土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

西南院、池に映る西塔は逆さ塔。

2014年05月30日 | 奈良の古寺巡り


(2014.05.24訪問)

名庭拝観は続いて西南院へ。華やかで妍を競った牡丹や石南花のシーズンが去ると、名刹も人々の姿はすっ
かり影をひそめます。やがてやって来る雨のシーズンには、艶やかさとはまた違ったシットリとした色彩が
お庭を埋めることでしょう。
ここ西南院は花の寺ですが、やはりなんと云ってもお庭の景、中でも西塔を借景とし心字池に取り込んだ逆
さの塔、そして高所から見る東西両塔の景、千三百年前から欠けることのない、ここだけにしかないこの景
観、今日はジックリとお庭を歩き、時にはお抹茶をいただきながら、しばしの刻を独り占めさせていただき
ました。


▼甍と西塔。





[ 當麻寺 西南院 ]
●寺号 當麻寺 西南院 (たいまでら さいないん)
●開基 伝 麻呂子親王 (まろこしんのう)
●開創 伝 當麻真人国見 (たぎまのまひとくにみ)
●開山 伝 恵潅僧正 (えかんそうじょう)
●宗派 高野山真言宗
●本尊 十一面観音像立像 
▲奈良県葛城市當麻1263  TEL.0745-48-2202
▲拝観料 大人300円 お抹茶接待400円 御朱印300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲HP http://taimadera-sainain.or.jp/
▲近鉄南大阪線「当麻寺」下車 徒歩15分

当麻寺 西南院縁起 (西南院HPから抄出)
當麻寺塔頭西南院は、當麻真人国見が麻呂子親王によって草創された萬法蔵院を白鳳十二年、百済の僧正恵
潅を導師に迎え、當麻寺として還造した時、坤(裏鬼門)の守り寺院として創建されたのが始まりで、西塔
の別当となった。その後、弘仁十四年に弘法大師が当院に留錫し曼荼羅堂において「いろは歌」を御想念さ
れた。この時より真言宗となり、法灯は守り続けられ人々の厚い信仰を集めている。


▼山門。





         ▼牡丹園から庫裡と西塔。





▼庫裡妻側の手の混んだ壁面飾り。




早速、池泉回遊式庭園を歩いてみましょう。
心字池を中心に、背後の山裾を利用した庭園は、書院を見下ろしながら高所を周遊、お庭全体を俯瞰しやが
て低所に下り、水平目線で眺め、書院の縁ではお抹茶をいただきながら、お庭本来の観賞が出来る心憎い設
計がなされています。

▼左上西塔が池に僅かに映っています。 





▼西塔の映り込み、季節により色んな顔を見ることが出来ます。 





▼まるで鏡のよう。 





▼書院の縁側が見渡せます。





▼二つある水琴窟の一つ。 西の方よりこちらの方が音の響きが澄んでたような。 





▼水琴窟から見上げると西塔が目の前。 





▼下りてきました、オシャレな燈籠ですね。心字池の睡蓮まだ睡眠中。 





▼石橋が見えますね、渡ると亀島です。





▼見上げると陽を通した青もみじの息吹が伝わってくるようです。 





▼見晴し台の西南院最大のご自慢! 先ずは西塔をどうぞ。





▼ジャジャ~ン! 西塔と東塔のコラボ! 定番中の定番なんですココは。 




お抹茶をいただきに書院へ
▼書院の間、左の障子を開けると縁側です。 





▼お庭の一角、額縁を気取って。





▼お抹茶を楽しみながら……。 





▼飛び石が続きますが、下りることは出来ません。斜面の丸い刈り込みは蕾固しのさつきです。 









▼心字池の西端になります。




お抹茶をいただきながら、独り占めのお庭鑑賞、今は花々の彩りはありませんが、新緑から真緑へと、ただ
ボーと坐って季節変わりの真ん中にいる実感を楽しんだ西南院でした。


▼牡丹園から西塔。





▼御朱印です。





陽の射す緑に目が眩みそうな當麻寺の名庭塔頭 オ シ マ イ

オ マ ケ
▼大津皇子の悲劇を抱え今日もひっそり佇むフタカミヤマ。 








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