(2018.03.03訪問)
新大和路号は南阪奈道から165号線を隠国初瀬の地、長谷寺を目指して例によりチンタ〜ラ走っております。
今、長谷寺で日本最大の掛け軸がご開帳されているんです。室町時代に罹災した本尊十一面観世音菩薩立像を復興修造するため設計
図として作られたと伝わる原寸大の掛け軸のご開帳です。聞いて驚き、見てビックリ! なんと軸長16m余りの大きさなんです。軸の
体裁なので軸なんでしょうが、余りにも大きくどんな使い方をしたのか、大いに興味がそそられます。
▼大観音大画軸大開帳ポスター。今日の長谷寺拝観は、コレがメイン。
[ 長谷寺 ]
●山号 豊山 (ぶさん)
●院号 神楽院 (かぐらいん)
●寺号 長谷寺 (はせでら)
●勅願 聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 徳道上人 (とくどうしょうにん)
●開創 伝 神亀四年(727年)
●宗派 新義真言宗豊山派総本山
●本尊 十一面観世音菩薩立像 (重文)
▲拝観料 拝観料 500円 大講堂特別拝観500円 朱印300 駐車料500円
▲拝観時間 9:00~17:00 (シーズンにより変動があります。ご注意!)
▲西国三十三カ所観音霊場第八番札所
▲http://www.hasedera.or.jp/
▲奈良県桜井市初瀬731-1 TEL.0744-47-7001
▲近鉄大阪線「長谷寺駅」を下車、徒歩15分
西名阪自動車道「天理IC] 国道169号線を桜井市内で国道165号線を東進、初瀬西の信号を左折し門前町へ。
南阪奈道路を突きっきり、橿原市縄手町を左折、スグの国道165号線を東進、初瀬西の信号を左折し門前町へ。
▼参道前の寺号石碑。
長谷寺縁起 (長谷寺HPから抄出)
朱鳥元年(686年)道明上人は、天武天皇の銅板法華説相図を西の岡に安置、神亀四年(727年)徳道上人は、聖武天皇の勅を奉じて、衆
生のために東の岡に近江高島から流れ出でた霊木を使い、十一面観世音菩薩をお造りになられました。徳道上人は観音信仰にあつく、
西国三十三所観音霊場巡拝の開祖となられた大徳であり、当山は三十三所の根本霊場と呼ばれてきました。現在の長谷寺は、真言宗
豊山派の総本山として、西国三十三観音霊場第八番札所として、 多くの人々の信仰をあつめています。
▼参道。
▼仁王門。
▼仁王門扁額。
▼仁王門。
▼登廊 (のぼりろう)。108間、399段、上中下の三廊に分かれてる。長歴3年 (1039年)建造。
▼下登楼から中登楼へ。
▼399段上りきるとそこに鐘楼。
▼下から梵鐘を見ます。
▼鐘楼横に本堂、コレは側面です。
▼とてつもなく大きい本堂扁額。舞台側に掲げられています。
▼本堂礼堂定番の床緑は時期早尚、あとひと月お待ちを。
▼奥に本尊十一面観世音菩薩立像 (重文) が金網越し僅かに見えます。像高10.18m、木造、天文7年(1538年)再興。
通常の十一面観音像と異なり、右手に数珠と地蔵菩薩が持つ錫杖を持ち、左手に通常の十一面観音像と同じ水瓶を持っている姿で
す。錫杖を持った十一面観音は「長谷寺式十一面観音」と呼ばれています。
▼奉納額がコレでもかと、とにかくイッパイ。
▼大舞台。
▼そよぐ五色幕。
▼舞台から五重塔遠望。
▼舞台から本坊遠望。今日目指す開帳会場はこの本坊で。
▼本堂 (国宝)。桁行9間、梁間5間、正面入母屋造本瓦葺。
正堂(内陣)と礼堂(外陣)とで構成された非常に複雑な建築法を用いている建物です。
▼開山堂。方3間、宝形造、本瓦葺。
▼開山堂内陣。長谷寺開山徳道上人をお祀りしています。
▼弘法大師御影堂。方5間、宝形造、銅板葺、1間向拝付。宗祖弘法大師をお祀りしています。
▼本長谷寺。桁裄3間、梁間3間、入母屋造、本瓦葺、1間向拝付。
天武天皇勅願で道明上人がここに精舎を造営したことから、今の本堂に対し本長谷寺と呼んでいる。朱鳥元年 (686年)道明上人
は天武天皇の御病気平癒のため「銅板法華説相図」を鋳造、本尊としてお祀りされた。
▼本長谷寺内陣。正面に本尊銅板法華説相図が祀られています。
▼ 銅板法華説相図。
▼一切経蔵。方3間、宝形造、本瓦葺。残念ながら内部は窺うことは出来ません。
▼一切経蔵扁額。
▼五重塔。塔高 31.39m、桧皮葺、昭和29年( 1954年)建立。
塔身の丹色と相輪の金色、檜皮葺屋根の褐色は、周辺によくマッチしています。
▼2層目の高欄のグリーンは補色の美。
▼五重塔。
▼相輪。
▼五重塔。
▼相輪トップ。水煙デザインがよく判りますネ。
▼五重塔。
▼五重塔から少し行くと納骨堂が建ち、ズンズン進むと道は奥の院へと続きます。
奥の院です。奥の院は祖師堂を正堂、陀羅尼堂を礼堂、合わせ菩提院と称しています。
▼興教大師祖師堂。方3間、宝形造、本瓦葺。両脇は格子の蔀戸。
▼祖師堂扁額。
▼祖師堂前面。
▼祖師堂内陣須弥壇。中央に立派なお厨子が置かれ中に覚鑁さんが祀られているのでしょうか。
▼祖師堂。
▼陀羅尼堂。
▼陀羅尼堂扁額。
さて今日の本番、本坊へ向かいます。
▼本坊山門。
▼中心伽藍から少し離れたところ、本坊だけでも一寺院の風格。
▼本坊玄関。本坊は根本道場である大講堂や書院などで構成されています。
▼この軸が長谷寺観音大画軸。
明応4年 (1495年)に罹災した本尊十一面観世音菩薩立像を復興修造するため設計図として作られたと伝えられ、本尊十一面観世
音菩薩立像とほぼ原寸大に描かれているそうです。 この写真では大きさが判りませんよネ。
▼ならばと大講堂に斜めに寝かして開帳展示されています。大きいでしょう、大講堂でも見え方はこれが精一杯。
高さ1646.6cm、横幅622.6cm、重量125.5kg、日本最大の掛軸。
▼上半身の部分。
▼本坊仏間の本尊阿弥陀如来坐像。
▼脇壇の宗祖興教大師覚鑁上人像。
▼悠然とそよぐ吹き流しを仰ぎながら今日の長谷寺予定終了。
▼ご朱印です。
聞きしに勝る大きな画軸でした。コレだけの長尺軸を懸けて眺められる堂宇があったのかどうか疑問が残ります。罹災した本尊復興
修造のための設計図とは言え、巻いて保管だけでは余りにも勿体ないし、ましてや衆生に常時公開してこその本尊軸。余りの大きさ
に疑問も大いに膨らむ大画軸でした。皆様も一度ご覧になってはいかが、お値打ちですヨ。
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