重石塔。
文珠楼横の新しい石塔です。層間に参拝者が積む小石がいっぱい。かなり高い位
置まで小石が、手が届かないはずですがどうして。


●戒壇院。
天台授戒の戒壇院は最澄さんの悲願。最澄さん死後7日目に勅許が下りたそうです。


●阿弥陀堂。
昭和12年の建造。宝形造、二層に見えますが下屋根は裳階です。


内部内陣は極彩色でキラキラ、本尊もピカピカです。
本尊丈六阿弥陀如来坐像。仏師は内藤光石さん。


●法華総持院東塔。
400年ぶりに再建されたきれいな宝塔です。根本中堂と共に重要な信仰道場。内部
には立派な壁画があるそうです。


●阿弥陀堂と東塔を繋ぐ回廊。


●前唐院。
本尊慈覚大師(円仁さん)。入唐後大師が持ち帰られた新言密教曼茶羅を納めて
いる。大講堂裏に建っていますが人気は在りませんでした。


延暦寺は新旧の堂宇が併存しています。が創建時の堂宇は信長の比叡山焼き討ち
ですべて消滅。
各お堂はすべて石段付きで、たいがいしんどいです。この日は東塔エリアだけで
比叡山参拝予定時間終了。西塔、横川エリアへは又こんど来ることにしょうと女
房に云うと「もういい」とのことでした。

[ ガーデンミュージアム比叡 ]
延暦寺参拝前に寄ってみました。
ここはきれいに整備されたフランス風お花畑です。ところどころにフランス印象
派画家ルノアール、モネ、ゴッホなどの陶板名画が展示されています。山頂とい
えどもこの狂暑、お花さんたち可哀想。元気なのは睡蓮と鯉とウチの女房だけで
した。

睡蓮の池


プロバンス風。


グリーンローズ。非常に珍しいバラだそうです。
管理されてる方が自慢してました。


カフェから琵琶湖が……、よく見えませんネ。
わるいのはIXYでしょうか、腕でしょうか。


おしゃれな庭案内。


大原へつづくのです。