(2014.07.19訪問)
白毫寺からゆるい下り坂をクネクネ歩くこと十五分ほど、新薬師寺に到着です。
刈り取られた萩のない境内は、南門を潜ると全体が見渡せます。あまりにキレイサッパリの境内は気の抜け
たようで最近は足が遠のいています。寺務方のお話によると、三~四年前、萩があまりに繁りすぎてセキュ
リティ上、アラームの誤作動やほか色々あって思い切ってバッサリしたそうです。
▼南門から本堂。
[ 新薬師寺 ]
●山号 日輪山 (にちりんさん)
●寺号 新薬師寺 (しんやくしじ)
●開基 光明皇后 (こうみょうこうごう)
●創建 天平十五年 (747年)
●宗派 華厳宗
●本尊 薬師如来坐像 (国宝)
▲奈良県奈良市高畑町1352 TEL.0742-22-3736
▲拝観料 600円 朱印300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲JR奈良駅、近鉄奈良駅から市内循環バス「破石町」下車徒歩10分
▼東門前の寺標。
▼拝観入口はこちら南門 (重文)。新薬師寺の表門です。
桁裄一間、梁間二間、四脚門、切妻造、本瓦葺。鎌倉時代後期。
▼左手に白漆喰袴腰の立派な鐘楼 (重文)。いつも思うんですが一回撞いてみたい。
桁裄三間、梁間二間、重層、入母屋造、本瓦葺。鎌倉時代。
▼本堂 (国宝)。
外観は優しい感じの瀟酒なお堂ですが、内部が凄い、天井を張らず骨組みを直に見ることが出来る化粧屋
根裏、柱四十本はすべて円柱。中央には円形漆喰須弥壇が築かれ、中央に本尊薬師如来坐像を安置、本尊
の周りに十二神将像が外向きに立っています。
桁裄七間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺。天平十九年。
▼本堂本尊 薬師如来坐像 (国宝)。像高191.5cm、榧木造、奈良~平安初期。
十数年前、円形須弥壇に登壇させていただいたことがあり、間近でご本尊と十二神将に拝したことが、ボ
クの自慢です。ピンアマですがその時の写真です。
▼本堂前石灯籠。
▼境内西にポツンと建つ地蔵堂 (重文)。正面長押上の蛙股の意匠が独特。
桁裄一間、梁間一間、入母屋造、本瓦葺。鎌倉時代。
▼三尊が並んでいます。左からお地蔵さん、十一面さん、お薬師さん。
堂名からヤッパリ本尊はお地蔵さんと思うでしょう、正解は十一面さんです。
▼実忠和尚御歯塔。本来は十三重石塔であった実忠和尚の歯塚と伝承、当初の部分は下二段、残りは後補だ
そうです。
▼石仏。
▼お庭と放生池。
▼古塀。和辻さんや亀井さんの大和古寺の文章が甦ってくるようです。
▼香薬師堂の扁額。香薬師堂には三体のお地蔵さんが祀られていますが、本来の本尊は薬師如来さん、昭和
十八年盗難に遭い以来行方不明とのこと。レプリカは平城遷都千三百年記念で特別公開のとき見たことが
あります。
▼会津八一歌碑。盗難にあった香薬師さんを偲んだ歌です。
ちかづきて あふぎみれども
みほとけの みそなはすとも あらぬさびしさ
▼古塀。いつ見ても今にも崩れ落ちそうです。
▼東門 (重文)。
▼御朱印。
いつ拝しても、ご本尊の目力は半端じゃないですネ。まん丸お顔で大きな目に黒目がギロリ、ギクッとしま
すがよく見るとどこか微笑んでいるようにも見え、光明皇后が夫聖武天皇の眼病治癒を願った心がこもって
いるようにも見えます。時代は違いますが。
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