土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

三室戸寺は西国観音霊場十番札所です。

2012年04月03日 | 京都の古寺巡り


(2012.04.01訪問)

土曜日、またまた憎っくき天気の宇治を性懲り無く訪問しようと、しかし天気予報はヤッパリ雨。急遽、今
日日曜に変更。やっと宇治にも青空が広がっていました。青空ってホント気持いいですね。先週訪ね損ねた
三室戸寺、花のお寺の花の無い時をジックリと、です。
霊宝殿宝蔵庫に安置されている重文5体の仏像を拝観したくて今日訪ねたのですが、開扉が毎月17日、結局
拝観出来ませんでした。なんで調べて行かないんでしょうねマッタク。

▼三室戸寺道しるべ。
京阪電車三室戸駅から東に緩やかな明星山麓の坂道を歩くと、Y路に建っています。



[ 三室戸寺 ]
●山号 明星山(みょうじょうさん)
●寺号 三室戸寺(みむろとじ)
●宗派 本山修験宗別格本山
●開基 (伝)光仁天皇
●開山 (伝)行表禅師  
●開創 (伝)宝亀年間(770~781年)
●中興 智証大師円珍
●本尊 千手観音菩薩(秘仏)
●札所 西国三十三観音霊場十番札所

三室戸寺縁起 (三室戸寺HPから抄出)
約千二百年前、宝亀元年(西暦七七〇年)のこと、光仁天皇が宮中に毎夜金色の霊光がさし込むのを御覧に
なって、この奇瑞を大変お喜びになり、右少弁犬養に勅して、霊光の源を尋ねさせられた。犬養は勅をうけ
早速、宇治川の支流の志津川の渓流に沿って登って行くと、古樹がうっそうと生い茂る中に、水が青く澄ん
でいる清淵があり、そこは塵境を離れた幽寂の地で、流水の響きは煩悩の垢を洗う心地を起させたのである。
犬養が清淵に近ずくと、御丈、二丈余り、相好円満、光明赫々とした、千手観世音菩薩が、まぼろしのよう
に、清淵の中から出現されたのを見た。犬養は随喜の涙を押え、掌を合せ厚く頂礼して、清淵に飛び入り、
この御仏を抱き上げてみると、さきほどの尊容ではなく、御丈、一尺二寸の二臂の尊像と化していられた。
犬養は都に帰り始終を天皇に奏上申し上げると、天皇の叡感殊の外深く、早速宮中に尊像をおむかえになつ
たが、その後、行表禅師を招き、御室をこの地に移して、この尊像を本尊として安置して御室戸寺と称する
よう勅されたのである。


▼入山受付に立つ西国十番の寺標。




▼参道。




参道右側にあじさい園とつつじ園の広がりが見渡せます。今は全く色気無し。
▼つつじ園。




▼つつじ満開時はこんな感じです。(ちょっと古い写真ですが2009.05.06に訪ねたときのものです)




▼あじさい園。




▼あじさい満開時のナイターはこんな感じです。(かなり古い写真ですが2001.07.01に訪ねたときのものです)




▼「ようおまいり」の石碑が迎えてくれます。




▼手水舎。




▼手水鉢の台座前にお不動さんが無言の喝。




▼本堂。
桁行5間、重層入母屋造り、正面唐破風付き、本瓦葺きの重厚な建物。文化2年(1805年)再建。
さすがに札所、巡礼白衣に輪袈裟のお遍路さんが大勢お参りされてました。




▼本堂扁額。明星山と山号が揮毫。




▼本堂内陣。中央お厨子前に本尊お前立ちの千手観音菩薩立像。ご本尊はお厨子の中、絶対秘仏。




▼本尊お前立ちの千手観音菩薩立像。
真手二臂で千手観音とは? 皆さん!この観音さん、どこかで拝したことありませんか?
そうです、法隆寺の夢殿救世観音立像、良く似てるでしょう。正面性を強調し天衣は左右対称で鰭状、宝冠
大きく、ややつり目の穏やかなお顔の印象です。明らかに飛鳥時代の像容がうかがえますが、秘仏の本尊を
模して造像されたそうです。造像年代は不詳ですが金泥も美しく比較的新しい作ではないかと思われます。




▼源氏の庭の堂々とした椿の大木。落花盛んです。




▼鐘楼。一撞き打たしていただきました。




▼三重塔。
塔高16m、元禄17年(1704年)建立。可愛いけれど均整のとれたグッドプロポーション。兵庫県佐用町の高
蔵寺のものを明治43年(1910年)移設したそうです。




▼三重塔相輪。




▼三重塔。




▼阿弥陀堂。親鸞聖人父堂、日野有範の墓上に親鸞さんの娘、覚信尼さんがこのお堂を建立、阿弥陀三尊を
お祀りしたそうです。




▼宝勝牛。本堂前に鎮座する牛の石像。口の中に石玉があり、これを撫でると勝運がつくと云われています。
思い切り撫でまくりました。




▼花の寺三室戸寺夏の代表、本堂前の蓮園には250鉢の蓮鉢が置かれていますが、今はご覧の通り。




▼宇賀神石像。財運金運の蛇神で顔は翁、からだは蛇で蓮台に乗っています。あまりにも穏やかなお顔なの
でアップにしました。




▼庭園与楽苑の石碑。参道石段下に広がる五千坪の庭園は花の季節はスゴイ人・人・人ですよ。




▼石庭。




▼池泉。




▼何か用かい、おっちゃん! アイサツ代わりに麩でも投げなよ!とか何とか云ってるような。




▼つつじもアジサイもまだまだ、馬酔木は満開!残念ながら樹は少々。





花のない花のお寺(馬酔木だけは満開でした)も善男善女の花が満開でした。
宇治の地名にもなったこの菟道(うじ)の地に千数百年の伝承を伝えながらその法灯を守っている三室戸寺、
ぼつぼつ何気なく吹く風にも春の息吹を感じるようになったこの日は、あの憎っくき宇治のお天気も青空、
さすが札所のこのお寺、お詣りの方々で引っ切りなしでした。きれいなお寺です。

三室戸寺オシマイ!ですが、次のお寺に続くのであります。