土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

新薬師寺、ご本尊の目力に圧倒されてきました。

2014年07月24日 | 奈良の古寺巡り



(2014.07.19訪問)


白毫寺からゆるい下り坂をクネクネ歩くこと十五分ほど、新薬師寺に到着です。

刈り取られた萩のない境内は、南門を潜ると全体が見渡せます。あまりにキレイサッパリの境内は気の抜け
たようで最近は足が遠のいています。寺務方のお話によると、三~四年前、萩があまりに繁りすぎてセキュ
リティ上、アラームの誤作動やほか色々あって思い切ってバッサリしたそうです。


▼南門から本堂。





[ 新薬師寺 ]
●山号 日輪山 (にちりんさん)
●寺号 新薬師寺 (しんやくしじ)
●開基 光明皇后 (こうみょうこうごう)
●創建 天平十五年 (747年)
●宗派 華厳宗
●本尊 薬師如来坐像 (国宝) 
▲奈良県奈良市高畑町1352 TEL.0742-22-3736
▲拝観料 600円 朱印300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲JR奈良駅、近鉄奈良駅から市内循環バス「破石町」下車徒歩10分


         ▼東門前の寺標。





▼拝観入口はこちら南門 (重文)。新薬師寺の表門です。
 桁裄一間、梁間二間、四脚門、切妻造、本瓦葺。鎌倉時代後期。





▼左手に白漆喰袴腰の立派な鐘楼 (重文)。いつも思うんですが一回撞いてみたい。
 桁裄三間、梁間二間、重層、入母屋造、本瓦葺。鎌倉時代。





▼本堂 (国宝)。
 外観は優しい感じの瀟酒なお堂ですが、内部が凄い、天井を張らず骨組みを直に見ることが出来る化粧屋
 根裏、柱四十本はすべて円柱。中央には円形漆喰須弥壇が築かれ、中央に本尊薬師如来坐像を安置、本尊
 の周りに十二神将像が外向きに立っています。
 桁裄七間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺。天平十九年。





▼本堂本尊 薬師如来坐像 (国宝)。像高191.5cm、榧木造、奈良~平安初期。
 十数年前、円形須弥壇に登壇させていただいたことがあり、間近でご本尊と十二神将に拝したことが、ボ
 クの自慢です。ピンアマですがその時の写真です。





         ▼本堂前石灯籠。





▼境内西にポツンと建つ地蔵堂 (重文)。正面長押上の蛙股の意匠が独特。
 桁裄一間、梁間一間、入母屋造、本瓦葺。鎌倉時代。





▼三尊が並んでいます。左からお地蔵さん、十一面さん、お薬師さん。
 堂名からヤッパリ本尊はお地蔵さんと思うでしょう、正解は十一面さんです。





▼実忠和尚御歯塔。本来は十三重石塔であった実忠和尚の歯塚と伝承、当初の部分は下二段、残りは後補だ
 そうです。





▼石仏。





▼お庭と放生池。









▼古塀。和辻さんや亀井さんの大和古寺の文章が甦ってくるようです。





▼香薬師堂の扁額。香薬師堂には三体のお地蔵さんが祀られていますが、本来の本尊は薬師如来さん、昭和
 十八年盗難に遭い以来行方不明とのこと。レプリカは平城遷都千三百年記念で特別公開のとき見たことが
 あります。





         ▼会津八一歌碑。盗難にあった香薬師さんを偲んだ歌です。
           
          ちかづきて あふぎみれども 
               みほとけの みそなはすとも あらぬさびしさ






         ▼古塀。いつ見ても今にも崩れ落ちそうです。





▼東門 (重文)。





▼御朱印。





いつ拝しても、ご本尊の目力は半端じゃないですネ。まん丸お顔で大きな目に黒目がギロリ、ギクッとしま
すがよく見るとどこか微笑んでいるようにも見え、光明皇后が夫聖武天皇の眼病治癒を願った心がこもって
いるようにも見えます。時代は違いますが。



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